サイト改善 / 制作 公開日: 2020.01.14 更新日: 2022.09.14

CVR改善ってどうやるの?具体的な事例と10個の施策をご紹介

PCで分析

この記事を読んでいる方はご自身のWEBサイトでCVR(コンバージョン率)を改善し、成果に繋げたいと思っている方ではないでしょうか? WEBサイトのCVR改善は特別な技術や知識が必要、と思っている方が多いかもしれませんが、実際にはやり方やポイントを覚えれば誰でも簡単にできます。この記事ではWEBサイトのCVR改善について、具体的なプロセスとメソッドを紹介していきます。

CVRとは、セッション数に対する成果(コンバージョン数)の割合

CVRについてご存知の方が多いと思いますが、おさらいのために記載をさせて頂きます。CVRとは一定期間におけるWEBサイトのセッション数に対して、WEBサイトの成果(コンバージョン)が発生した率を示したものになります

CVRの計算式

CVR =  コンバージョン数 ÷  セッション数 × 100

コンバージョンの例

また、コンバージョンの定義はWEBサイトによって様々ですが一例として以下のようなものがあります。

  • ECサイト → 商品購入回数
  • マッチングサイト → マッチング発生数
  • コーポレートサイト → 問い合わせ数や、電話の荷電数
  • 広告収益のWEBメディア → 広告の閲覧・クリック数

事業の成果に繋がっているのに見落としているコンバージョンポイントがあるかもしれませんので、改めて見直してみるのも良いでしょう。

CVR改善による売上インパクトは大きい

CVR改善を実施する目的は当然、コンバージョン数を上げる点にあります。

さらに、コンバージョン数を上げることによって事業の売上や顧客満足に繋げることが上位の目的と言えるでしょう。

CVR改善の施策を進めたいけど、上司に「どれくらいの効果があるの?」と聞かれて困っている方のために、CVR改善がどれほど売上にインパクトするのかをわかりやすくまとめました。

CVR改善による売上向上の事例

通販サイトAの現状

指標数値
セッション3万件/月
コンバージョン(購入回数)300件/月
売上合計金額300万円
購入単価1万円

上記より算出したこの通販サイトの現状のCVRは1%(300÷3万=0.01)です。

では、セッション数や購入単価は変わらずに、CVRが1%→1.3%になった場合どれほどの売上インパクトがあるでしょうか?

通販サイトAの改修後シミュレーション

指標数値
セッション3万件/月
コンバージョン(購入回数)390件/月
売上合計金額390万円
購入単価1万円

300万円→390万円なので、なんと月間90万円も売上が上がる事になります。

アクセス(流入)を増やすより、CVRを改善した方がインパクトが大きいことがある

セッション数を増やして、CV数を上げる方法もありますがその場合、同じ90件(90万円)のコンバージョンを生み出すためにはセッション数を3万件→3.9万件にしなければなりません。

月間セッション数が3万件のサイトで9,000件のセッションを生み出すのは簡単な事ではないことはご想像の通りだと思います。SEO施策でセッション数を増やすのであれば時間が、広告出稿で増やすのであれば費用がかかってしまいます。

一方でCVR改善の施策は即効性があり、ポイントさえ押さえれば小さな改修だけで大きな効果がでるので、投資対効果が見えやすい活動であると言えます。

CVR改善活動の費用対効果算出のために、皆さんのサイトでもCVRが+0.3ポイント改善したら、どれくらいの売上インパクトが生まれるのか試算をしてみると良いでしょう

>>CVR改善について、ヒトノテに聞いてみる

CVR改善の6つのプロセス

ここではCVR改善の進め方・プロセスをご紹介します。ここで紹介するプロセスは1巡で終わらせるのではなくぜひ、繰り返し行ってみましょう。繰り返すことによって知見が蓄積されCVR改善施策の精度が上がっていきます。

サイトや、管理体制によって変わってくる可能性もありますので、ご紹介したプロセスを適宜アレンジしながら実践してみましょう。

1.GoogleAnalyticsの計測環境を整える

CVRを改善するためにCVRの数値を正確に見れるようにしておくことが肝心です。ご自身のサイトのコンバージョンがGoogleAnalyticsでちゃんと目標設定されているか確認をしておきましょう。

▼GoogleAnalyticsの目標設定の確認方法

  1. 「管理」アイコンをクリック
  2. 一番右の列にある「ビュー」のメニューから「目標」をクリック
  3. 目標一覧が表示されるので設定を確認する
左下の管理ボタンをクリック
GoogleAnalyticsの管理画面
管理画面の「目標」をクリックする
目標設定画面

実際のWEBサイトではコンバージョンポイントが複数あるのに、GoogleAnalyticsでは1つしか目標として設定されていない、、という事や目標設定はされているのに、実際にコンバージョンしてもカウントされない、、などのトラブルを良く見かけます。

漏れている目標設定はないかを確認するのと、目標設定後は必ずGoogleAnalytics上でカウントされるかテストをしてみましょう。

2.自社サイトのCVRをチェックする

計測環境が整ったら実際にサイト全体のCVRがどれくらいなのかを確認してみましょう。CVRは日々変化をしますので、平均値をとるために対象期間を1か月以上で設定して確認してみましょう。

▼CVRの確認方法

1. 左側メニューの「コンバージョン」>「目標」>「概要」をクリック

CVR確認方法

2. 表示された画面の左上の日付選択で対象期間を直近1か月~で設定

3. 画面中央部にある「コンバージョン率」がCVR

ここで調べた自社サイトのCVRが高いのか低いのか、判断がつかない方も多いかと思いますが、CVRの天井に達しているWEBサイトというのは殆どないと考えてください。また、現状のCVRが高かったとしても競合サイトの状況に応じてCVRが落ちることも考えられますので、CVRが高いか低いかは考えずに次のプロセスへ進みましょう。

3.CVR改善をするポイントを絞る

次に、CVR改善をした際に成果(コンバージョン数)が大きくなるであろうページの絞り込みをしていきます。

CVR改善の施策でよくやりがちな間違いは、担当者の主観で重要だと思うページばかり改善をしているというパターンです。GoogleAnalyticsで数値を見ながら、改善ポイント(改善ページ)を絞り込んでいきましょう。

▼改善するとコンバージョン数増加に繋がりやすいページ

  • PV数が多いページ
  • ランディングページで流入しているセッションが多いページ
  • 上記のページの中で、他の同様ページと比較してCVRが低いページ
  • コンバージョンに近いページ(カートや問い合わせフォームなど)

4.CVRが低い要因を仮説立てる

改善するページが絞れたら、次はなぜそのページ経由でコンバージョンする数が少ないのか、仮説を立てていきます。

仮説の立て方は色々ありますが、おすすめなのはページをご自身や社内の方に見てもらいながらやるというものです。最終的に検証する仮説を絞るとしても、まずは広くリストアップしていきましょう。

▼仮説の例

  • ページの中のコンテンツが少ないためユーザーが離脱している
  • コンバージョンする意思があるのにコンバージョンボタンに気付いていない
  • カートの入力エラー表示が分かりづらいために離脱している
  • 検索エンジンから流入したがタイトルとページの中身にギャップがあり直帰している

など

5.仮説に沿った施策をサイトで実装する

CVRが低い仮説が出てきたら、その仮説が本当なのかサイト上で検証するために、どんな施策を打てばいいのか考えて見ましょう。

具体的な施策は次の章で詳しくご紹介していきますが、あくまで「仮説検証」なのでその仮説や施策が正しいかどうかよりも、スピード感を持って実装を進めていくことの方が重要になります。社内で様々な意見が出ると思いますが、あまり重く考えずに施策をどんどん打って効果検証をしていきましょう。

6.効果検証

じつはCVR改善のプロセスの中で最も重要なのは、この効果検証です。理由は仮説検証を行うことによって、自信を持って次のアクションに繋げられるからです。

▼仮説検証の結果と次のアクション

  • CVRが上がっていた → 他の類似ページにも同様の施策を展開
  • CVRが下がっていた → 対象の施策をキリ戻して、別の仮説&施策を実施
  • CVRが変わらなかった → 他の施策を同じページで実施

CVR改善施策の実装後、2週間~1か月のタイミングで実装前後のCVR変化を確認してその仮説が正しかったかどうかを振り返ってみましょう。

<TIPS>マイクロコンバージョンの設定による効果検証

マイクロコンバージョンとは、別名「中間コンバージョン」と呼ばれており、コンバージョンに繋がる、コンバージョンの1歩手前の行動を指します。

▼例えば、以下のようなマイクロコンバージョンが考えられます

ECサイトの場合:コンバージョン=商品購入 マイクロコンバージョン=商品ページや一覧の閲覧

求人サイトの場合:コンバージョン=求人応募 マイクロコンバージョン=求人ページや一覧の閲覧

マイクロコンバージョンを設定することによって、流入~コンバージョンまでの間に1つ中継指標ができるためCVRを下げている原因を特定しやすくなります。

また、コンバージョンよりもマイクロコンバージョンの方が母数が大きくなるのため、分析がしやすくなるのも1つのメリットです。コンバージョンの数は少ないけど、CVR改善施策が効いているのか確認したい!という方にもおすすめです。

>>CVR改善について、ヒトノテに聞いてみる

CVR改善施策の具体例10選

次に、CVR改善施策として具体的にどのようなものがあるのかをご紹介していきます。これからCVR改善施策を進めていく方だけでなく、「施策アイディアが出てこない!」「ネタ切れしてしまった!」という方もぜひネタ帳として活用してみて下さい。

1.コンバージョン種別を増やす

あなたのWEBサイトにあるコンバージョンポイントは何種類でしょう?

従来のWEBサイトで考えられる、コンバージョンポイントは「フォーム(問い合わせ・予約など)」「電話」「カート」くらいでしたが、近年ではテクノロジーの発達によって「チャット」「SNSからのメッセージ送信」などをコンバージョンポイントとして設定する企業も増えてきました。また、「ホワイトペーパーのダウンロード」も、問い合わせよりもライトなコンバージョン種別として一般的です。

自社サイトの顧客のターゲットを分析して、サイト経由でどのようなコミュニケーションをとるのが最適なのか、考えながら新しいコンバージョン種別の検討をしてみても良いでしょう。

2.コンバージョンまでの導線設計を見直す

コンバージョンをさせるためには、サイトを回遊しているユーザーがそのサービスや商品、会社に対して興味を持ってもらう必要があります。 ユーザーに興味を持ってもらうために必要なのは「サイト回遊のストーリー」とそれに応じた導線設計です。

例えば、以下のようなユーザーのストーリーをイメージしてみましょう。

▼転職求人サイトに来たエンジニアAさんのサイト回遊ストーリー

  1. 「東京 エンジニア 求人」でGoogle検索
  2. 検索結果に出てきた東京×エンジニアの求人一覧ページに流入
  3. 求人の中から希望年収で絞り込みを行う
  4. 3件ほど気になった求人詳細を何度か見て、一覧画面より応募申し込みをした

イメージできましたでしょうか?

このようなストーリー(ユーザーの行動)を想定した時に3のタイミングで、年収など重要な条件についてはすぐに絞り込めるようなボタンが求人一覧画面上に表示されていた方が良いかもしれませんし、4に場面については、一覧画面上で目立つ位置に応募申し込みボタンがあったほうがコンバージョンに繋がるかもしれません。

ぜひ、リアルなサイト回遊ストーリーをイメージして導線設計をしてみてください。

3.コンバージョンボタンが出現する回数を増やす

自分たちはコンバージョンボタンをWEBサイトのページの中にしっかりと設置しているので大丈夫!と自負している場合でも要注意です。なぜなら、コンバージョンボタンは、ユーザーから見るとあまり目に入っていない可能性もあります。特にスマートフォンの場合は画面が長いのでページの最初と、最後にしか目に入らないというページはよく見かけます。

人間の記憶は曖昧なので、サイト運営側から見ると「少ししつこいかな」と思うくらいコンバージョンボタンを設置しましょう。

4.コンバージョンボタンのデザインを変更する

コンバージョンボタンの出現回数を増やすことに加え、ボタンを目につきやすいデザインにするというのは効果が出やすいCVR改善施策です。ボタンのデザイン改善の一例として以下のようなものがあります。

▼コンバージョンボタンのデザイン改善例

  • ボタンの色を寒色から暖色に変更する
  • ボタンのサイズを大きくする
  • ボタンにカーソルをあてた時に色が変わるようにする
  • ボタンの中に「無料」や「●分で完了」などのフレーズを入れる

5.フォームUIの改善をする(EFO)

一般的に、コンバージョン近い画面ほどCVR改善の効果が出やすいと言われています。その1つが各種フォームの画面です。フォーム改善はEFOツールを入れないとできないのでは?と思っている方も多いようですが、ツールを入れなくて改善は可能です。以下に代表的な改善施策を記載しますので参考にしてみて下さい。

▼フォーム改善のポイントの一例

  • 不要な項目を削除して項目数自体を減らす
  • 任意項目は初期表示では非表示にする(アコーディオン表示)
  • 郵便番号は1つの枠の中でハイフンなしで入力する仕様にする
  • スマートフォン画面では入力パッドが自動切換えされるようにする
  • フォーム入力している最中(送信前)にどこがエラーか明示されるようにする

6.システムエラーを潰す

あなたのサイトではリンク切れや、古いページへのリンクをそのままにしていませんか?システムエラー画面が表示されると、たいていのユーザーはびっくりして離脱をしてしまいます。

また、WEBサイトの中に検索システムや、データベースから情報を呼び出すシステムを実装している場合、ユーザー操作によってはエラーが発生してしまう場合があります。やけに離脱が多いと思うページを見つけたら、徹底的に操作テストを行ってエラーがあれば潰しておきましょう。

7.掲載終了ページを改善する

求人サイト、不動産サイト、ECサイトなど、情報の入れ替わりが発生するサイトを運営しているという方は、その情報が掲載終了になった場合にどのような画面になるか一度確認をしてみて下さい。掲載終了画面で「掲載終了しました」だけ表示されている場合は、掲載終了してしまったそれと類似の情報など、その人が興味を持ってくれそうコンテンツをページの中に設置してみましょう。

掲載終了すれば、アクセスされないので大丈夫!というわけではありません。検索エンジンや、ユーザーのブックマークに対象のURLが残っている可能性がありますので要注意です。

8.コンテンツの表示順を改善する

同じく、求人サイトや不動産サイトなどデータベース系のWEBサイトで有効なCVR改善の手段として、コンテンツの表示順を改善するという手法があります。

求人サイトであれば、求人一覧ページで最初に表示されているのが、給与が低い求人よりは、高いものの方がそのサイトに好印象を持つかもしれませんし、賃貸物件のサイトで物件一覧ページの一番上に表示されるのが新築の広々としたマンションであれば、そのサイトで素敵な部屋がたくさんありそうだと感じてくれるかもしれません。

ユーザーが自分で並び変える場合はありますが、初期表示の並び順は「ファーストインプレッションで魅力的に感じそうなコンテンツ」が上にくるようにしましょう。

9.デバイス対応をさせる

ここ10年でスマートフォンが普及してきたため、BtoBのWEBサイトの場合もスマートフォン対応をしているサイトの方が多くなってきました。GoogleAnalyticsではデバイス別のCVRも見れるようになっていますのでスマートフォンの方が異常に低い、という方はご自身のサイトをスマートフォンでよく確認してみましょう。

スマートフォン用の画面は用意されているが、表示崩れをしていたり、挙動によってはエラーが発生しているという場合もあるのでユーザーになった気持ちで、ご自身のサイトを見直すことをおすすめします。

10.接客ツールを使う

WEB接客ツールを導入すれば、ユーザーの行動(滞在時間・閲覧ページなど)に応じて表示させるコンテンツを出し分けることが可能です。例えばECサイトの場合は接客ツールによって、購買意欲が高いユーザーを判別し時間限定の割引クーポンを表示したり、その瞬間に購入することによるメリットを訴求することもできます。接客ツールの活用によってCVRを伸ばしているWEBサイトは多いようです。

>>CVR改善について、ヒトノテに聞いてみる

最短で効果の出るCVR改善施策を出すには、経験と引き出しが必要!

CVR改善施策の具体例をご紹介しましたが、あくまで例であり、ご紹介した施策以外にも、CVR改善施策は数え切れないほどあります。また、効果の出る施策はサイトによって異なるため、サイトを分析して見極める必要があります。そして、施策の引き出しが多い方がより良い施策を選択できます。

ヒトノテでは、業界・業種を問わないさまざまなサービスの経験をもとに、高度なサイト分析により多種多様なCVR改善施策をご提案できます。またご提案する施策が本当に効果が出るものなのかを見極めながら実装に移すために、ABテストツールを用いた検証と改善を重ねるようなアプローチも可能です。

ご提案にあたって、貴社サイトの簡易分析を行わせていただくことも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

CVR改善のプロセスとメソッドはいかがでしたでしょうか?? 難しいと思われがちなCVR改善ですが、この記事を活用しながら自社サイトに合ったものを試してみて下さい。

また、いきなりサイト改善するに社内調整が大変だったり、CVRが落ちた時のリスクが恐い・・という方はA/Bテストの活用がおすすめです。A/Bテストなら一部のユーザーに対して新しいパターンの画面をテストしてみて、効果検証ができますので、なかなか施策が進まないという方はぜひ試してみて下さい。

ヒトノテロゴ

執筆者:ヒトノート編集部

株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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