コンテンツマーケティング 公開日: 2021.04.06 更新日: 2024.03.28

コンテンツマーケティングを実施する4つの目的・今後の展望とは?

コンテンツマーケティングの画像

コンテンツマーケティングとは、一貫性や価値を持ったコンテンツを通じて、集客から販売、そしてリマーケティングまでを統合的に行う戦略のことです。しかし、その手法やアプローチは明確に定義されたものではなく、どういった目的に用いるべきなのか明確にイメージできていない方も多いのではないでしょうか?

本記事では、コンテンツマーケティングの主な目的を探りながら、その重要性や展望について解説します。これからコンテンツマーケティングを始めようとする方や、基礎から知識を得たいと思っている方はコンテンツマーケティングをはじめる際の参考としてください!

コンテンツマーケティングを実施する4つの目的

コンテンツマーケティング
一貫性・価値のあるコンテンツを戦略的に展開することで、集客〜販売・リマーケティングまでを統合的に行うマーケティング手法

コンテンツマーケティングは明確な手順や手法が決まっているものではなく、むしろ概念的思考であると言えます。まずは、どのような目的で用いられるのか具定例を用いてみていきましょう。

見込み客を獲得する(=リードジェネレーション)

  • 自社サービスと競合性の高い企業の情報やニュース
  • 動画や写真などターゲットユーザーが興味を示しそうなコンテンツ

などを掲載することで、潜在的なターゲットユーザーを集客します

価値ある記事であればSEOも評価されやすいとされ、またSNSシェアなども期待できます。

見込み客を育成する(=リードナーチャリング)

  • 自社製品の特徴
  • 他社製品との違い
  • 関連業界の専門知識
  • 口コミ

などを掲載することで、見込み客に自社製品をよりよく理解してもらい購入意欲を高めます

決して押し売りをするのではなく顧客の抱える問題に対し、解決策を提案することで納得をしてもらうことが重要です。

顧客のファン化

見込み客や既存顧客を自社や自社製品のファンにすることで定着を図ります

その為にはオリジナリティあふれる品質の高いコンテンツが必要です。ファン化のカギは「あらたな発見」「今後への期待」を提供し、業界の専門知識に根差した良質なコンテンツを提供することで「次が見たい」と思わせることがポイントです。

また、秀逸なコンテンツはSNSシェアや口コミにもつながるため、新たな顧客の獲得にもつながります。

ブランディング

専門性の高いユニークなコンテンツを提供し、それが適切に認知されれば結果的に自社のブランディングにも繋がります

また、他社との差別化を考えるなら、ただコンテンツを作るのではなく「自社ならではの特徴」や「特にユーザーに伝えたいこと」を明確にすることがポイントです。

コンテンツマーケティングが重要とされる背景・今後の展望

現代において、これほどコンテンツマーケティングが注目されている理由には、インターネットの変遷や消費活動の変化が大きく関係しています。

① 情報技術の進展とインターネットの普及

スマホを利用している人

モバイルインターネット・スマートフォンの登場により、消費者にとってインターネットはより身近な存在となりました。それに伴い、ユーザーはインターネット上に溢れる多くの情報の中から自分の欲しい情報を探すように変化しています。

ユーザーは自身が知りたいことについて、より分かりやすく専門的なページやサイトを「有益」だと感じるものです。コンテンツマーケティングを実施するなかでも、検索したキーワードがユーザーの意図した情報をしっかり落とし込んでいる内容になっているかどうかが非常に重要となります。

さらに、有益なページほど検索エンジンから高い評価をうけることができるため、SEOを実施する際にも効果的です。検索結果でより高い順位を得られるという事は、多くのユーザーに見つけてもらえるだけでなく、利益向上のチャンスをつかむことにもつながります。

このように、コンテンツマーケティングによって「ユーザーに選ばれる高品質なページ」を制作し検索エンジンの上位を獲得することは、現代のインターネット環境において非常に有効で効率的なマーケティング施策であると言えます。

②消費行動の変化

インターネットの普及はユーザーの消費行動にも影響を与えました。

現在の消費活動の特徴を表す「ZMOT」という言葉があります。

ZMOT(ズィーモット、Zero Moment Of Truth)
Moment of truth = 真価が問われる瞬間 → 正念場を指す英語表現

これは「消費者は販売店で実物をみて購入するのではなく、来店前に購入するアイテムを決めている」というものです。

つまり、顧客へアピールするべきタイミングのゼロ地点がインターネット上にある、という近年の消費行動の特徴を表しています。

例えば、家電量販店でカメラを買う前に、顧客は下記の工程を踏むようになりました。

  • インターネットでどんなアイテムがあるかを調べ
  • 欲しいアイテムを選び
  • そのアイテムの特徴を知る

当然のことながら、商品選びや特徴など重要な情報は信頼性のおけるサイトで調べるでしょう。コンテンツマーケティングにおいて良質なコンテンツを配信することは、購買行動のゼロ地点を獲得することに繋がるのです。

③売り込まれたくないというリードの心理

消費者の半数以上がインターネットから情報を得ているというということから、インターネットでの情報配信は重要性を増しており、それに伴って「インターネット広告」がWEBサイトのいたる所に見られるようになりました。

ユーザーは画面を占めたり、興味のない分野であったりする広告を邪魔に感じ、また相手の見えないインターネット上における売り込み対して警戒心を持ってしまうものです。

大半のユーザーが広告を無視するようになってしまうため、広告のような一方的に押し付けるような「売り込み型」のプロモーションは限界を迎えていると言えるでしょう。

コンテンツマーケティングの展望

顧客の購買行動は「“待つ”から“探す”」「“今すぐ”から“これから”」にシフトしています。

オンラインマーケティングもそれにあわせて手法を変える必要性が生じており、また、即購入を促すのではなくユーザーの必要性に応じて情報やサービスを提供するようなコミュニケーション、つまりコンテンツマーケティングのような中長期的施策が求められています。

今後のコンテンツマーケティングはどのような展望をみせるのでしょうか?

コンテンツマーケティングに参画する企業が乱立する一方、著名なオウンドメディアが閉鎖するなど、従来のコンテンツマーケティング手法が行き詰まりを見せ始めています。

やみくもにコンテンツを増やせばよいのではなく、ユーザーにとって必要とされ、また自社サービスにもマッチするようなユニークなコンテンツが求められるでしょう。

その為にはユーザーの購買行動をコンテンツに落とし込むことが不可欠です。

コンテンツマーケティングにおける購買行動とはどんなものか、次章で解説していきます。

コンテンツマーケティングによる購買行動の特徴

コンテンツマーケティング時代に即した購買行動のモデルとして「DECAX(デキャクス)」があります。ユーザーが広告などに受け身になるのではなく、ユーザー自身が自分に必要な情報を探し、製品や企業への理解を深め、情報収集するという、消費行動の変化に対応したのが特徴です。

DECAX(デキャックス)の法則を理解する

DECAXでは、以下の5つのフローが定義されています。

   ①  Discover(発見)
   ②  Engage(関係)
   ③  Check(確認)
   ④  Action(行動)
   ⑤  eXperience(体験共有)   

▼Discover(発見)

ユーザーはインターネットにあふれる情報から、自分の求めている情報や本当に価値のある情報を「発見」します。

コンテンツマーケティングにおいては、展開するコンテンツの個々が「発見してもらうべき価値ある情報」となります。

Engage(関係)

ユーザーは価値ある情報をSNSでシェアや「いいね!」をして、エンゲージを重ねていきます。コンテンツマーケティングでは、一貫した高品質の情報によりそのユーザーから継続的にエンゲージを得られることとなり、「関係」を深めていきます。

Check(確認)

ユーザーは、インターネットから得た情報を基に商材の「価値」を確認します。展開したコンテンツの品質もさることながら、配信された自社製品情報を吟味し、他商品と比較することで、その価値を見定めます。

コンテンツマーケティングでは「見込み客の育成」にあたります。

▼Action(行動)

ユーザーは、発見した商材を価値あるものだと判断すれば「行動」つまり購入や申込みに至ります。

コンテンツマーケティングでは「マーケティングファネル(ユーザーの購入導線を表したモデル)」に沿って構築する必要があり、その最深部がコンバージョンポイントとなります。

▼Experience(体験共有)

ユーザーは、商材を通して得られた「体験」が優れたものであれば、それを「共有」しようとします。いわゆる、コンテンツマーケティングにおける「顧客のファン化」です。

自社コンテンツやSNSアカウントにおいて口コミを掲載するなどすれば、次の顧客の「Discover(発見)」へ繋がり、DECAXのサイクルが成立するでしょう。

以上のように、DECAXサイクルをベースにコンテンツマーケティングを設計すれば、より収益効率の高いコンテンツを実現できます。

コンテンツマーケティングを実施するメリット・デメリット

評価・フィードバック・顔文字

ここまでコンテンツマーケティングの目的や重要性を紹介してきました。では具体的に、どのようなメリット・デメリットがあるのか本格的に取り組む前に、チェックしてみましょう。

5つのメリット

まずコンテンツマーケティングのメリットについてまとめます。

①費用対効果が高い

広告のような運用時にコストを要するプロモーションとは異なり、コンテンツマーケティングはオーガニック検索(自然検索)を強化するための施策です。このため、流入に対して一切費用がかかりません。(※コンテンツを制作するコストは必要となります)

さらに、コンテンツは資産として残るため、コンテンツの数が増えれば増えるほどコストパフォーマンスは向上し、さらなる流入を期待できます。

②アプローチの幅が拡大し、リードの母数を確保できる

準備するコンテンツにもよりますが、Google chrome やYahooなどの検索エンジンに加えてメルマガ、SNSなどと対応できるチャンネルは幅広いと言えます。

近年では動画コンテンツも注目を浴びており、YouTubeなどのプラットフォームも含めリーチできるユーザー数を大幅に拡大できます。

③ニッチな業界こそ優位性を持つ

特にSEOにおいてはニッチな関連業界では競合が少なく、優位性を保つことができます

独自性・専門性やコンテンツの品質は検索エンジンが高く評価するポイントであるため、ニッチな業界のコンテンツマーケティングはぜひチャレンジするべきでしょう。

しかし、そもそも「必要とされない」「なくても困らない」というような商材ではターゲット層も減少してしまうため、注意が必要です。

④適したリードナーチャリングが実施できる

集客できるコンテンツの内容によってユーザーの状況やニーズが明確であるため、そこから購買までの導線が構築しやすく効果的なリードナーチャリングが実施できます。

⑤信頼関係の構築=ブランド力の向上が期待できる

専門性が高く信頼できる情報を提供し続けることは、ブランドの信頼性が高まることと同義です。従来のような売り込み型の広告などとは違い、プロモーションとブランディングを同時に実施できることは一挙両得の施策と言えるでしょう。

3つのデメリット

続いてデメリットを見てみましょう。収支や戦略にも影響するポイントですので、ご自身の商材や関連業界に適しているか、事前にチェックしてください。

①成果が出るまでに時間がかかる

コンテンツマーケティングはユーザーに「選ばれる」ための戦略です。コンテンツ構築や施策から即効性を得るのは難しく、またその反応が保証されるものではありません。最低でも効果が出るまでに2~3ヶ月はかかると想定しておきましょう。

綿密なマーケティング戦略と共に、中長期的なプランが必要となります。

②効果の測定・分析がむずかしい

成果が出るまでに時間がかかるという事は、コンテンツ構築にかかったコストの回収も不明瞭になりがちです。BtoBマーケティングのように、リード獲得からナーチャリング、成約というようにマーケティングファネルに沿ったKPIを設定し、その数値の変遷から効果を測定していくのが一般的です。

Googleアナリティクスのようなアクセス解析ツールや、MAツール(マーケティングオートメーションツール)などを駆使し、しっかりと分析を行いましょう。

③人的コスト・手間がかかる=継続・管理が大変

コンテンツマーケティングの運用にはコンテンツを作成するための人的コスト、そして効果が出るまでの分析・改善などの手間がかかります。

  • ライティングを外注するのか内製するのか
  • サーバー等ランニングコストはどのくらい必要か
  • 誰がプロジェクトを管理するのか

など運用面の問題も戦略段階から織り込んでおき、予算と人員の確保を上層部とすり合わせておくことも大切です。

コンテンツマーケティングで起こりがちな課題と対策ポイント

ここからはコンテンツマーケティングで陥りがちな課題と対策をまとめていきます。

リードのアクションに繋がらない

集客が不十分であり、見込み客が購入や申し込みなどのアクションにつながらない場合は、以下のような原因が考えられます。

・ユーザーにとって価値ある情報を提供できていない

Googleサーチコンソールを使ってコンテンツがユーザーのニーズに沿っているか確認しましょう。

もし、表示回数が少なければもそもそニーズが少ない(市場に求められていない)という事になります。逆に、表示回数は多いもののクリック数が少ない場合は、タイトルで魅力が伝えられていないか、コンテンツの情報に価値がないと判断できます。

【基礎~応用】サーチコンソールの使い方からサイトを向上させる3つの方法を理解しよう

・流入はあるが成果(CVR)にむすびつかない

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ソフトでユーザーの動きを確認しましょう。

もし直帰率が高い場合、コンテンツの品質が不十分であるか、関連する記事やコンテンツの露出が足りない可能性があります。集客から成約までの導線を見直し、リード顧客の興味のあるコンテンツを追加してみましょう。

すでに集客が出来ているコンテンツがあれば、そのページへユーザーが流入した際の検索語や、サイト内回遊の状況からコンテンツを見直すヒントを得られます。獲得した見込み客の動向を緻密に分析してみましょう。

コンテンツが画一的になる

コンテンツマーケティングでは継続的なコンテンツの追加・運用は必要不可欠ですが、継続性に固執するあまりコンテンツの品質が落ち、ユニークさに欠ける画一的なコンテンツになることもあります。

コンテンツマーケティングは集客から顧客育成、その後の顧客定着化などマーケティングのあらゆる局面に対応したコンテンツが必要です。

継続性にこだわるあまりそのバランスが崩れ、戦略を乱していませんか?そんな場合は、マーケティングファネルの見直しとコンテンツ戦略を見直すことが必要です。

効果検証や管理が間に合わない

各段階のKPIの管理や全体の進行管理が疎かになっていては、コンテンツマーケティングは上手く運用できません。

・ライティングを外部に委託することで業務を効率化できる

コンテンツの内製コストを管理に回すことで、業務整理と効率化をすることができます。内部の人員は管理に徹することができるため進行を妨げず、また品質上昇も期待できるでしょう。

まとめ

この記事では、コンテンツマーケティングの目的やその重要性、メリット・デメリットについて紹介しました。次の記事では「コンテンツマーケティング 手法」について詳しく解説していますので併せて参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングの手法12選!商材に適した施策を見つけよう

しかし、これらの基本を押さえていたとしても、いざコンテンツマーケティングを始めるとなると

  • コンテンツ制作に関する社内のリソース不足
  • 効果的なコンテンツマーケティング戦略の欠如

などの課題に直面し、運用がうまくいかないケースが多いようです。

コンテンツマーケティングの運用について検討されている方、コンテンツマーケティングの課題に直面しお困りの方は、ぜひヒトノテまでご相談下さい(無料)。
専門のスタッフが戦略のご提案や運用のアドバイスをいたします。

ヒトノテロゴ

執筆者:ヒトノート編集部

株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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