アクセス解析 公開日: 2019.12.09 更新日: 2021.11.24

サーチコンソールの検索クエリごとの「掲載順位」とは?検索アナリティクスを活用しよう

サーチコンソールの「掲載順位」とは?データの意味を正確に理解し、検索アナリティクスを有効活用しよう

サーチコンソール(Google Search Console)の「検索アナリティクス」で、検索クエリ(キーワード)ごとの掲載順位を確認することができます。この掲載順位、実は若干データの読み取り方に癖があります。データの意味、基準を正確に把握して、ミスリードを防ぎましょう。

「掲載順位」は「検索して表示された時に掲載されている順位」のこと

まず知っておかなければならないのは、この「掲載順位」のデータは、「検索して表示された時に掲載されている順位」であるということです。

つまり、Googleのデータベース(インデクサ)で管理されている検索順位の情報を出しているわけではなく、ユーザーが検索した時にそのサイトのいずれかのページが検索結果に出現して初めて検索アナリティクス上にカウントされるデータになります。

検索して「表示」されるとは?

例えば「SEOとは」という検索キーワードで検索順位が1位のページを運用しているとしましょう。ユーザーが「SEOとは」と検索すれば、1位にあればほぼユーザーの目に触れるため、「表示」されていると考えるのは容易でしょう。

では、10位のサイトはどうでしょう?

10位の場合、検索結果1ページ目の一番下に位置します。PCでもスマートフォンでも、複数回スクロールしなければユーザーの目に触れることはありません。

しかし、ここでいう「表示」というのは、実際にユーザの目に触れなくとも、その検索結果ページが表示されれば、「表示」されたことになります。つまり、「SEOとは」で検索された時点で掲載順位10位としてカウントされます。

それでは、15位の場合はいかがでしょう。

通常、検索結果には10件までしかサイトが表示されないため、15位になると、検索結果の1ページ目には出現せず、2ページ目に出現します。この場合、検索した時点では「表示」とはみなされず、そこから2ページ目をめくられて初めて「表示」とみなされ、掲載順位15位とカウントされます。

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データがない=圏外ではない

このように、掲載順位は表示されなければ検索アナリティクス上のデータとしてカウントされないため、そもそも検索されていないクエリや、検索されても順位が低くユーザーが何ページもめくらずに止まってしまっているクエリにおいては、掲載順位のデータに入ってきません。

検索数の多いクエリの場合、100位でもサーチコンソールで掲載順位を確認することが出来るケースもありますが、あまり検索されないクエリの場合、15位にいてもサーチコンソールで掲載順位が確認できないということもあります。

もし狙って対策しているキーワードで検索数が少ないものがある場合は、自分で実際に検索して掲載順位を確認することをおすすめします。

パーソナライズの影響を受ける

サーチコンソールの掲載順位は表示された時の順位であるため、パーソナライズの影響を受けます。パーソナライズとはそのユーザーの検索履歴や検索時の状況に応じて、Googleが最適な検索結果を提供するというものです。

最近ではパーソナライズの影響は軽微だと言われていますが、例えば「レストラン」と検索した場合、千代田区で検索した人には千代田区のレストランのページが多く表示されまずし、札幌で検索した人には札幌のレストランのページが多く表示されます。

サーチコンソールを見ていると、掲載順位が1位にも関わらず、表示回数が1しかないというケースを時々見かけます。 それはこのパーソナライズの影響を受けて、たまたまその時の検索環境においては1位だったものの、通常は1位ではないと考えると良いでしょう。

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サイトリンクもカウントされる

サイトリンクとは、検索結果として該当ページだけでなく関連したページも表示されるGoogleの機能です。表示されるパターンはいくつかありますが、概ね下の画像のように2パターン存在します。

※「ワゴコロ」は弊社が運営する日本の伝統文化を発信するメディアです

サーチコンソールにおける掲載順位のデータは、このようにサイトリンクとして表示されるページも同様にカウントされてしまうため、上の画像でいうと「ワゴコロ」と検索された時に「伝統工芸品」や「利用規約」のページも1位としてカウントされてしまうため注意が必要です。

複数クエリのレポートでは掲載順位を参考にしてはいけない

サーチコンソールの掲載順位は、複数の検索クエリのデータをまとめて見ることができます。しかしこのデータが非常に厄介で、結論から言うと、参考にしてはいけないデータと言えます。

表示が増えたのに順位が下がった!?

サーチコンソールを定期的に見ていると、画像のように、表示回数が伸びたのに、なぜか掲載順位が下がってしまっているというデータを見ることがあります。

これは、複数の検索クエリのデータを同時に見ていることが原因です。

ページを新たに追加したり、記事をリライトして情報を増やしたりした場合、これまで評価されていなかったキーワードで新たに評価が上がることがあります。そういったキーワードでは、いきなり1位になるということはなく、最初は低い順位から徐々に評価を高めていくことが多いです。

例えば、「SEOとは」で検索した際に1位にいる記事にコンテンツを追加したことで、「SEOとは 具体的に」という検索クエリで評価が上がったとします。

最初は評価が低いので、初めて表示された時は80位ぐらいかもしれません。その場合、その80位という掲載順位に引きずられて、掲載順位の平均値は大きく下がってしまいます。

新たな検索クエリの評価がつけばつくほど、理論上は平均掲載順位が下がってしまうことになるため、この複数クエリの平均掲載順位のデータは意味を成しません。 サーチコンソールの掲載順位データを使用する際は、必ず単一のクエリデータを使用するようにしましょう。

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データの意味を正確に理解し、正しい改善を

サーチコンソールのデータはGoogleが持っている検索順位データベースの情報を出しているわけではなく、ユーザーの検索行動によって検索結果に表示された情報を出しているため、掲載順位はあくまでも「表示された時の順位データ」になります。

また複数クエリの平均掲載順位は意味を成さないため、必ず単一のクエリでの掲載順位を使用することもお伝えしました。

サーチコンソールの検索アナリティクス機能はSEOに携わる人にとっては多くの有効なデータを確認することが出来る、非常に価値の高いツールですが、データの見方を誤ると改善の方向性を誤ってしまうことがあります。 データの意味を正しく捉え、より効果的な改善に繋げましょう。

ヒトノテ坪昌史

執筆者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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