WEBマーケティング 公開日: 2020.08.28 更新日: 2023.01.17

ECサイトの売上を増やす!代表的な集客方法を抑えよう

ECサイト 集客

ECサイトを運営する事業者にとって、当然ながらECサイトからの売上を伸ばし、事業規模を大きくすることは至上命題です。

ECサイトで売上を伸ばすには、

①ユーザーが訪問する機会を増やし、
②訪問したユーザーがサイトや商品に興味を持ち
③商品を購入する

といったステップをいかに最大化、最適化するかが鍵になりますが、今回はその中の「①ユーザーが訪問する機会を増やし」=「集客」について解説いたします。

集客方法は多岐に渡り、自社サービスの特徴に合わせてどの手段を採用するかを検討し、また実施して終わりではなく、PDCAを回しながら改善を進めていくことが大切です。

ECサイトの代表的な5つの集客方法

ここでは、ECサイトの代表的な集客方法と、集客に必要な費用や効果が出るまでにかかる時間の目安、相性の良いターゲット層をご紹介します。

1. SEOによる集客

SEOとは検索エンジン最適化のことで、GoogleやYahoo!など検索エンジンからの自然流入(広告以外の流入)を増やすことを示します。

新規ドメインを取得して作成されたECサイトの場合、充分な対策ができているサイトであっても、ある程度のボリュームの自然流入が見込めるまでに半年~1年以上かかります。また、既存のドメインであっても、新たなページ、コンテンツを作った場合は検索エンジンで上位に上がるまでに数週間〜2,3ヶ月かかることがあります。

一方で、SEOはユーザーが来訪してもその度に費用が発生するものではないことが特徴で、SEOが成功すると費用を抑えて売上を拡大することが可能になります。

ECサイトのSEOにおいて重要なポイントは、商品種別やカテゴリ名のキーワードを戦略的に選んで対策を打っていくことです。商品種別というのは例えば、ファッションECサイトであれば「スカート」などを示します。

それでは、ECサイトにおけるSEOの施策を、具体的な施策別にご紹介します。

サイト構造を見直す

サイト構造を見直すことも、SEOとして効果があります。

商品種別やカテゴリ名のキーワードを戦略的に選んで対策を打つことがECサイトのSEOのにおいて重要であることを説明しましたが、サイト構造を見直す際に、商品種別に関連するコンテンツを、ツリー上に配置していくことが効果的だと言われています。

施策の一例ですが、「スカート」というキーワードで上位を狙うのであれば、スカートの商品一覧に「スカート×赤」「スカート×ロング」などより細分化した商品一覧のリンクを設置することによって、「スカート」というキーワードで検索している人に有益な情報がたくさん掲載されているという判断が検索エンジンにされ、上位に上がりやすくなるというわけです。

注意点として、これらの商品種別のキーワードは検索されている回数に偏りがありますので極力、検索回数が多いキーワードをカテゴリ名として設定するようにしましょう。例えば、「スパッツ」と「レギンス」であれば、近年「レギンス」のほうが一般的なのでこちらをターゲットにして商品一覧ページを作成すると良いでしょう。

商品の個別ページを見直す

サイト構造だけでなく、各カテゴリ内に位置する商品の個別ページの見直しも必要です。

基本的に、ECサイトにおける商品個別ページのSEOは難しいといわれています。商品個別ページはTOPページなどのメインページから離れた階層の深いページに位置するため、検索エンジンがページを見つけづらいためです。また、商品1つにつき1ページ生成されることになるため、ページの量が多くなり、個別の対策をしようすると非常にコストがかかります。

そういった理由がある中で行うSEOとして、まずは商品ごとに対策キーワードを決めます。色やサイズごとに商品ページを分ける場合もありますが、キーワードボリュームが少ない場合は、分けずに1つのページにまとめた方が良いでしょう。

他に行うべき具体的な施策は以下のとおりです。

タイトルDescriptionにキーワードを含ませる
・型番などの細かい情報もページ内に加える
・メーカーが公式に出している説明文以外のオリジナル説明文も記載する
・レビューやコメントがたまって表示されるようにする
・商品毎のQ&Aを掲載する
・該当するカテゴリーへのリンクを表示する
・関連カテゴリーへのリンクを表示する
・関連アイテムへのリンクを表示する
・関連コラムへのリンクを表示する
・新着アイテムはTOPページやメインカテゴリーからリンクさせる

これらのSEO施策を実施することで、個別の商品ページを狙ったキーワードで上位表示させられる可能性が高くなります。

オウンドメディアの運用による集客

オウンドメディアでは、ユーザーに役立つ情報を提供することで、商品やブランドのファンを増やすことができます。ECサイトで獲得しづらい潜在層が検索するようなキーワードを狙うならオウンドメディアが有効です。

※オウンドメディアの集客も検索エンジンからの集客=SEOが重要になりますが、SEO=顕在層が検索するキーワードの対策、オウンドメディア=潜在層が検索するキーワードの対策として解説いたします。

商品種別やカテゴリなどのキーワードを前述のSEOで狙うのに対して、オウンドメディアでは、「着痩せ コーディネイト」といった、“具体的な商品の想起まで至っていないユーザー”(=潜在層)が検索するキーワードの対策が可能です。ファッションECであれば、「着痩せ」「かわいい」のような目的に関するキーワードが考えられますし、食品のECであれば、商品を利用して作れる料理名などで対策しているオウンドメディア も多くあります。

またオウンドメディアの運用で大切なことは、ターゲットを明確にすることです。設定したターゲットに対しECサイトでは紹介しきれない自社の取り組みや商品などについて情報を発信します。

オウンドメディアでは直接的に商品を売るサイトではなく 効果が見えるようになるまでには時間が掛かります。短期間で結果が出ることは少ないので、ある程度の期間は必要と考えておいた方がよいでしょう。オウンドメディアを立ち上げには発注費300万円以上が必要です。

2. インターネット広告による集客

オウンドメディアの集客方法としてインターネット広告を利用する方法があります。ここでは、4種類の主なインターネット広告について解説します。

リスティング広告

リスティング広告とは、検索エンジンの画面上に、検索ワードと連動して表示されるテキスト広告のことです。リスティング広告はクリックされると同時に広告費用が発生されるクリック課金型となっています。課金される金額は入札制となっており、競合の入札金額に応じて表示頻度や掲載位置が変わってきます。

リスティング広告のターゲットは、購入意欲が顕在化しているユーザーとなります。自発的に検索したキーワード、すなわちユーザーの悩みやニーズなどに合わせて広告が検索画面に表示されるからです。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とはWEBサイトの広告枠に画像や動画で表示される広告のことで、バナー広告とも言います。

また、リスティング広告が顕在化したユーザーを対象としているのに対し、ディスプレイ広告では潜在層のユーザーを対象としていることに相違があります。広告をクリックすると課金されるので、費用発生の方法はリスティング広告と同じです。

多数のWEBサイトの広告枠をデータベース化し、それぞれに最適な広告を配信する仕組みをディスプレイネットワークと呼び、代表的なものとしてGDN(Googleディスプレイネットワーク)、YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)が存在します。

ディスプレイ広告は、広告枠のあるサイトに含まれるテキストや、閲覧しているユーザーの属性・地域・興味関心などに応じて表示をさせることができます。

また、広告を表示させたくないサイトなども設定することができますので、広告で獲得したいユーザーに合わせて、細かく表示条件の絞り込みができます。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、媒体主であるアフィリエイターが自分のホームページに広告を掲示し、ユーザーが広告を経由して広告主のサイトへアクセスしたり、商材を購入したりするとアフィリエイターに報酬が発生する仕組みのことです。

広告主とアフィリエイターをつなぐ役割としてASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)という仲介サービスが存在します。ASPの存在により広告したい内容と、広告を掲載したいアフィリエイトサイトが一ヶ所に集められるため、広告主・アフィリエイター双方を探しやすくなります。

アフィリエイト広告には、購入金額に応じて費用が決定する成果報酬型と、クリック後に購入されたかどうかに関わらずクリックごとに費用を支払うクリック型があります。アフィリエイト広告は初期費用が定額になることが多く月額数万円から開始できます。

3. SNSによる集客

近年ではTwitterやInstagram、Facebook、LINEなどのSNSを活用した集客をしているECサイトも多く存在します。ここでは代表的なSNSの集客方法をご紹介していきます。

SNSによる集客には広告と無料集客の2種類があります。無料集客については、費用が掛からない分SNSの担当者が必要となるため広告費以外の人件費も必要であるという認識が必要です。SNS運用代行のサービスもあるので合わせて検討することをおすすめします。

Twitter

Twitterは世界中で人気のあるSNSで、情報の拡散性が強みです。Twitterは個人のつぶやきから会社のサービスや広告まで幅広く利用されています。投稿やリツイートによりファン作りができるため無料集客が可能になります。広告は入札制でフォローしているアカウントや、つぶやいているキーワードによってターゲティングして表示することが可能です。

Instagram

投稿やストーリーズで商品や商品レビューを紹介できます。Twitterとは異なり、フォロワーが投稿を拡散する機能はないため、自社のアカウントのフォロワー数を増やすことや、ハッシュタグを活用することが大切です。Twitterに比べて、画像や動画との親和性が高いので写真映えする商材に特に向いています。広告については、配信予算を自由に設定すると、Instagram側で予算に応じて最適な配信をしてくれます。課金形態はインプレッション課金、クリック課金、アプリのインストールや動画の再生回数に応じた課金などがあります。

Facebook

Instagramと同様に、投稿やストーリーズで広告を出すことができます。ECサイトごとにファンページを作成し、ファンページをフォローしているユーザーに向けて新商品の入荷情報などを配信している企業も多いです。また、Facebookはビジネス利用者が多いことも特徴で、BtoB製品などの広告にも向いているでしょう。広告についてもInstagramと同様、自由に予算を設定して配信することが可能です。1つの広告管理画面で、Instagram、Facebook同時に設定することができるので、最初に両方の広告を試してみて、効果が良い方に絞っていくやり方もおすすめです。

LINE

LINEを活用した集客方法としてはメッセージとタイムラインの2種類が存在します。具体的には、自社のECサイトのアカウントを作成し、友達になったユーザーに対してLINEで個別・一括のメッセージを送ったり、ユーザーのタイムライン上にキャンペーンなどの最新情報を流すことができます。ユーザーへのメッセージ送信が1,000通までは無料、それ以上の配信やオプションの広告配信などは有料になります。

4. メールマーケティングによる集客

メールマーケティングとは、目的達成のためにユーザーにどのような内容のメールを送り、どのような行動を促すかを考えた上で、メールコンテンツを配信していくマーケティング手法です。

メールマーケティングを行うためには、ユーザーのメールアドレスが必要になるため、名刺交換やお問い合わせやホワイトペーパーダウンロード時に入力してもらったアドレスを使用することになります。SNSの浸透により、メールマーケティングの注目度は薄まってきましたが、ECサイトの多くはメール経由の売り上げの比重がまだまだ大きいといわれています。

また、メールマーケティングとメルマガを同じものとして捉えている方もいますが、2つは明確に異なります。メルマガは、全員に同じ内容を配信し、エンゲージメントを高めることを目的とするケースが多いですが、メールマーケティングは、

全員に同じ内容を送るのではなく、一人ひとりのユーザーに適したタイミングと内容で送ることでより高い反応を得られることができる手法です。そして、送ったら終わりではなく、開封してくれたユーザーや反応してくれたユーザーを把握することで、次のアクションに繋げることもできます。

メールマーケティングの種類としては、大きく分けて以下の3種類があります。

1. ステップメール:ストーリー性のある複数のメールを、設定したスケジュールに沿って送信

2. ターゲティングメール(セグメントメール):設定した条件ごとにメールを送るユーザーを分類し、その分類したユーザーごとに必要だと思われる内容を送信

3. 休眠発掘メール:一定期間活動がないユーザーに対して、アクションを促すためにメールを送信してアプローチ

社内で達成したい目標にそってどういったメールマーケティングを行っていくのか検討し、KGI・KPIを立てて実践していきましょう。

5. オフライン広告による集客

オフライン広告とは、簡単にいうとインターネットを使用しない広告のことを指します。

新聞の折込チラシやポストに投函するチラシ、雑誌や電車の広告、テレビやイベントなどです。これらのオフライン広告では、オンライン上では獲得できないユーザーを対象にアプローチすることができます。

オフライン広告がマッチする例としては、インターネットを利用している層におけるシェアが頭打ちになってしまった場合や、インターネットを利用しない高齢者層をターゲットにしている場合、そして競合が強いためにオンライン上での集客コストが高騰している場合などが考えられます。

オフライン広告は、広告にかけられる予算によって訴求できるユーザー数の振れ幅が非常に大きくなります。なぜなら、露出度に合わせて広告の値段がダイレクトに影響してくるからです。予算が多いとテレビCMを打つこともできますが、予算が少ないと限られた地域の限られた人にしかアプローチできなくなってしまいます。

ECサイトの集客方法を決める前に検討するべきこと

取り組む集客施策に迷った場合は、まず集客に成功しているECサイトを調べてみることをおすすめします。初めに触れたように、商品やターゲットによって取り組む集客施策は異なります。

そのため、競合のECサイトの集客方法を分析し、自社向きの独自の集客方法を構築する必要があります。集客方法を決める際に検討すべきことを順番にご説明します。

集客したいターゲット層

集客したいターゲット層を設定し、そのターゲット層の特徴に合わせて、SEO、広告、SNS等から適切な手法を選択します。

例えば、30代の首都圏に暮らすビジネスマンをターゲットにしたネクタイのECサイトの場合、集客の方法としてネクタイや、ネクタイを付けるシーン、課題に関連するキーワードのリスティング広告であったり、おすすめのネクタイブランドや、ネクタイのトレンド情報を発信する、オウンドメディアなどが良いでしょう。

ECサイトの集客施策を検討する際には、まずターゲットが誰なのか、普段どのような行動をしているのかを良く分析し、設定を間違えないようにしましょう。

使える予算・人的リソース

会社の事業方針により使える予算や人的リソースには限りがあります。広告を使わない集客においても、人件費はかかってくることを留意したうえで最適な配分をしていくことが重要です。

まずはひとつの集客方法にこだわることなく、いくつか仮説を立てて少ない予算で集客施策を回していくことをおすすめします。 集客媒体や手法で、勝ち筋が見えたタイミングで、予算やリソースを集中させていくと良いでしょう。

施策開始から効果が出るまでにかかる期間

それぞれの集客方法の説明でも触れた通り、手法によって集客の効果が見え始めるまでの期間に差があります。 初めは予算を割いてインターネット広告など比較的早く集客の効果が出る施策を打っておき、その間に、中長期的に効果的なオウンドメディアを育てていく、というように、効果が出る時期を予測して施策の組み合わせを考えてみることも大切です。

ECサイトの集客を外注するメリット

ECサイトの運営を自社で行わずに、お金をかけてでも外注することでどのようなメリットがあるのか、ご紹介します。

主なメリットとしては、以下のとおりになりますが、

・業務負担の軽減
・より集客効果が出やすい

ECサイトの集客を自社で行う場合、専門的な知識がない場合は行おうとしている施策が本当に正しいのか試行錯誤を繰り返しながらSEO施策を実行していくことになります。

そのため、行う施策を考える時点で多くの業務時間が削られます。そして、それぞれの施策を実行していく際にも大きな業務時間が必要になります。

ECサイトの規模にもよりますが、既存業務と並行して作業を進める場合は業務負担が非常に重くなるでしょう。しかし、外注をすることでその負担はなくなるため、自社に必要な仕事に注力することができます。

また、外注をする最大のメリットはやはり効果が出やすいことです。豊富な経験と実績のあるプロがECサイトを分析し施策の提案から実行まで行うため、自社で行うよりも圧倒的に短時間で効果が出やすくなります。

さらに、自社に専門的な知識のある者がいない場合は、プロからナレッジも共有してもらえるため、将来的に自社で運用をしようと思っているケースにも非常に有効です。

まとめ

今回はECサイトの集客方法についてご紹介しました。集客方法にはそれぞれに特徴があり、相性の良いターゲット層や、効果が出てくるまでに必要な期間などが異なります。そのため、集客で効果を出すには、自社のECサイトに適した集客方法を商材に合わせて適切に選択し、場合によっては数種類の施策を組み合わせて実施することも検討すべきでしょう。

ここまでご紹介してきた集客方法の特徴や、取り組む施策の決め方を参考に、今一度、自社のECサイトの集客を見直してみてはいかがでしょうか?

ヒトノテロゴ

執筆者:ヒトノート編集部

株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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