WEBマーケティングにおけるKPI・KGIの設定から、それらを達成するための手法までを一挙に解説!

マーケティングの考え方は無限です。それぞれが様々な考え方の下、目標到達に向けた施策を行っているかと思いますが、近年注目を集めているのがKPIという考え方です。
既にKPIを導入し、大きな成果を挙げている企業も珍しくありませんが、KPIとはどのような考え方なのか、具体的にどのような形で実践するのかなどを解説していきましょう。
KPIとは
KPIとはKey Performance Indicatorの頭文字をとったもので、「重要業績評価指標」と呼ばれています。
いわば、目的達成における中間プロセスの具体的数値です。そのため、KPIは「KPI達成のために頑張る」ものではなく、ゴールとして設定するKGI達成のために用意する施策の具体的数値目標です。
KPIの設定は、組織としてはもちろんですが、個人レベルでも意識することで、KGIを達成できるのか、達成のために足りていない点は何かなど、具体的数値の把握・共有・改善を可能とします。
KPI設定の仕方
①KGIを設定する
まず、KPIの前にKGIを設定しておく必要があります。
なぜなら、KGIこそが最終的に目指す目的・ゴールであり、その方法・プロセスの数値目標がKPIだからです。
KPIを実現・達成することで、KGI到達が見えてくる関係になります。
KPIとはKGI実現のための数値である以上、最適値はKGIによって全く異なるものになります。そのため、KPIの「答え」は会社だけではなく、プロジェクトによって異なります。それまでの進捗状況や実績によっても異なるでしょう。
KGIという「目的」を達成するために様々な方法・施策が打ち出されますが、それらについての具体的な数値がKPIになりますので、KPIだけを設定することはできません。よって先にKGIを設定しましょう。
②KFSを設定する
KPIを端的に表せばKGIという「ゴール」のために設定するものです。
しかし、KPIの設定のためにはもう一つ設定するものがあります。それはKSF(Key Factor for Success)です。日本語では「重要成果要因」を意味するKSFもまた、KPI設定のために必要なものになります。
KPIはKGIのための数値ですが、これだけでは「何をするのか」が設定されていません。
この「何をするのか」こそKSFです。
一例を挙げてみましょう。
2,000万円の売り上げを目指したい。この場合、2,000万円という目標がKGIです。
ではそのために何をするのか。それこそがKSFです。SNSのフォロワーを増やす、宣伝展開の場所を増やす、コンテンツに力を入れる。目標である2,000万円のために様々な施策が打ち出されることでしょう。
そのための施策の部分がKSFです。
そして、打ち出した施策の具体的な数値がKPですI。例えば、SNSのフォロワーを増やす場合、具体的に何人増やすのか?宣伝展開の場所を増やすのであれば、現状よりどれだけ増やすのか?コンテンツに力を入れるのであれば、力を入れてアクセスをどれだけ増やすのか?これらの具体的な数値がKPIになります。
KSFだけであれば、感情論の域を出ないアナログなものです。しかし、KSFに具体的数値であるKPIを設定することで、KGIという目標の共有が行えるのです。
③KPIに落とし込む
KGI、KSFを設定した後、KPIに数値を落とし込むことになります。
その際の数値設定の鍵となるのが「SMART」と呼ばれる手法です。
- Specific
- Measurable
- Achievable
- Relevant
- Time-bounded
の5つの頭文字からSMARTモデルと呼ばれており、この考え方はKPI設定の鍵となります。
Specific
Specificとは、具体性を意味します。
KPIは数値なので、誰が見ても把握できるものではありますが、より具体的であればあるほど、数値の意味も理解できますし、数値のために何が必要なのか把握・共有が行いやすいです。
例えば「前年比+10%」という具体的数値は、前年比を理解していなければ分からりません。資料を配布したり、あるいは具体的に前年度の数字、そしてKPIを出した方が多くの人が分かりやすいでしょう。
「分かる人だけが分かる」ではなく「誰が見ても分かる」ような具体的な数値を設定する。このような考え方がSpecificです。
Measurable
Measurableとは、計測可能を意味した言葉です。
計測できない数値では、果たして本当に実現しているのかが分かりません。体感的なものではなく、客観的な計測が可能な数値目標を立てることも、KPIのポイントです。
また、計測が可能であれば、途中段階でも数値を把握しやすくなります。KGIに対してどこまで実現しているのかや、具体的にどれくらい足りていないのかなど、計測するからこそ理解できるものなので、計測可能な数値を設定するという考え方がMeasurableです。
Achievable
Achievableとは、達成可能を意味した言葉です。
設定したKPIが実現可能な数値なのか、あるいは実現不可能な数値なのかによって、携わる人間のモチベーションは大きく異なります。
実現不可能な数値をKPIにした場合、「どうせ無理だろう」といったネガティブな雰囲気が蔓延してしまいます。しかし、実現可能な数値であれば、実際に動く人間がモチベーションを高く保てます。
また、実現のための具体的なプランをイメージできるのかも重要です。KPIに対し「どうすればよいのか」が分かっているのか不明なのかでもまた、結果は大きく異なります。
このように、達成可能な数値目標を立てるという考え方がAchievableという考え方です。
Relevant
Relevantとは、関連性を意味した考え方です。
KPIとは決して目的ではなく、あくまでもプロセスです。KPIの達成は決してゴールではなく、KGIの達成に近付けるためのものです。
そのため、KPIとKGIは関連性がなければ意味がありません。もし、KPIを達成してもKGIに影響が出ない場合は、そもそもKPIの設定として間違っている可能性があります。
KPIの達成によってKGIに近付く、それがRelevantです。
Time-bounded
Time-boundedとは、KGI達成のための期限です。
いつまでにKGIを達成するのかもまた、大切な考え方です。
特に期限を定めないプロジェクト・目標は、後回しにされてしまいがちです。期限の迫っているものを優先する結果、なかなか手が付けられなかったり、限られたリソースを割く余裕がなかったり。しかし、期限を定めなければ、後回しになってしまっても「失敗」にはなりません。
「そのうち取り組む」「いずれ余裕が出たら」と考え、常に後回しになったとしても、期限がないので問題なしと判断されてしまいがちです。
だからこそ、KGI達成のためには期限を定め、それまでにKGIを達成できるよう取り組める環境・意識づくりが大切という考え方です。
KPIの具体例
KPIの具体例について解説してみましょう。
ECサイトの売り上げを前期比110%と設定した場合、「前期比110%アップ」がKGIになります。
では売り上げアップのために何をすべきなのか。
CVRのアップ、平均顧客単価のアップが重要となりますが、それらがKSFとなります。
ではKSFに関して、どの程度の数値を目指すのか。
入力フォーム離脱率5%低下、カート遷移率10%アップ、商品単価アップや平均購入個数のアップといった具体的数値目標がKPIです。
つまり、下記のようなKPIツリーとなります。
- KGI:ECサイトの売上を前期比110%に上げる
- KFS:CVRを上げる → 平均顧客単価を上げる
- KPI:入力フォームの離脱率を5%下げる・カート遷移率を10%上げる → 商品単価を上げる・1回あたりの平均購入個数を上げる
KGI達成のための具体的方法がKSF。
そのKSFの具体的数値がKPIです。KPIのいずれかが良い数字となれば、おのずとKGIに近付きます。また、KGIに到達できていない場合、KPIのそれぞれの数値を見れば、どれくらい足りていないのかを把握することができます。
KPI達成に必要なWEBマーケティング手法を紹介!
KPIを設定した後は、達成のために様々な施策を打っていく必要がありますが、施策も多種多様です。そこで、効果が期待できるマーケティング手法をいくつかご紹介いたします。
リード獲得のための手法
まずはリード獲得のための手段です。以下の方法は、リード獲得において基本的な手法なので覚えておきましょう。
SEO
Search Engine Optimizationの頭文字から、SEOの名称で知られている検索エンジン対策です。
多くのユーザーが、検索エンジンでキーワードを入力し、表示されたサイトにアクセスします。
そのため、サイト作成の際にはSEOをどれだけ意識するかが大切です。
ニーズにマッチしたキーワードを用い、検索エンジンへの掲載はもちろんですが、上位に表示されることでより多くのリードを獲得できます。
WEB広告
検索時に表示されるリスティング広告や、バナーのように表示されるディスプレイ広告など、WEB上の広告展開も重要です。
特に、WEB広告は出稿が簡単で、低予算からでも行えます。予算に応じた広告展開を可能で、検索語句に基いて広告が表示されます。そのため、自社の関連サービスに興味を持っているであろうユーザーに表示されやすいため、効率的にリードを獲得することができます。
リード育成のための手法
リードは獲得するだけではなく、育成も重要です。
その手法として、知られているのがオウンドメディアです。
オウンドメディア
オウンドメディアとは自社運営のサイトです。
広告や宣伝だけではなく、自社全体のアピールに繋がりますので、商品やサービスだけではなく、自社のファンを作ることが可能です。
また、他のメディアに依存するのではなく、自社での情報発信ができるため、発信する情報の種類や企画など、すべて自社で決めることでき、幅広い情報発信が可能になります。
クロージングのための手法
契約締結・成約を意味するクロージング。いわば、マーケティングとはクロージングを目指したものですが、クロージングのための手法として知られているのがキラーコンテンツです。
キラーコンテンツ
キラーコンテンツとは、商品・サービスの魅力を伝えるのみならず、契約・成約を得られる力を持ったコンテンツを指します。
キラーコンテンツを持つことで、ユーザーをどこに誘導すべきなのかが明確になります。キラーコンテンツこそ、「見てもらいたいページ」となりますので、最も力を入れるページといっても良いでしょう。
例えば、商品を紹介するだけではなく、競合商品・サービスとの比較表を用いて、いかに自社が優れているのかをアピールしたり、導入事例を掲載することで、自社と似た事例があれば導入後のイメージがしやすくなり、購買意欲を高めることができます。
LTV向上のための手法
Life Time Valueの頭文字からLTVと呼ばれる顧客生涯価値。
取引は一度だけではなく、何度も続きます。取引が終了するまでどれだけ利用してもらい、利益を得られるのか。この点も重要なポイントです。
顧客満足度・ニーズの調査
どのようなサービスであれ、満足すればリピートしてもらえる可能性が高まります。
満足感=リピート=継続利益と考えてよいでしょう。そこで購入・利用してもらった顧客に対してアンケートを取るなどして、顧客満足度をチェックしてみることで、顧客・利用者の思いが把握できます。実際に利用してどう思ったのかは、今後の商品・サービス展開の貴重な情報であると共に、お客のニーズを把握できます。
まとめ
KPIの内容や、KGIやKSF、さらにはSMARTなど、様々な考え方を知っていただけたかと思います。しかし、これらをすべて自社だけで行うとなれば、目的達成はおろか、設定だけで多大なリソースを割かなければなりません。
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