ECサイトのコンバージョン改善5つのポイント!売上アップに繋がる改善の流れを徹底解説

ECサイトを運営していて、売り上げがなかなか上がらない、集客が少ないなと感じる方、また、ECサイトの改善が必要という認識があっても、難しそう、何をどうしてよいかわからないと悩んでいる方もいるでしょう。
今回はECサイト改善に慣れていないご担当者でも理解できるよう、売り上げを伸ばすためのECサイトの分析方法、サイト改善の流れをわかりやすく解説します。
この記事の目次
ECサイトの売上を伸ばす4つの方法
ECサイトの改善を行う前に、ECサイトでの売上を伸ばすために知っておかなければいけない、4つの改善ポイントを解説します。
サイト訪問数を増やす
ECサイトで売り上げを伸ばすために欠かせないことのひとつは、ECサイトに訪れる人数を増やすことです。
通常の店舗で考えてみても、まずお客様がお店の存在を知り、店舗に入店しない限り商品は売れません。
ECサイトでも同様に、様々なユーザーにサイトを広く見てもらい、訪問者数を増やすことで、はじめて購入者数の増加に繋がります。
特にECサイトではクリックひとつでサイトを見ることができる分、お店を知ってもらうこと、つまり商品を探している人に、いち早くサイトを見つけてもらえるようにすることが特に重要です。
訪問数を増やす方法として、検索結果で上位表示させるためのSEO、広告を使った集客、SNSからの流入などがあげられます。
購入率を高める
サイトを訪れる人数、ユーザー数がある程度ある場合、またユーザー数が増加傾向の場合は、訪問数を増やすことよりも購入率を高めることが売上拡大により効果が出ます。
通常の店舗で、来店するお客様の数は多いのに実際に購入する人が少ない場合には、商品自体の品質や品揃え、商品が魅力的に配置されているかを考え直すでしょう。
ECサイトの場合、購入率を高めるには、商品購入ページの見直し、ECサイトがユーザーに見やすい、使いやすい仕様への変更、商品の画像の差し替えや、コンテンツの見直しが有効です。
客単価を上げる
商品の購入者数を増やすことも大切ですが、一人のユーザーが同じECサイト内である商品と他の商品とセットで購入する、つまり客単価を上げることは、売上増加のために欠かせません。
客単価を上げるためのECサイト改善方法として、ユーザーごとにおすすめ商品を表示する、興味のある商品とセットで購入する商品をレコメンドするなどがあげられます。
またお客様の属性に合った商品をわかりやすく目の引く位置に配置するなど、細かな工夫が大切です。
リピート率を上げる
新規の顧客を増やすことも大切ですが、一度購入に至ったお客様に再度購入してもらうことも重要です。商材によっては、リピート購入は新規購入よりも購入促進のハードルが引くく、また定期的に購入してもらうことでマーケティングコストをかけずに安定的な売上を得られることが可能になります。
ECサイトでは、一度の購入で顧客情報を得ることができます。この顧客情報を元に、顧客に対して直接サイトへの再訪を促すアプローチが可能となり、リピート率向上へ繋がります。
例えば、リピート率を上げるための施策として、メールマーケティングが考えられます。顧客情報を活用し、年齢や住まい、性別など顧客それぞれの特徴に合わせたメールを送ることで、サイトへの再訪、リピート率向上を期待できます。
定期的にサイトに訪れたくなるようなコンテンツを、サイトに追加するなどの対策も有効です。
ECサイト改善の流れ
それでは、ここまでご説明した4つのポイントのうち、どれに重点を置くのか、また具体的にどのような施策に取り組むのかは、どう決めたらよいのでしょうか。
ECサイトの改善は、やみくもに取り組むのではなく、下記のような順序で、計画を立てて行うことが大切です。
①ECサイトを改善する目的の整理・目標設定
まずは、改善の目的と目標を整理・設定します。
改善の目的は、例えば1ヶ月の売上を100万円にする、というような最終的に達成したいものを設定します。一方で目標は、その目的を達成するまでの通過点として、サイト訪問者数や購入率など、具体的な数値を設定します。
改善の目的を明確にしたうえでその達成度合いを確認するための具体的な目標を定め、一つ一つクリアしていくことでサイト改善に取り組みやすくなります。
具体的な目標を設定する際には、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使ってサイトの現状を把握することも大切です。
アクセス解析ツールで確認できることは、ECサイト内の全体のセッション数、平均滞在時間、離脱率、性別や年齢、地域などのサイトを訪れたユーザーの属性をはじめさまざまですが、確認するべきポイントは目的によって異なります。
例えばサイト訪問者数を伸ばしたい場合は、現在のセッション数はどれくらいか、流入経路はどこからどれくらいあるのか、という点を把握します。
また、購入率を伸ばしたい場合は、平均滞在時間や離脱ページを重点的に確認します。
ECサイト全体の数値の把握を終えたら、サイト内のページそれぞれの現状把握を行い、サイト改善の検討材料とします。
②ECサイトの課題抽出、仮説の設定
目標設定と現状把握を終えたら、現在のECサイトの状況と目標とのギャップを確認し、目標達成に向けて何が必要なのか、またどのような改善方法を選択すれば目標を達成できるのか、仮説を設定します。
具体的には集客が足りないのか、集客があってもCVRが低いのか、リピート率や客単価が低いのか、サイトの課題を抽出し、仮説の設定を行います。CVRとは、ECサイトのセッション数のうち、購入に至った割合を示す数値です。
実際の対策例として、集客が足りない場合はSEOやSNSの強化、CVRが低い場合は購入ページフローや入力フォームの見直しを検討します。
③改善施策の実施・効果検証
それぞれの課題に対して仮説が設定できたら、優先度の高い課題から改善策を実施していきます。
また施策を実行したら、必ず効果検証を行います。
効果検証を行うことで、行った施策が”セッション数”や”平均滞在時間”、”CVR”など各指標にどのような影響を与えたのか、どの施策が有効だったのかを把握し、改善に生かすことができます。
課題発見のために分析すべきページは?
ECサイト改善において最も重要なポイントは、ECサイトの課題を正しく把握することです。
では、実際にECサイトの課題を発見するために分析すべきページはどのようなページでしょうか?
この章では分析すべきページについて解説します。
ボリュームゾーン
ボリュームゾーンとは、ここではECサイト内のアクセスの多いページを指します。
課題を発見するためにGoogleアナリティクスなどで分析をする場合は、ECサイト内でアクセスの多いページをまず見つけましょう。
次に抽出したアクセス数の多いページから、ユーザーの属性を分析していきます。
ユーザーの属性とは、検索エンジンからの来訪を指す自然検索流入や、SNSなどユーザーの流入元、ユーザーの使用デバイス、年齢や性別、住まいの地域やアクセスの時間帯などの属性を指します。
ボリュームゾーンのページ内容とそこに訪れているユーザー属性に乖離はないか、意図したユーザーが来てアクションをしてくれているかなどを分析します。
アクセスは多いが、CVRが低いページ
アクセスが多くてもCVRが低いページがあった場合、集客方法は問題が無く、原因はECサイト内のコンテンツやデザインにあると考えます。
ページ内の平均滞在時間が短い場合は、ユーザーの求めている内容と商品説明などのコンテンツの訴求内容が合致していない可能性があります。平均滞在時間が短い、離脱率が高い場合は訪れるユーザーに合った画像やコンテンツの差し替え、追加を行うことが必要です。
例えばダイエット効果のあるサプリメントを扱うECサイトの場合、同じダイエットサプリメントでも20代の女性向けと50代の女性向けサプリメントでは、効果的なコンテンツの内容や画像が異なる可能性があります。
この場合、アクセス解析ツールなどを使い、対象とするユーザーと、実際に訪問しているユーザー属性を照らし合わせてずれが無いかを確認し、ページの内容をユーザーの年代に応じたものに変えていく必要があります。
また、商品詳細ページで離脱率が高い場合は、「商品説明のコンテンツが不十分」「購入方法がわかりにくい」といった可能性が考えられます。購入ページへ速やかに移動できる導線の整備、ボタンの配置なども合わせて確認します。
CVRは高いが、アクセスが少ないページ
CVRが高く、アクセスが少ない場合は、そのページへ訪問者数を増加させることで売上のアップが期待できます。
この場合、現在の集客状況について重点的に分析します。
確認するポイントは、ECサイト内からCVRが高いがアクセスが少ないページに、どの程度アクセスされているか、という点です。
サイト内からのアクセスが少ない場合は、関連するページから内部リンクを設置する、トップページやサイドバーからアクセスしやすいよう整備するなど、アクセスの少ないページへユーザーを回遊させるよう対策します。
また、SNSを利用して特定ページに誘導する方法もあります。
ステップごとのECサイト改善のポイントと施策例
ここからは、施策例を交えながら、改善ポイントを解説します。
集客する
ECサイトの集客力が足りないと感じた場合には、SEO、広告、オウンドメディア、SNSなどの集客施策が必要です。
SEOでは、サイトを検索結果の上位表示して流入獲得するために、様々な対策を行う必要があります。対策の例として、ユーザーの属性や目的を絞り込んだキーワードの選定、ユーザーがクリックしたくなるようなページタイトルへの変更などがあげられます。また、ディスクリプションにページの概要を適切に入力することも重要です。タイトル、ディスクリプションの最適化を行うことでクリック率が上昇しアクセス増が期待できます。
オウンドメディアを使った対策では、ECサイトで扱う商品に関連したメディアを運営することで、商品を知ってもらったり、ECサイトへ訪れてもらう機会を増やしたりできます。
また、SNSは既存のフォロワーへの宣伝に加え、コンテンツの拡散機能によってフォロワーのフォロワーまで幅広く効果が届く可能性があるというメリットがあります。
一方広告を使った集客は費用はかかるものの、上記のような施策に比べて早く確実にECサイトへ訪れてもらうことができます。
商品を探しやすく、見つけやすくする
ECサイトを分析してみて、平均滞在時間が短い、離脱率が高い、またはアクセス数がありながらCVRが低いといった場合は、ECサイト内の商品が探しにくい可能性があります。
具体的な改善策として、サイト内のカテゴリ構造の見直し、Page Speed Insightsを使った表示速度の改善、サイト内検索の設置、関連商品やユーザーに合った商品の表示などが考えられます。
カテゴリ構造の見直しを店舗で例えるなら、お客様が一人でストレスなく店内を見渡せるようなお店作りをするイメージです。初めて訪れたユーザーがサイト内を自由に見て回ったり、求めているものを難なく見つけたりすることができるよう改善します。
また、どんなに良いコンテンツや構造を作っても、ECサイトでは表示速度が極端に遅いと、ユーザーが離脱する傾向あります。画像を圧縮して表示する、必要な機能や装飾に絞り、シンプルなサイトデザインにする、などの対策が効果的です。
取り扱う商品数が多いECサイトの場合は、ユーザーに合わせた関連商品を表示することで、新しい商品を知ってもらう機会を増やし、より多くの商品を購入してもらえるように工夫することも効果的です。
かご落ちを減らす
かご落ちとは、ECサイトを訪れたユーザーが買い物かごに商品を入れたものの、最終的に購入に至らない様子を指します。
商品ページのアクセス数が多いのにCVRが低い場合は、かご落ちの可能性があります。詳しくは買い物かごページのアクセス状況を確認しましょう。
かご落ちを減らす対策として、購入時に必要なフォームの入力項目を改善します。主に入力項目は多すぎないか、エラーチェックは即時表示か、入力フォームは見やすいか、などの点を確認し改善策を立てます。
ユーザーの信頼を得る
ECサイトは手にとって見れない分、実店舗に比べてユーザーの信頼が特に重要です。
アクセス数が一定あり平均滞在時間が比較的長いにも関わらずCVRが低い場合は、ユーザーが商品購入を考えているものの、購入に至る決め手に欠けている可能性があります。
ECサイトではお客様が大切な個人情報をECサイト側に送信することで購入が成立します。ユーザーは信頼できるECサイトでなければ購入に踏み切ることができません。
ユーザーの信頼を得るための対策として、ユーザーが不安を残さない充実したFAQページの作成、手書きや画像入りで安心感のあるユーザーレビューの表示などの、細かな配慮のあるコンテンツ作成が必要です。
ユーザーの嗜好に合わせたレコメンドをする
レコメンドとは、ユーザーの中でも様々な男女や、年齢、住まいなどの属性に合わせた商品をおすすめすることを指します。購入率を向上させたい場合や、顧客単価を上げたい場合に有効な対策です。
具体的な施策として、レコメンドエンジンの導入や、メールマーケティングが挙げられます。
レコメンドエンジンとは、ユーザー属性に合わせた商品提案を自動で行うことができるツールです。ECサイト管理に時間をかけることができない場合、ツールを導入することでコンテンツの作成や改善策、検証などに時間をかけることができます。
メールマーケティングとは、一斉送信のメールマガジンと違い、商品の購入頻度や属性に応じてターゲットを絞ったメールをお客様へ送るマーケティング手法です。お客様に合わせたコンテンツを盛り込むことで、リピート率向上効果が期待できます。
まとめ
ECサイトについて、売り上げを伸ばす4つの方法、サイト改善の流れ、具体的な改善方法を順に解説しました。
ECサイトの改善では、一度の施策による売上の上下に一喜一憂するだけでなく、分析~改善~検証を繰り返すことが大切です。どの施策がどのような効果をもたらしたのか、という観点で、分析~改善~検証というサイクルを回すことで有効な施策や改善方法に至り、長期的な売上増につなげることができます。
漠然とECサイトを改善しなければいけない、という状態からECサイトの改善点の見つけ方、改善の仕方をこの記事で学び、ECサイト改善の一歩を踏み出して頂けたら幸いです。

執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
おすすめの関連記事
─ 記事カテゴリから探す ─
ご質問やご相談など
お気軽にお問い合わせください