LPO(ランディングページ最適化)の改善ポイント5選

LP(ランディングページ)は、資料請求やお問い合わせ、定期購入の増加など、様々な目的を持って制作されます。しかし、実際にページができても肝心のCV(コンバージョン)が増えずに困っているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなLPの悩みを解決する「LPO」について、具体的な改善方法や知っておきたい手法も合わせてご紹介していきます。
この記事の目次
LPOの基本
LPOとは、「ランディングページ最適化」を意味します。
そもそもLP(ランディングページ)には大きく分けて2つの意味があるため、まずはその点を理解しておく必要があります。
1つの意味としては、サイト内でユーザーが最初に訪れたページという意味。もう1つは、CVに特化して広告の遷移先として用意された1枚のページという意味です。
今回の記事で紹介するLPOは、一般的に後者の「広告の遷移先として用意された1ページ」を最適化する方法になります。この違いについてしっかりと理解した上で、LPOに取り組みましょう。
LPOとは
LPOは「Landing Page Optimization」からきており、日本語で言えば「ランディングページの最適化」となります。
先ほど説明をした通り、ここでのLPは目的(CV)を達成するために特化した広告用のページなので、広告からきたユーザーをページ内でどのようにコンバージョンへ誘導するかがLPでは重要となります。
せっかく広告を出しているのに、CVが増えなければ広告の意味がありません。
なぜCVが増えないのか、その問題点を見つけ出して改善し、より多くのユーザーをCVさせることがLPOの目的です。
LPOの流れ
LPOでページ改善を行う際に重要なのはPDCAを回すことです。本当に改善は効果があったのか、そもそも問題点はそこだったのかといった見直しを何度も行う必要があります。何度も改善と効果測定を行うことで、ページ全体を最適化していきます。
では、その前後ではどのような流れでLPOを行っていくのでしょうか。
1:目的やターゲット、目標を明確にする
まずそのLPの目的とターゲットを明確にしておくところから始めます。そのLPは何の目的があるのか、どんなユーザーが見ることを想定しているのかはっきりさせることで、内容が明確になります。
また、ユーザーがどのような行動を取ってくれたらCVといえるのかもはっきりとさせておきましょう。例えば、「資料請求をしたら」「会員登録をしたら」など、目的によってCVの仕方も変わってきます。
そして、その目的に対して目標値を設定します。しかし、CV数だけを目標にすると広告の出稿金額によって増減するため、純粋なLPOの効果だけが測れません。
例えば、会員登録をCVとし、1ヶ月に100件のCVを目指したいのであれば以下のような考え方でCVRの目標まで落とし込んで考えると良いでしょう。
- まずは想定CT数を試算
前提:月間100万円の広告予算
想定CPC:100円 ※実績をもとに想定値を設定
月間CT数:10,000件 ※広告予算÷想定CPC
- CVRの目標を算出
目標CV数:100件
目標CVR:1% ※目標CV数÷月間CT数
このような手順で、今考えている広告予算とCPC実績で試算すると、どれぐらいのCVRを達成する必要があるのかを算出し、目標値として設定してみましょう。
2:分析から問題点を洗い出す
次に行うのが、運用をしてみた結果の分析と、問題点の洗い出しです。Google AnalyticsでLPのあらゆる数値を確認して、順調なのか、問題点はあるのかを探っていきます。
クリック率、直帰率、コンバージョン率、滞在時間、離脱率などを確認すると、問題点が見えやすくなります。例えば、クリック率は良いのに直帰率が高い、滞在時間が長いのにコンバージョン率は低い、といった点は問題点と考えられます。
3:問題点に対して仮説を立て、改善案を考える
その後行うのが、問題点に対して仮説を立てることです。
クリック率が良いのになぜ直帰率が高いのか、という問題に対して、もしかしたらファーストビューが分かりづらいのではないか、そもそも広告に出しているバナーの内容があっていないのではないかなど、具体的な仮説を立てていきます。
仮説を立てた箇所を実際のページで確認をしながら、改善の必要がある箇所に対して改善案を考えます。
ここでは多くの問題に一気に取り組むのではなく、ひとつずつ問題解決をしていくことから始めましょう。多くの問題点を一気に改善しようと複数の施策を同時に行うと、結果としてどの改善施策に効果があったのか、はっきりとわからなくなってしまいます。そのため、まずはひとつの問題に対して改善を行い、効果測定をすることが重要です。
4:改善案を実装し、効果測定を行う
仮説を元に考えた改善案をページに実装し、データが集まったらまた分析を行います。問題だった数値は改善されたのか、改善されていないのであれば他の仮説が必要なのか、また問題点の洗い出しから始めていきます。
このように、繰り返し効果測定と改善を行うことで、最終的にはCV増加へとつなげていくことがLPOの流れとなります。
LPO(ランディングページ最適化)の具体的な改善ポイント5選
問題となりそうな数値の分析をした際に、その問題はどこから発生しているのか仮説が立てづらいという方もいるでしょう。
そこで、具体的にどのような箇所を確認していけばよいのか、改善のポイントをご紹介します。
キャッチコピー
広告やLPにとって、ユーザーに興味を持ってもらえるかという点は非常に大切です。そのため、広告のバナーやユーザーがページで最初に目にするファーストビューの印象は重要な要素になります。
多くのバナーやファーストビューには、キャッチコピーが配置されています。そのキャッチコピーは、ユーザーにとって興味の惹かれるキャッチコピーになっているでしょうか?
どこにでもあるキャッチコピーでは、ユーザーの心は動きません。見た人の目に止まるようなキャッチコピーになっているか、競合の調査などもしながら見直してみるとよいでしょう。
CTA(Call To Action)ボタンの文言・色・位置
LPでは、ユーザーが実際にCVする場所も重要な要素です。
これらはCTA(Call To Action)ボタンと呼ばれ、色や配置、文言ひとつでユーザーの動きが大きく変わることもあります。例えば、電話をかけるためのボタン、資料請求のためのボタン、問い合わせフォームへのボタンなどです。
的確な位置にCTAボタンは設置されているのか、見やすい色になっているか、分かりやすい文言や、つい押したくなるような文言になっているかなど、さまざまな改善案を考えることができます。
ファーストビューの画像
キャッチコピーと同じく重要と言えるのが、ファーストビュー画像のインパクトです。
LPのデザインの多くは、ファーストビューにキャッチコピーと画像を配置しています。これは、ユーザーが最初に見る場所であり、興味をもつかどうかの判断をする場所だからです。
ファーストビューがテキストばかりだと、ユーザーは読むのが面倒で直帰してしまうかもしれません。売り出したい内容と全く関係のない画像を使っていては、ユーザーは思っていたものと違うと判断して、直帰につながるかもしれません。
キャッチコピーとあわせて、ファーストビューの画像も見直し、ユーザーに良い印象を与えられるようにしましょう。
コンテンツの構成・配置
ファーストビューでユーザーが興味を持ってくれたとしても、読み進めていくコンテンツが面白くなければユーザーはCVをしてくれません。
コンテンツは、配置する順番が重要になります。ファーストビューからスクロールをした先には、ユーザーを説得させる情報を配置することで、ユーザーをつなぎとめます。
例えば、売り出しているものが商品ならば、その商品の強みは何なのか、使うことでユーザーにどのようなメリットがあるのかが分かるほうが良いでしょう。その次には、実績や口コミなどを入れ込むことでユーザーの安心感を得ることも重要です。ユーザーが感じる不安や疑問を解決することで、安心してCVをすることができます。そうして最後にCVボタンを配置すると、ユーザーをスムーズにCVまで誘導する導線ができます。
どのようなコンテンツをどのように配置してユーザーを誘導するのか、全体を一度見直してみるとよいかもしれません。
入力フォーム
興味を持ってくれたユーザーがいざ商品を頼もうとした時、入力フォームが使いづらかったらどうでしょうか?入力する項目が多すぎると、ユーザーは面倒に感じて帰ってしまうかもしれません。
特に、近年はスマホからのアクセスが増えています。スマホで入力をしようとした時に枠が小さすぎると、タップがしづらいかもしれません。
他にも、スクロールをしなければいけないほど項目が多いと面倒に感じる可能性もありますし、せっかく入力したのにエラーになってしまい、戻ったら情報が消えているといった状況は、ユーザーにとってストレスになってしまいます。せっかく誘導ができたユーザーを逃してしまう事になりかねません。
入力フォームは使い勝手がよいかどうか、一度確かめてみるとよいでしょう。
知っておきたいLPOの手法
LPOの流れと注目すべき改善ポイントを説明してきましたが、知っておくとLPOでの改善をより効果的に行える手法があります。
分析の際に取り入れることで、より具体的な仮説を立てることができ、改善もしやすくなります。サイトや問題点に合わせて分析、改善の際にぜひ取り入れてみてください。
効率的に改善を行う【ABテスト・多変量テスト】
より効率良く改善をすすめるためには、ABテストや多変量テストを取り入れるとよいでしょう。
ABテストとは、2つのパターンを同数のユーザーに使ってもらい、CVに効果があった方はどちらか、という手法のひとつです。
多変量テストの場合は、ABテストよりも多くの変更を加えたページでパターンを用意し、同数のユーザーに使ってもらった後に「変更した要素ごと」で数値をまとめて検証をする手法です。
どちらのテストも複数のページを同じ数のユーザーに使ってもらう必要があるため、ある程度セッションがあるサイトでなければ活用ができません。特に多変量テストでは膨大な数のテストが発生します。閲覧をしてくれるユーザーが多いサイトではぜひ取り入れたいですが、まだ流入が少ないサイトではABテストの方が効率良く改善に取り組めるでしょう。
ABテストの例
例えば、CVボタンの改善を行う際にABテストに取り組んだとします。
Aは赤いボタンに黒文字、Bは黄色いボタンに黒文字のページにします。このページを、1ユーザーに付き1回見せて使ってもらい、同数程度の訪問が集まった時に、AとBでどちらのCVが良いのかを計測をします。
そして、上記のテストで数値が良かった方を実装し、次は文字の色について変更してABテストを行います。このように、繰り返しABテストを行うことで、より最適なものはどれかを見つけることができます。
多変量テストの例
多変量テストの場合は、上記のボタン色、文字色をすべて変更したパターンを用意して行います。そのため、Aは赤いボタンに黒文字、Bは赤いボタンに白文字、Cは黄色いボタンに黒文字、Dは黄色いボタンに白文字、というように複数のページを使います。
こちらも1ユーザーに付き1ページを見て使ってもらい、ボタンの色と文字の色についてそれぞれの数値分析を行います。
多変量テストの場合はパターンページが増えるため、多くのユーザー流入が見込めるサイトの場合は効果的に行えるテスト方法です。
ページの中の行動を知る【ヒートマップ分析】
ユーザーがページ内をどのように動いたか、またはクリックしたかがわかる、ヒートマップを用いた分析も役立ちます。
例えば、滞在時間が長いのに直帰や離脱が多いという悩みがある場合、ユーザーがどの部分で止まっているかを見ることができます。
また、リンクをつなげていないバナーを貼っていた箇所を多くのユーザーがクリックしていたとしたら、そのバナーにはCVへつながるリンクを設置すると良いかもしれません。
このように、ヒートマップ分析ではユーザーの意図しない動きの把握や、どの辺りのコンテンツが読まれているのか、流し読みされている箇所はどこなのかといった、第三者目線でページ分析が可能です。
特に縦に長い傾向があるLPでは、どこをどのように読まれているかは大事なポイントです。それを視覚的に見ることができるヒートマップ分析は、コンテンツ改善にも役立ちます。
ターゲット別のUI最適化【パーソナライズド】
パーソナライズドとは、ユーザーひとりひとりに合わせてカスタマイズをするということです。また、UIは「ユーザーインターフェイス」といい、ユーザーとの接点という意味があります。
ユーザーはWEBサイトを見て商品や企業を知るため、LPそのものがユーザーとの接点になっています。そのため、LPの中にあるものはすべてがUIと言えます。
LPのコンテンツも、ユーザーにあわせてカスタマイズができればより良い接点を持つことができます。
例えば、ユーザーの性別や年齢を判別してそれぞれに最適なデザインでページを出し分けたり、ECサイトで前回訪問時にカートまで進んでいるユーザーであれば「カートに商品が入っている」という旨を表示させる、同一の店舗一覧ページであっても、ユーザーの位置情報を元に近隣の店舗を表示させるなど、LPでもパーソナライズドが可能です。
自分のLPではどのようなパーソナライズドができるのか、考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はLPを最適化する「LPO」について、具体的な手順や改善方法をご紹介しました。
1ページの中で、いかにユーザーの興味を惹きつけてCVにつなげるかがLPOの最大の目的です。そのためには、LPの目的をしっかりと把握しておくことが必要です。
また、数値の分析やユーザーの動きの分析も欠かすことができません。実際に改善をする際は、ユーザーの立場になって仮説を立て、解決方法を見つけられるかが重要です。こうして分析と改善を繰り返し行うことで、LPはユーザーに対して最適化されていきます。
LP経由のCV数が少ないとお困りの方は、LPOに取り組んでみてはいかがでしょうか。

執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。