サイト改善 / 制作 公開日: 2021.12.22 更新日: 2024.04.01

【徹底比較】さくらのクラウドとAWSの特徴・機能・料金の違いを解説

本記事では、クラウドサービスである「さくらのクラウド」と「AWS」の特徴や機能、価格を徹底比較します。

それぞれの特徴がわかり、どちらが最適なのかが判断できるようになります。さくらのクラウドやAWSの利用を考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

クラウドサービスとは?

クラウドサービスとは、ネットワークを使用してデータやソフトウェアなどを利用できるサービスのことです。

クラウドサービスと比較対象になるのがオンプレミスです。オンプレミスとは、サーバー機器などのハードウェアや、アプリケーションなどのソフトウェアを自社で準備して、構築・運用することです。

クラウドサービスは、サービス自体の構築・運用の必要がないため、オンプレミスと比較して利用者の運用負担が軽減できます。

オンプレミスと比較した際のクラウドサービスのメリット

  • 運用負担を軽減できる
  • 利用料金を抑えられる
  • 作業効率化が期待できる
  • すぐに利用を開始できる

さくらのクラウドとは?

「さくらのクラウド」とは、IaaS型のクラウドサービスです。

IaaSとは、「Infrastructure as a Service」の略で、「イアース」や「アイアース」と呼ばれています。IaaSの特徴は、システムを動かすために必要なサーバーやネットワークなどのインフラをインターネット上でサービスとして利用できることです。

IaaSを利用するメリットは、PaaSやSaaSと比較して自由度が高いことが主に挙げられます。しかし、IaaSではOSやミドルウェアは自分たちで準備しなくてはいけないため、ある程度の専門知識が必要となります。そのため、IaaSは上級者向けということが言えるでしょう。

さくらのクラウドを利用するメリットは、国内最安値のクラウドサーバーであることとデータ輸送量が無料であることが挙げられます。

さくらのクラウドは、ユーザーの利用時間に合わせて最も安い料金が適用され、1時間7円、1日77円で利用できる国内最安値のクラウドサーバーとなっています(詳しくは後の「さくらのクラウド」の料金で解説しています)。また、データ輸送量が無料のため、想定外の費用が掛かることはないため、安心して利用することが可能です。

AWSとは?

続いて「AWS」について解説していきます。

AWSとは、「Amazon Web Services」の略で、世界で最も利用されているクラウドプラットフォームです。利用者数は全世界で100万人以上、190の国で利用されています。

AWSの特徴として、豊富なインスタンスタイプ構築スピードの速さ従量課金制などが挙げられます。

AWSには非常に多くのインスタンスタイプが存在します。インスタンスタイプとは、ユースケースごとにメモリやCPUを選択し、組み合わせるもののことです。Amazon EC2のインスタンスタイプは現在200以上あると言われています。そのためユーザーは使用用途や目的に合わせて、自分に最適な形のインスタンスタイプを選び利用することが可能です。また、構築スピードに関しても非常に早く、すぐに利用を開始することができます。

AWSは従量課金制となっています。そのため、ユーザーが必要になった際に簡単にサービスを利用でき、反対に必要がなくなった際にはサービスを停止することで、課金が停止します。

忙しい時期は利用量を増やし、忙しさが落ち着いている時は利用量を落とすといった使い方が可能です。幅広いユーザーに適用するように柔軟な使い方ができることが非常に魅力的です。

「VPS」とは?

次に補足として「VPS」について解説します。

VPSとは、「Virtual Private Server」の略で、日本語で「仮想専用サーバー」を意味します。

VPSは、1契約で1つの仮想サーバーを契約するのが最大の特徴です。クラウドサーバーであれば、1契約で仮想サーバーを複数台契約することができますが、VPSでは1契約で1つの仮想サーバーのみの利用となります。

また、クラウドサーバーの料金は従量課金制が多いのに対して、VPSの料金は完全月額固定料金となります。VPSはクラウドサーバーのように柔軟な使い方はできませんが、あらかじめ利用用途が完全に決められている場合や1台の利用でことが足りる場合に利用することができます。

【比較】さくらのクラウドとAWSの機能の違い

ここからは、Amazon EC2(AWS)とさくらのクラウドについて比較を行い、それぞれの特徴について見ていきたいと思います。

Amazon EC2(AWS)さくらのクラウド
課金単位1時間または秒単位1秒単位
リザーブによる割引最大72%割引最大50%割引
無料利用枠12か月間無料2週間無料
サーバー作成可能可能
サーバースペック変更(停止時)可能可能
サーバースペック変更(起動中)可能可能
LinuxAmazon LinuxMIRACLE LINUX
WindowsWindows on AWSWindows Severプラン
FreeBSD
最大vCPU数※1※1
最大メモリ容量24,576GiBメモリ224GBメモリ
GPU対応対応対応
FPGA対応対応対応
HDD/SSD選択選択可選択可
1ストレージの最大容量※2※2
ストレージバックアップ可能可能

※1
インスタンスやプランによって変わるので公式サイトをご覧ください。
AWS:(https://aws.amazon.com/jp/ec2/instance-types/
さくらのクラウド:(https://cloud.sakura.ad.jp/specification/detail/

※2
インスタンスやプランによって変わるので公式サイトをご覧ください。さくらのクラウドでは、「オブジェクトストレージ」と呼ばれる大容量ストレージサービスが今年の4月に正式サービスになりました。
AWS:(https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/WindowsGuide/volume_constraints.html
さくらのクラウド:(https://cloud.sakura.ad.jp/specification/object-storage/

無料利用枠

さくらのクラウドの無料利用枠が2週間なのに対して、AWSの無料利用枠は何と1年です。Amazon EC2であれば月に750時間利用可能です。

ただし、AWSの無料利用枠が使用できるのは、初回の登録だけですのでご注意ください。

無料利用枠に関しては、圧倒的にAWSの方が良いと言えるでしょう。

リザーブによる割引

さくらのクラウドでは、リザーブによる割引が最大50%であるのに対して、Amazon EC2(AWS)は最大75%とこれもAWSの方が割引率高いです。

最大メモリ容量

最大メモリ容量は、Amazon EC2(AWS)が24,576GiBなのに対して、さくらのクラウドは224GBです。さらにさくらのクラウドは全95種類の中から自分に合った最適なプランを選ぶことができます。

AmazonEC2(AWS)とさくらのクラウドのメモリ容量は記載単位が違っているため、どちらの単位で計算しているのかを確認した上でサイジングするように注意する必要があります。

※GiBとGBの違い
GiB(ギビバイト)は、コンピュータの2進数に合わせて作られた単位です。1,024ごとに単位が変わり、1GiBは1024MiBとなります。
一方GB(ギガバイト)は、人間にわかりやすいように作られた単位です。1,000ごとに単位が変わり、1GBは1,000MBとなります。

【比較】さくらのクラウドとAWSの料金の違い

ここからはさくらのクラウドとAWSの価格について比較していきます。

さくらのクラウドの料金

まずはさくらのクラウドの料金を見ていきます。

さくらのクラウドは、使用するユーザーに合わせて最も安い価格が適用されるのが最大特徴です。1日10時間までは時間割計算(1時間7円)で、1日10時間以降は日額料金(1日77円)が適用されます。また、月に20日未満は日額料金が適用され、20日以降は月額料金でお支払いが行われます。

データ移送量による従量課金が一切ないため、想定外の費用がかかることがないため安心です。

さくらのクラウドの料金構成は基本機能である「サーバープラン」と「ディスクプラン」の合計になります。さらに追加して、アプライアンスを利用することによって、プライベートな環境構築やアクセス負荷などユーザーの要件に柔軟に対応が可能となります。

ユーザーの使用した分を自動でユーザーに最適な形の料金にしてくれるのが、さくらのクラウドの料金のメリットです。

AWSの料金

次にAWSの料金について見ていきましょう。ここではAmazon EC2の料金を見ていきます。

Amazon EC2インスタンスの料金支払いにはオンデマンド、スポットインスタンス、Savings Plans、Dedicated Hosts、秒単位の課金の5種類の方法があります。

無料利用枠

無料利用枠とは、AWSの新規のユーザーを対象としたAWSを12か月間無料で使用できる料金体系です。Amazon EC2であれば毎月750時間分利用することができます。無料利用枠を活用することによって100を超えるサービスを試すことが可能です。

オンデマンド

オンデマンドは、時間単位もしくは秒単位で料金が発生します。アプリケーションの必要度合いに合わせて、キャパシティーを自由に増減することができ、支払う料金は、使用するインスタンスに決められた時間料金のみとなっています。

オンデマンドは前払いや長期の契約をすることなく低コストで柔軟的にAmazon EC2を使用したいと考えるユーザーに適していると言えます。

また、初めてAmazon EC2で開発・テストをするアプリケーションにも相性が良いです。

スポットインスタンス

スポットインスタンスを使用すると、AWSクラウド内の使われていないEC2キャパシティーを活用することができます。

スポットインスタンスの魅力はオンデマンド料金と比較して、最大90%もの割引金額で利用できる点です。そのため、巨大規模の開発ではコストを大幅に削減することができるでしょう。

Savings Plans

Savings Plansでは、1年間もしくは3年間の期間で特定の使用量を契約する代わりに、オンデマンド料金と比べて料金を安くする柔軟なモデルとなっています。

オンデマンド料金は、柔軟なプランと大幅な料金の削減を実現することができる点がメリットです。具体的にSavings Plansでオンデマンド料金の最大72%コストを抑えることができます。また、オンデマンド(時間単位)での購入が可能です。

Dedicated Hosts

Dedicated Hostsは、既存のサーバー限定ソフトウェアライセンスを条項の下で使えるため、費用を抑えることが可能になります。オンデマンド価格から最大70%割引となるのも魅力的です。

秒単位の課金

秒単位の課金は、ユーザーが使用した分の料金を支払います。使用した分の料金しか支払わないため、アプリケーションの改善に集中して取り組むことが可能となります。特に、不定期に実行が行われるインスタンスを管理する場合には最適です。具体例を挙げると、開発にテスト、データの分析やアプリケーション等です。また、秒単位の課金では、Amazon LinuxやWindows、Ubuntuで起動されるインスタスに適用されます。

このようにAWSには様々な料金があり、それに付随して支払方法も多岐にわたります。このバリエーションの豊富さがAWSの最大の魅力と言えるでしょう。ぜひ自分達の使用用途に合った料金支払いを見つけてください。

さくらのクラウドとAWSどちらを選べばいい?

結論から言って、多様性を求める人はAWSを、自動で最適な金額にしてほしい人はさくらのクラウドを利用するのがベストです。

AWSの最大の魅力は多様性です。Amazon EC2に関してはインスタンスタイプが現在200種類以上あり、それによってユーザーの使用用途や目的に合わせて最適なインスタンスタイプの組み合わせを選択して利用することが可能です。しかし、種類が豊富すぎるがゆえにある程度の知識が必要となります。

対してさくらのクラウドは、AWSほどの多様性は持ち合わせていませんが、ユーザーの利用に合わせて自動で一番安い料金にしてくれます。また、さくらのクラウドは国内最安値のクラウドサーバーのため、安くクラウドサービスを利用したい方にはさくらのクラウドが最適と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、さくらのクラウドとAWSについて比較を行いました。

これまで解説してきた通り、機能や料金などさくらのクラウドとAWSにそれぞれ特徴があり、どっちかが完璧に優れているということはありません。大切なのは、自分がクラウドサービスを使用するにあたって何を重視するのかをしっかりと考えることです。

自分の利用用途に合わせて、さくらのクラウドを利用するか、AWSを利用するか決めましょう。

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執筆者:阿部直記

株式会社ヒトノテの代表取締役COO。KLab株式会社、クラウドワークスを経て、株式会社ヒトノテへ。新規サービス/タイトルの立上げや企画、運営中案件の分析を行いながら改善しグロースさせるなど、事業作りを中心とした提案が得意です。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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