キュレーションメディアの意味とは?メリット・作成時の注意点も解説

インターネット上に存在するさまざまなWEBメディアの中でも、閲覧数が多いとされる「キュレーションメディア」。よく耳にするようになった言葉ですが、実際にどのような意味なのか把握できていないという方は多いのではないでしょうか。
今回は、キュレーションメディアに関して以下のような内容を解説します。
- キュレーションメディアの概要
- キュレーションメディアという言葉の意味
- キュレーションメディアを作成するメリット・注意点
- 代表的なキュレーションメディアの特徴・ユーザー層
「キュレーションメディアが何なのかを知りたい」「これからキュレーションメディアを作成しようと考えている」という方はぜひ参考にしてください。
キュレーションメディアとは?
「キュレーションメディア」とは、特定のテーマに関する情報を集めてわかりやすくまとめたメディアのことです。キュレーションという言葉自体も、インターネット上の情報を特定の視点で収集するという意味があります。
現在、インターネットには無数の情報が存在しています。情報の種類や内容もそれぞれ異なり、発信者もさまざまです。キュレーションメディアは、そのような無数の情報から目的・詳しさなどのテーマを定めて一定数の情報を選び出し、わかりやすくまとめています。
たとえば、以下のような場合に、キュレーションメディアはよく利用されています。
- 種類が多くあり使用感がわかりづらい消耗品の比較(洗剤・コスメ・家電など)
- 旅行先のおすすめ観光スポットやグルメ
- 多面的な情報を得たいと考えられることが多い分野(政治・経済などのニュース)
このようにキュレーションメディアは、特定の情報を選び、まとめているサイトのことを指します。
キュレーションメディアのメリット
ここからは、キュレーションメディアのメリットをご紹介します。
メディア立ち上げのハードルが低い
キュレーションメディアは、先ほどもお伝えしたとおり「情報を選別し、わかりやすくまとめたメディア」のことを指します。つまり、新しいコンテンツを作成する必要がありません。
すでに存在している情報を選別してわかりやすくまとめることでメディアが出来上がるので、コンテンツ制作の工数削減につながります。
さらに、コンテンツの投稿は無料のCMS「Wordpress」などでも実装できるため、立ち上げが比較的容易なことも特徴の1つです。
このように、メディア作成にかかる全体的なコストを安く抑えることができる点もハードルが低い要因です。
簡単に継続できる
キュレーションメディアは簡単に継続できるということもメリットの1つとして挙げられます。
「立ち上げのハードルが低い」ということにもつながりますが、キュレーションメディアは記事コンテンツの引用・情報の選別だけでコンテンツ制作の作業が完結します。そのため、簡単にコンテンツ制作を行うことが可能です。
コンテンツ制作にかかる労力を抑えられるということは、一度立ち上げたあとの更新も容易だと言えます。
アクセス数を稼ぎやすい
他のメディアと比較してアクセス数を稼ぎやすいという点も、メリットの1つです。
コンテンツ作成に時間が掛からないため、トレンド情報をいち早く取り扱うことで、旬の情報を求めているユーザーからのアクセスが期待できます。
コンテンツの元となる情報は、インターネット上に無数に存在しています。その中から「どのような観点でテーマを絞りこみ、どのような情報をピックアップしてまとめるか」というセンスを磨くことで、他メディアとの差別化を図ることが可能です。
ただし、ただ単に他のメディアの情報を転載しているだけだと、「コピーコンテンツ」とみなされてSEO評価が上がらずアクセスが増えないということがよくあります。情報をまとめる切り口や、収集した情報に対するコメント(オリジナルテキスト)を入れていくなどをして、メディアとしての価値を高めていくための一定の努力は必要です。
キュレーションメディアの注意点
メリットが多くあるキュレーションメディアですが、コンテンツの作成や継続的な運営を続けるうえで注意すべき点があります。
ここからは、その注意点を2点解説します。
①信憑性
キュレーションメディアは、有益な情報を選定し、まとめて掲載するメディアです。
そのため、情報の信憑性には十分な注意が必要となり、引用・参照したメディアの情報が間違っていた場合は、自身のメディアの信頼を失いかねません。引用元のサイトの情報は確かなものか、しっかりエビデンスを確認したうえでコンテンツを制作することが大切です。
信憑性が低いと考えられる情報の引用には十分注意しましょう。
②無断転載
キュレーションメディアを作成・運営するうえで、以下2点は絶対にやってはいけない行為です。
- 引用する情報の引用元を明記しない
- 画像・イラストなどの無断転載
これらは「著作権の侵害」にあたり、引用元・画像やイラストの作成者から訴訟を起こされる場合もあります。引用が発覚がユーザーに知れ渡った場合は、メディアの信頼性も失うでしょう。
無断転載には細心の注意を払ってコンテンツを作成することが大切です。
キュレーションメディアの事例
ここからは、代表的なキュレーションメディアを事例として紹介します。
それぞれのメディアの特徴やユーザー層も併せてお伝えしていきますので、今後キュレーションメディアを立ち上げようと考えている方はぜひ参考にしてください。
グノシー
特徴
- 幅広いジャンルのニュースを取り扱っている
- 提携メディアの中から自身の読みたいメディアを選び登録しておける「チャンネル機能」がある
- クーポン配信など、利用ユーザーが得をするサービスも取り扱っている
ユーザー層
ジャンルが幅広いこともあり、比較的多くのユーザーに利用されています。
- 利用者:男性が約60%、女性が約40%
- 年齢層:男女ともに20~30代が半数を占める
(出典元:movieTIMES ムービータイムス )
NewsPicks
特徴
- ニュースにコメントをつけることができる
- 単なるキュレーションメディアではなく、コミュニティとしても機能している
- ユーザーをフォローできる機能がある
- ユーザーには業界の専門家も多い
ユーザー層
- 利用者:男性ユーザーが約80%以上を占める
- 年齢層:約65%が20~40代の男性
ビジネスや政治・経済の情報を多く取り扱っているため、それらの情報に関心のある、働く男性がターゲット層であると言えるでしょう。
(出典元:[マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン)
RETRIP
特徴
- 旅行・外出に特化した情報をまとめて配信している「旅行・おでかけメディア」
- アプリは月間2,000万人以上が利用
- 国内だけでなく世界の観光地などの情報も掲載されている
(出典元:RETRIP 媒体資料 | 資料JP)
ユーザー層
- 利用者:男女ともに利用される
- 年齢層:20~40代が中心
インスタ映えスポット・スイーツ情報などが多く掲載されている傾向があるため、ターゲット層は女性がメインだと言えるでしょう。
Antenna
特徴
- 取り扱っている情報はエンタメ・カルチャー・ライフスタイルなどがメイン
- 画像が多く、視覚的にわかりやすい情報が多く配信されている
- メディア内で他ユーザーがまとめた情報を保存できる「クリップ」機能がある
ユーザー層
- 利用者:男性が49.6%、女性が50.4%と、男女比率はほぼ半々
- 年齢層:20代が28%、30代が27%、40代が25%と、幅広い層に利用されている
ファッション・フードやスイーツ・生活の知恵など、幅広い意味で「生活」に関心のあるユーザーがターゲットだと言えるでしょう。
(出典元:movieTIMES ムービータイムス)
まとめ
今、この記事を読んでいるこの瞬間も、世の中では新しい情報が発信されています。
ユーザーひとりひとりの持つニーズも細分化・多様化してきており、本当にほしい情報が埋もれていってしまうということも珍しいことではありません。
そのような中で、キュレーションメディアは大きな役割を果たしていると言えます。今後キュレーションメディアの立ち上げ・運営を考えている場合は、ここまでお伝えした注意点に十分注意したうえで作成することをおすすめします。
作成するあなただけの独自の視点を大切にすることが、多くの人が必要とするキュレーションメディアの立ち上げにつながるでしょう。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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