サイトのスマホの対応の重要性!SEO対策のためにやるべき施策とは?

現在、スマートフォンからのアクセスが急速に増加しているため、モバイルフレンドリーなウェブサイトを持つことの重要度が上がっています。スマートフォンに対応したサイトを構築することは、SEO(検索エンジン最適化)においても重要です。Googleも、スマートフォンで利用しやすいウェブサイトを高く評価し、モバイルフレンドリーなサイトは検索エンジン結果ページのランキングに影響することを明確にしています。
ここでは、スマホSEOの重要性と、スマホサイトのSEOとして具体的にすべきこと、また、自社サイトがスマホ最適化されているかどうかを確認する方法について解説します。自社サイトのSEOに課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもSEOとは?こちらの記事で解説しています。
【2023年版】SEO対策とは?仕組みや施策、進め方などを徹底解説
スマホSEOはなぜ必要なのか
近年、なぜWebサイトのスマホ対応の重要性が高まってきたのでしょうか。その要因の1つが、Googleがスマホユーザーの体験を重視するようになったということです。Googleは2023年においての検索エンジンのシェアの8割程度を占めているため、Googleのアルゴリズムを意識した対策が、SEOにおいては非常に重要になっています。
ここではまず、スマホSEOが重要となった背景について解説していきます。
スマホからの検索がPCからの検索を上回り多数派に
スマホのSEOが重要な背景として、Web検索がパソコンよりもスマホで行われるようになった、という点が指摘されています。例えば、2022年に総務省が公表している「令和2年度情報通信白書」によると、2016年の時点ですでに、インターネットを使う際に利用されるデバイスは、スマートフォンがPCを上回っています。(参考:令和2年版情報通信白書)
スマートフォンの普及率も年々上昇しており、パソコンよりもモバイル端末でWebサイトの検索を行うようになりました。こうした事情から、Googleの評価基準もモバイルファーストインデックス、モバイルフレンドリーに重きを置くようになったのです。
モバイルフレンドリーアップデートの実施
スマホSEOを考える際は、「モバイルフレンドリー」という言葉に注目する必要があります。スマートフォンをはじめとするモバイル端末に優しいコンテンツ、モバイル端末で見やすく、扱いやすいコンテンツを作ることで、検索順位の上昇につながります。
Googleは2015年4月に、Googleは「モバイルフレンドリーアップデート」と呼ばれる検索アルゴリズムアップデートを実施しました。このアップデートは、スマホなどモバイル端末での検索結果において、スマホで見やすく使いやすいページ(モバイルフレンドリーなページ)が上位表示されやすくなるというアルゴリズム変更でした。モバイルフレンドリーアップデート以降、スマホに対応していないページはスマホで検索したときに上位表示されにくくなったのです。
モバイルファーストインデックスの導入
SEOにおいて、「インデックス」は非常に重要な意味を持ちます。インデックスとは、Webサイトが検索エンジンのデータベースに登録されることです。インデックス登録されなければ検索結果画面には表示されません。
モバイルフレンドリーアップデートはスマホでの検索結果のみに影響し、PCでの検索結果には影響しないものでした。すなわち、Googleは従来どおりPCサイトを主としてインデックス登録し、検索順位の決定や表示を行っていたのです。
しかし、Googleのこの仕様は、過半数のユーザーがスマホで検索を行っているという実情にそぐわないものでした。そこでGoogleは、2016年より「モバイルファーストインデックス」の実験を開始し、2018年3月には本格的に導入したことを発表しました。
モバイルファーストインデックスとは、スマホサイトのページを主としてインデックス登録し、ページの評価や検索順位の決定、表示に利用するものです。Googleはモバイルファーストインデックス以降、従来のようにPC向けページを主として評価するのではなく、モバイル向けページを主として評価していくという方針に転換したというわけです。
スマホのSEO対策でやるべきこと
このようにモバイルファーストインデックスが導入されたことにより、スマホSEOは必要不可欠なものとなりました。従来PCサイト向けに行ってきたのと同等のSEO施策が、今後はスマホサイトに必要となったのです。
ここからは、スマホサイトのSEOとして実際にやるべき内容を確認していきましょう。
モバイルフレンドリーなサイトを作成
スマホSEOを実施する際、まずはモバイルフレンドリーなサイトを作成することから始めましょう。ここでは、モバイルフレンドリーなサイトを作る方法を3つご紹介します。
レスポンシブデザインにする
モバイルフレンドリーなサイトを作るには、「レスポンシブデザイン」の採用が欠かせません。
「レスポンシブデザイン」とは、ユーザーが閲覧する画面のサイズに合わせてページのレイアウトを最適化するデザインを指します。パソコンとスマートフォンでは、画面の形に横長と縦長という違いがあるだけでなく、画面のサイズも大きく違います。そのため、どちらか一方だけに最適化したデザインよりも、画面に合わせてページレイアウトが柔軟に変わった方が、ユーザーにとって利便性が高くなります。
レスポンシブデザインは、Googleが公式に最も推奨している方法のため、実施することをおすすめします。
レスポンシブデザインについては、以下の記事もご覧ください。
デバイスに関係なく同じURLを使用する
モバイルフレンドリーなサイトを作成する場合、デバイスに関係なく同じURLを使用することが推奨されています。1つのURLで複数のバージョンのコンテンツを提供することができるため、ユーザーにとって便利であり、SEOにも良い影響を与えるからです。同じURLを使用することによって、ユーザーの利便性が向上し、リンクの集計が容易になるなどのメリットがあります。
デバイスに応じて異なるURLを使用する
モバイルフレンドリーなサイトを作成する場合、デバイスに応じて異なるURLを使用することができます。異なるURLを使用すると、ユーザーにとって最適なコンテンツを提供することができます。
例えば、スマートフォンからアクセスする場合には、画面サイズが小さいために表示が崩れたり、読み込み速度が遅くなったりすることがあります。そのため、異なるURLでスマートフォン用に最適化されたコンテンツを提供することで、画面サイズに合わせた情報の提供が可能です。
ただし、異なるURLを使用する場合、重複コンテンツの問題が発生する可能性があるため、適切な対策を行う必要があります。
URL正規化
PC向けページとスマホ向けページを別々に作っている場合、URLの正規化を行うことが必要です。サイト内の複数ページに同一コンテンツがあるとページ評価が分散したり、重複コンテンツの多いサイトと見なされて検索順位が低下したりするおそれがあります。
この点に関してもレスポンシブデザインの導入が1つの改善策となりますが、PCサイトとスマホサイトを別々のURLで運用している場合、対応するコンテンツのURLをGoogleに正しく伝えるため関連付けを行いましょう。具体的にはPCサイトにrel=alternate要素、スマホサイトにrel=canonical要素を記述します。
※参考:https://developers.google.com/search/mobile-sites/mobile-seo/separate-urls?hl=ja
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内部リンクの最適化
SEOにおいて内部リンクの最適化は、クローラビリティの向上に役立ちます。Googleクローラーが巡回しやすくなれば、ページ内容の正しい認識や評価につながるでしょう。また、内部リンクによりコンテンツの関連付けが適切に行われていれば、専門性や網羅性の高いサイトであると評価されやすくなるという利点もあります。
さらに、適切な内部リンクの設置は、ニーズに合わせて関連する情報にたどりやすくなることで、ユーザビリティの向上にもつながります。それに伴い、サイト滞在時間が長くなればユーザビリティが高いサイトとみなされ、検索順位を高める要因となりうるでしょう。
具体的な施策としては、グローバルナビゲーションやパンくずリスト、サイトマップを設置すること、関連する内容のページ同士をリンクすることが挙げられます。サイトマップは、ユーザー向けにHTMLファイルを作成・設置するだけでなく、XMLファイルを作成しGoogleに送信することも大切です。
コンテンツ(テキスト)要素の最適化
もともとPCサイトを主体として運用していた場合、スマホサイトは最小限の内容のものしか作っていないということもあるかもしれません。しかし「スマホサイトのコンテンツ数量がPCサイトに比べて明らかに少ない」「主要コンテンツがPCサイトにしかない」などといったケースでは、モバイルファーストインデックスによって順位低下のおそれがあります。
このような事態を防ぐには、レスポンシブデザインを導入し、単一のサイトをさまざまなデバイスで見られるようにするのが理想です。スマホサイトとPCサイトを別サイトとして運用する場合は、「スマホサイトとPCサイトのコンテンツ数や内容を同等にする」「特に主要コンテンツは必ずスマホサイトでも主要コンテンツと認識されるよう表示する」といった対応を行いましょう。
UIの最適化
UIがわかりやすく使いやすいかどうかは、ユーザーの直帰率や滞在時間、1セッションあたりの閲覧ページ数などに大きな影響を与えます。そしてこれらは検索順位を決定づける要因となるのです。
スマホサイトのUIについては、モバイルフレンドリーに最適化することが大切です。具体的には、スマホで問題なく利用できるよう、フォントサイズやコンテンツ幅、クリック要素の大きさや間隔などを調整しましょう。
ページ表示速度の改善
Googleは、ページの表示速度をモバイル検索順位決定の要因の一つとする「スピードアップデート」を2018年7月に導入しました。ページの読み込みに時間のかかるスマホサイトは、検索順位が低下するおそれがあるため、改善が必要です。
また、ページの表示速度は、ユーザーの離脱率に影響します。ページの読み込みがあまりに遅いため、読み込みを待たずにページを離れてしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。スマートフォンの検索だけではありませんが、表示速度が遅いとサイト離脱になる可能性が高まります。
自社サイトの表示速度はGoogleが提供するツール「PageSpeed Insights(https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/?hl=ja)」や「Test My Site(https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/feature/testmysite/)」を使用して計測することができます。これらのツールでは改善すべき箇所についても提示してくれるので、提案にしたがって改善に取り組みましょう。
スマホサイト表示の高速化には、AMPを導入するのもおすすめです。
自社サイトがスマホ対応か確認する方法
スマホSEOの重要性や必要な施策などは理解しているものの、具体的に何から手をつければ良いのかわからないという方も多いかもしれません。そのような場合、まずはモバイルフレンドリーテストを実施して、自社サイトの対応状況や課題を確認してみると良いでしょう。
モバイルフレンドリーテストの実施方法
「モバイルフレンドリーテスト(https://search.google.com/test/mobile-friendly?hl=ja)」とは、GoogleがWebマスター向けに提供しているモバイルユーザビリティのチェックツールです。
使い方はテストするページのURLを入力してボタンを押すだけ。数十秒待つと、その場でテスト結果が表示されます。
モバイルフレンドリーテストの結果、ユーザビリティに問題が見つかった場合は具体的にどのような問題が検出されたのかが一覧で表示されます。主なエラーとして、以下のようなものが挙げられます。これらのエラーが見つかった場合はすみやかに改善に取り掛かりましょう。
テキストが小さすぎて読めない
フォントサイズが小さすぎて、ユーザーがピンチ操作による拡大などを行う必要がある場合に表示されるエラーです。適切なフォントサイズを設定しましょう。
ビューポートが設定されていません
ページにviewportプロパティが定義されておらず、ページサイズのスケーリング調整ができない場合に表示されるエラーです。headタグ内にmeta viewportタグを適切に記述しましょう。
クリックできる要素同士が近すぎます
リンクボタンなどのタップ要素同士が近すぎて、隣の要素を誤ってタップする可能性が高い場合に表示されるエラーです。タップ要素のサイズや間隔をスマホで問題なく使えるよう調節しましょう。
コンテンツの幅が画面の幅を超えています
スマホでページ内のテキストや画像を表示するために横スクロールが必要な場合に表示されるエラーです。絶対値ではなく相対的な幅の値を設定するなど、コンテンツのサイズをビューポートに合わせるようにしましょう。
Googleサーチコンソールのモバイルユーザビリティで確認
自社サイトがスマホ対応できているかを確認する方法として、「Googleサーチコンソール」を使用する方法があります。Googleサーチコンソールのモバイルユーザビリティの機能を活用します。
対象となる自社のWebサイトとGoogleサーチコンソールを連携しておくことで、インデックスページに関して、モバイルフレンドリーかどうか判別してくれます。モバイルフレンドリーではないページにはエラーが表示されます。
【実際のキャプチャ】

モバイルフレンドリーでないページについては、エラーの内容に「ページがモバイルで利用できない理由」と記載されるので、理由を確認して修正を行いましょう。修正が完了したら、Googleサーチコンソールでサイトマップの送信を行うことで、修正した旨を伝えることができます。
※2023年12月1日以降に、Search Consoleの「モバイル ユーザビリティ」レポート、モバイル フレンドリー テストツール、Mobile-Friendly Test API については提供を終了する予定となっています。
参考:Google検索セントラル「Search Console レポート」
まとめ
スマホSEOの重要性と、スマホサイトに必要な具体的なSEO施策、自社サイトがモバイルフレンドリーなサイトかどうかを確認する方法をご紹介しました。
自社サイトへの集客が伸びないとき、Web広告やSNSからの流入を検討するのも大切ですが、SEO施策の見直しを定期的に行うこともやはり欠かせません。現在のSEOにおいて特に重視しなければならないのはスマホ向けのSEOです。
早くからネット対応し、もともとPCサイトを先行して運用してきた企業ほど、スマホサイトのSEOは後手にまわりがちです。モバイルファーストになっている現状をしっかりと認識し、スマホ向けページにもしっかりとSEOを行っていきましょう。
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執筆者:山口ひかる
株式会社ヒトノテのディレクションを担当。自社オウンドメディア運営ノウハウを活用し、クライアントメディア向けのWEBコンテンツ制作や、WEBマーケティング全般の支援を行っています。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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