SEO 公開日: 2020.04.14 更新日: 2020.06.26

転職情報サイトのSEOで気を付けるべきポイントをご紹介

昨今「売り手市場」と言われ、活性化している「転職市場」。求職者の目的に合わせ転職情報サイトも多様化しています。転職情報サイトをこれから運営しようとている、またはすでに運営しているが、もっと流入を増やしたいと考えている方向けに、転職情報サイトのSEOのポイントを解説します。

転職情報サイトとは

転職情報サイトとは、企業の求人情報を載せて、それを見た利用者が求人情報への応募や転職サイトへの会員登録が成果となるサイトを指します。

転職情報サイトの目的とは

転職情報サイトの目的は企業と求職者のマッチングですが、WEBサイトにおける目的としては、前述したように、求人サイトへの登録や求人情報への応募が、求職者向けの成果。

一方、企業向けにはサービスに登録してもらうことが成果となり、求人情報を掲載してもらったり、求職者を企業側から検索してスカウトするといった、求人を出す企業からもアクションができるようなサービスを提供しています。

転職情報サイトの種類

転職情報サイトは、掲載課金型(ジョブボード)、斡旋型(エージェント)、他社の求人情報を転載型(アグリゲート)の3種類のサービスが存在します。

掲載課金型のサービスはジョブボードとも呼ばれ、求人情報を掲載する代わりに掲載料金をもらう形態をとり、企業の求人広告掲載サービスや、サイト登録者の経歴を検索するサービスなどを提供しています。代表的なサービスとしては、マイナビ転職、エン転職、リクナビネクストなどがあります。

斡旋型は転職エージェントなどと呼ばれ、企業と求職者のマッチングや面接のサポート、企業への交渉などを行います。掲載課金型とことなり成功報酬でマネタイズをしているケースが多く、WEBサイト上に情報を公開しすぎてしまい求職者が直接企業に問い合わせをされるとビジネスが成立しなくなるため、社名や公募条件などの詳細な情報は伏せて掲載することが多いです。代表的なサービスにはビズリーチやリクルートエージェントなどがあります。

最後に、他社の求人情報を転載するサービス(アグリゲート)です。アグリゲートとは、「集約する」ことを意味し、掲載サイトに関わらず、「営業 土日休み」などのキーワードなどから網羅的に求人を検索することができます。代表的なサービスとして、Indeed (インディード)が挙げられます。

転職情報サイトのSEOにおける、キーワード戦略とは

転職求人サイトにおけるキーワード戦略について、具体的に見ていきましょう。

ターゲットとなるキーワード

転職求人サイトでターゲットとなるキーワードは、大きく分けて下記のようなものがあります。

BIGワード

 例)転職、求人、転職サイト、求人サイト

地域

 例)大エリア(関東、関西)、都道府県、市区町村、駅

職種(仕事内容)

 例)営業、エンジニア、サービス…など

業種(事業の種類)

 例)IT、アパレル、メーカー…など

経験・スキル

 例)iOSエンジニア、C言語、店舗マネジメント など

年収

こだわり条件

 例)未経験、スタートアップ、女性活躍、テレワーク可…など

企業名

 例)サイバーエージェント、リクルート、楽天 …など

BIGワードで上位を取ることができれば、多くの流入やコンバージョンを生むことが期待できますが、競合性がかなり高くなるため、現実的には難しいでしょう。

実際には、BIGワード以外のキーワードに「転職」「求人」「採用」「正社員」を掛け合わせたキーワードが、対策キーワードとなります。

特に職種、地域、スキル、企業名と掛け合わせたキーワードが検索ニーズとしては大きくなります。(例:「千代田区 求人」、「渋谷区 営業 正社員」など)

対策キーワードとページ種別の対応付け

実際にどのページでどのキーワードを対策する必要があるのか見ていきましょう。

BIGワードはTOPページで対策します。

求人一覧ページでは、職種、業種、スキル、年収、こだわりを対策します。

これは登録されている求人情報が職種、業種、スキルなどのメタ情報(カテゴリやタグなど)を保有しており、そういった情報に基づいてデータベースから求人情報を引っ張って生成されるのが求人一覧ページになるためです。

例えば、「この求人は”エンジニア”の求人情報で、“東京都”の“千代田区”で“IT業界”です。スキルとしては“C言語をかける人”を募集していて…」といった情報です。

さらに豊富な求人情報を保有していれば、複数の条件をAND条件でつなげた複合条件の求人一覧ページを作ることができます。「エンジニア×iOS×1,000万円」などのロングテールキーワードで対策ができれば、流入の間口は大きく広がるでしょう。

業名は企業ページで対策し、企業名×各種条件はできれば求人詳細で対策していきます。

各ページにおけるSEOポイント

各ページにおいてどういったポイントを押さえてSEOを行っていけば良いか、解説します。

TOPページ

TOPページはWEBサイトの顔となるページで、イメージキャラクターを登用したバナーや広告枠が入りますが、SEOの観点が疎かになりがちです。

まず、重要な下層ページ(職種、地域、主要スキルなど)へのリンクを貼りましょう。例えば、特に強化したい職種や職種、エリア、スキルなどです。最近の傾向で言えばAIや、テレワークなど利用者の注目度が高いキーワードが該当します。強化したい重要なキーワードはTOPページから直接辿れるリンクを設置しておきましょう。

また、TOPページにテキストコンテンツがなさすぎるのはNGです。

やはりGoogleはテキストを評価するアルゴリズムですので、トップページにもテキストコンテンツを忘れずに設置しましょう。

よくあるTOPページの構成としては、

  • 都道府県からさがす…47都道府県から選べるようになっている
  • 職種から探す…職種が選べる
  • 業種から探す…業種から選べる
  • 人気スキルから探す…スキルから選べる

その他、新着求人、ピックアップ求人、人気企業などのリンク枠が設置されていて、サービスの紹介テキスト、転職を成功させる秘訣、などのテキストが置かれている、といった具合です。

求人一覧ページ

求人一覧ページでは、様々なキーワードを対策する役割を持っているので少し複雑となります。

まずは求人詳細ページから利用できるテキスト情報の一部を求人一覧ページにも出していく必要があります。「求人情報のPRポイント、求人の特徴、どんな人を求めているのか」などの、求人ごとにきちんと用意された原稿の情報です。並んでいる求人一覧のカセット(求人詳細の情報が掲載される枠組みの中)に一定のテキスト情報を入れていくと良いです。

また求人カセット以外の箇所にも、職種について言及するテキスト、転職のポイント、企業の探し方…など「職種名 転職」「業種名 求人」などのキーワードを検索する人にとって、役に立つテキストを一覧ページの下の方においてあげることが重要です。

また求人一覧ページは内部リンクの要件が非常に重要になります。

各ページに以下のような内部リンクを入れていきましょう。

・下層条件

営業であれば、営業という大きな括りの下に「企画営業、ルート営業、新規営業、〇〇セールス」のような一段粒度の細かいカテゴリーが入りますし、また都道府県のページであれば、その下に東京都のページがあって、さらにその下に千代田区のページがあるように、大きな括りから粒度の細かいカテゴリーまで辿っていけるように、下層のページにリンクを貼っていきましょう。

・類似条件

千代田区のページから渋谷区のページや、iOSエンジニアのページからサーバーサイトエンジニアのページなど、同列の条件のページにリンクを貼ってあげましょう。

・複合条件

複数の条件の掛け合わせを意味します。

「渋谷区 IT企業 営業職」など複合条件のページにも、しっかりリンクがいくように設定しましょう。

ここで注意したいのが、何でもかんでもリンクを貼ると訳が分からないページになってしまうので、検索ニーズに沿った条件で且つ求人情報が0件にならないようなページにのみリンクを設置するなど、制限をつける必要があります。

・企業ページ

個別の求人にも企業ページのリンクを貼りましょう。

一覧カセットの右上などに、「株式会社○×」の会社情報のリンクを貼ってあげると良いでしょう。

また求人一覧ページにおいて求人情報を引っ張る役割となるマスター(データベース)は、入れ替えられるように作っておくことをオススメします。

なぜなら、iOS エンジニアといった仕事が出てきたのがここ10年くらいのこと、更にAIや〇〇テックのような新しい言葉が出てくるので、入れ替えられないような構造を作ってしまうと、新しいニーズに応えられなくなってしまいます。ある程度各マスターが入れ替えられるようにしておくことがベストです。

企業ページ

企業ベージでは、企業に関する基本情報とオリジナルテキスト、年収情報などを対策していきます。

企業ページの作りとしては、サイトの編集部やサービスの編集部が取材などをして得る情報、企業の求人への内部リンクなどの企業にまつわる情報が集まるページにしていきます。

しかし、斡旋型(エージェント)だと、これらの対策が行いにくいので注意です。前述したようにエージェントは成功報酬型のため、例えば「株式会社○×の営業職」が求人していることがわかってしまうと、直接企業(株式会社○×)に問い合わせて応募してしまう人も出てくると、ビジネスモデルが成り立たなくなってしまうためです。

しかしながら、企業名は非常に流入が取れる柱のページとなるので、出せる情報をできるだけ出していくことが重要です。

求人情報ページ

求人情報ページで対策するのは、求人に関するオリジナルテキストやその求人に紐づく各条件へのリンクです。ぞれぞれが東京都の求人、正社員の求人などの条件を持っているので、その一覧ページへのリンクを貼りましょう。

また、求人詳細ページ同士をできるだけ繋げたいので、求人に類似した求人、関連求人の内部リンクがあるとベストです。

また、「この求人を見ている人がよく見る求人」や、「千代田区の営業職の他の求人」、「この企業の他の求人」など、類似条件の求人原稿をグルーピングして、それぞれの求人情報にリンクを貼っていくことが効果的です。

転職情報サイトのコンテンツマーケティング

すでに強いサイトだとBIGワードを対策することもできますが、これから立ち上げるサイトは、強い競合に対して求人原稿の数も少ないため、すぐに評価を上げるのは難しいです。ある程度業種や職種、地域に特化した立ち上げ方をすると、競合と戦える可能性が出てくるでしょう。

近年はコンテンツマーケティングが流行っているので、企業に対するテキストコンテンツをしっかり用意しておくことで「広く浅くやっている」競合に対して、「狭く深く」やっていく戦略もできます。

「面接ポイント」、「企業選び方」などのハウツー系なども検索ニーズがありますので、ハウツーコンテンツの導線を作るのも戦略的にはアリですが、コンバージョンができないのが難点です。しかし、そういったことの積み重ねでサイト自体が強くなっていくので、時間はかかりますが地道にコンテンツマーケティングをするのも打ち手の一つです。

まとめ

顕在層が多いマーケットなので、うまくユーザーが検索できて、いい求人があれば、応募や登録などのコンバージョンが生まれる可能性は大いにあります。検索されるワードに対してしっかり上位表示し、顕在キーワードに対して評価を上げられるような仕組みを作っていきましょう。

ヒトノテ坪昌史

執筆者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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