ワードサラダとは?ペナルティとなりSEOに悪影響を及ぼす理由を紹介

ワードサラダとは、ツールを用いて作成された意味の通らない支離滅裂な文章のことです。かつては悪質なSEOの一つとして横行し、上位表示するために有効でした。しかし現在は、ワードサラダによるコンテンツはSEOに悪影響を及ぼすため、使用してはいけません。
今回はワードサラダが生まれた背景や使用してはいけない理由について紹介します。良質なコンテンツSEOに取り組む上で重要なポイントを解説するので、参考にしてみてください。
この記事の目次
ワードサラダとは
ワードサラダとは、文法は間違っていないものの、文章として意味が通らない支離滅裂な文章のことです。言語障害の「言葉のサラダ」に似ているため、ワードサラダと呼ばれるようになりました。多くの場合、「形態素解析」「マルコフ連鎖」という技術を活用したツールによって生成されています。
「形態素解析」とは、文章を品詞ごとに分解して、それぞれの品詞を判別(名詞、副詞など)する技術です。一方の「マルコフ連鎖」は、持っているデータをランダムに並べ替える技術です。形態素解析で文章を単語に分解し、マルコフ連鎖で文章の形に整えることで、ワードサラダを作成しています。
たとえば「腕時計 おすすめ」という対策キーワードの場合、ワードサラダのツールを利用すると以下のような文章が生成されます。
「腕時計にはコーヒーがおすすめです。コーギーにはいちごジャム。食パンには目薬が一番合う。」
このような文章は、人間が読めばおかしな文章だとすぐに判別可能です。しかし、以前の検索エンジンは文章の意味まで認識できなかったため、コンテンツと認識されていました。この検索エンジンの特徴を活かしてワードサラダで膨大なコンテンツを作成する方法が流行しました。
ワードサラダは過去のSEO対策では有効だった
ワードサラダは、過去に横行したブラックハットSEOの1つです。ブラックハットSEOとは、検索エンジンの欠点を突いた悪質な手法のことで、検索エンジンのアップデートに伴い多数の手法が生み出されてきました。しかし現在の検索エンジンは、ワードサラダなどのブラックハットSEOを判別できるようになったので、活用しないようにしましょう。
ここからは、ワードサラダの歴史を紹介します。悪質な手法が横行した背景を知ることで、現在の良質なSEOは何なのかを知りましょう。
・【2023年版】SEO対策とは?仕組みや施策、進め方などを徹底解説
大量の被リンクを集めて検索上位を狙えた
ワードサラダが流行した時代の検索エンジンは、外部サイトから自社サイトへの被リンクの数を重要視されていました。しかし被リンクは、メディアの開設初期に集めるのは難しく、主にコツコツと集める必要があります。そこで、初心者でも手間なく簡単に被リンクを集めるために生み出されたのが、ワードサラダです。
当時の検索エンジンは、人間と同じように文章を読むことが苦手だったため、ワードサラダによるコンテンツでも「テキストが豊富=品質が良い」と認識されてしまいました。その欠点を突くように、低品質なコンテンツをワードサラダで作成し、上位表示させたいページに被リンクを集める手法が生み出されました。

現在も被リンクは、コンテンツの評価基準として重視されています。しかし、ワードサラダによる被リンクは活用してはいけません。なぜならGoogleは、ワードサラダなどの悪質な手法に対応するために、アップデートを繰り返し判別ができるようになったためです。
アルゴリズムアップデートによってペナルティの対象となった
低品質なコンテンツで汚染された検索結果は不便であり、ユーザーが他の検索エンジンに移行してしまう恐れがありました。そこでGoogleは、ユーザーが使いやすい検索エンジンとするために、ペンギンアップデートとパンダアップデートを実装しました。
ペンギンアップデートとは、悪質な被リンクを取り締まるために、Webサイトへの評価基準を調整するアップデートです。一方でパンダアップデートとは、自動生成などの低品質なコンテンツの順位を下げるためのアップデートです。この2つのアップデートの結果、ユーザビリティの低い記事や自作自演の被リンクなどを取り締まれるようになりました。
現在の検索エンジンは、文章の意味まで理解できるようになりつつあるため、ワードサラダによるコンテンツはペナルティの対象となります。
アルゴリズムアップデートに関する記事はこちら!
・Googleのコアアルゴリズムアップデートに対する理解を深めて、検索順位を上げよう!
ワードサラダが現在のSEOにもたらすリスク
ワードサラダは、過去の検索エンジンの弱点を突いた悪質な手法であり、上位表示のために有効だったのも事実です。しかし現在の検索エンジンは、ほぼ確実にスパムを認識できるようになっています。ワードサラダによるコンテンツは、検索品質評価ガイドライン違反によるペナルティ対象となるので使用してはいけません。
ここからは、ワードサラダが現在のSEOにもたらす2つのリスクを解説します。該当するコンテンツだけでなく、他のコンテンツにも影響を及ぼすことがあるため、確認しておきましょう。
検索エンジンにインデックスされない
現在は検索エンジンの精度が上がったことで、ワードサラダによるコンテンツを判別することができます。そのため、ワードサラダによるコンテンツは、検索エンジンにインデックスされません。つまり、評価の対象にすらならず、検索結果には表示されない状態となります。
また、Googleはユーザーにとって利便性の高い検索エンジンを目指しています。AIを活用した自然言語処理技術などによって、人間と同じように認識する精度も高まってきており、ワードサラダのような支離滅裂なコンテンツは簡単に見破られます。
SEOに有効どころか、マイナス評価を得る原因になるため、ワードサラダは使用しないようにしましょう。
コンテンツのSEOにおいてはインデックスされることが前提なので、インデックスされないワードサラダは何も意味を持ちません。
サイト全体の評価が下がる可能性
ワードサラダによってペナルティを受けたコンテンツがサイト上にあると、サイト全体への評価が下がる可能性があります。これまで上位表示できていたコンテンツも表示されなくなってしまうリスクがあるため注意しましょう。
また、質の低いコンテンツから受ける被リンクは、自社サイトの評価も下げる可能性が高いです。現在のSEOでも被リンクは有効なものの、関連性や信頼性のあるサイトのみを設置するようにしましょう。
自分自身がワードサラダを使用していなくても、知らないうちにワードサラダによるコンテンツから被リンクを受けている可能性もあります。Googleサーチコンソールなどを活用して、被リンクの状況を逐一チェックしましょう。
ユーザビリティを考慮したコンテンツ制作が重要
現在のSEOにおいて最も重要なことは、ユーザビリティです。特にE-E-A-T(ダブルイーエーティー)という考え方が重要とされています。E-E-A-Tとは、Googleの「検索品質評価ガイドライン」に記載されている4つの要素の頭文字を取ったものです。
- E:Experience(経験)
- E:Expertise(専門性)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trust(信頼性)
特にTrust(信頼性)の重要度が高く、経験・専門性・権威性のあるコンテンツ制作を重視することで、信頼性の向上にもつながります。
ワードサラダは、検索エンジンの弱点を突いて手間をかけずに上位表示させるブラックハットSEOです。ユーザビリティが考慮されていないため、現在のSEOには悪影響となります。もしもコンテンツ制作のリソースが足りず、ワードサラダのような手法に頼ろうと検討していた方は、株式会社ヒトノテにご相談ください。コンテンツSEOのプロとして、コンテンツ制作を全面サポートいたします。
まとめ
ワードサラダとは、文法は正しいものの、意味が通らない支離滅裂な文章のことです。人間が読めばすぐに間違いを認識できるものの、精度が低かった以前の検索エンジンは「テキストが豊富=品質が良い」と認識してしまいました。
過去にはブラックハットSEOの一つとして横行していましたが、現在は検索エンジンの精度が高まっているため、ペナルティ対象となります。有効に働くどころか、サイト全体の評価を下げる原因にもなるので注意しましょう。

執筆者:川口享晟
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。メディアサイトからポータルサイト、ECサイトまで様々なサイトのSEO支援を経験。売上のアップから逆算したSEO対策を得意とし、クライアントに寄り添ったオーダーメイドの提案を心がけています。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。