SEO 公開日: 2023.03.22 更新日: 2024.03.25

【SEOの肝】低品質コンテンツの見つけ方と改善方法とは?Googleによる定義を理解しよう

アイキャッチ_低品質コンテンツ

低品質コンテンツとは、Googleなどの検索エンジンによって「検索結果に表示させるべきではない」と判断されたコンテンツのことです。

低品質コンテンツがサイト内に多数あると、SEOに悪影響を及ぼす可能性が高いです。Googleは低品質コンテンツへの該当基準を公表しています。サイトの運営者は、この基準をしっかりと理解しておく必要があります。

本記事では、Googleが公表している低品質コンテンツの基準や低品質コンテンツの見つけ方、改善方法を解説します。

低品質コンテンツとは?

低品質コンテンツとは、ユーザビリティが考慮されておらず、検索エンジン側から「検索結果に表示させるべきではない」と判断されてしまったコンテンツを指します。サイト内のコンテンツが低品質と判断されてしまうと、Googleなどの検索エンジン上にインデックスされなかったり、SEOにマイナスの影響をおよぼしたりする恐れがあります。

コンテンツの品質を評価する指標として、Googleは「検索品質評価ガイドライン」を公表しており、一定期間ごとに更新されています。ガイドラインの更新に合わせてコンテンツをアップデートさせていかなければなりません。

2022年12月16日に更新された「検索品質評価ガイドライン」の最新版では、評価の基準がE-A-TからE-E-A-T(ダブリューイーエーティー)と改められました。

E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼性)」の頭文字を取ったもので、これらを考慮することでコンテンツの品質を高めることができます。

Googleが公表している4つの低品質コンテンツ

具体的にどのようなコンテンツが低品質と評価されてしまうのでしょうか。Googleは、低品質コンテンツの特徴として以下の4点を挙げています。

コンテンツの自動生成
内容の薄いアフィリエイト ページ
無断複製されたコンテンツ
誘導ページ

引用元:質の低いコンテンツ|Google検索セントラル

それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。

コンテンツの自動生成

プログラムやツールを使って自動生成されたコンテンツは、低品質コンテンツとして評価されてしまいます。ワードサラダや関連キーワードを無理やり詰め込んだコンテンツのように、検索順位だけを狙って生成されたコンテンツはユーザーの役に立ちません

ワードサラダとは、文法的には正しいものの意味がつながっていない、プログラムによって自動生成された文章のことで、被リンク数を稼ぐための自作自演サイトなどで使われています。

ワードサラダのように、不正な方法を利用したSEOを「ブラックハットSEO」と呼び、過去には多くのサイトで使われていました。

ブラックハットSEOへの対抗策として、「パンダアップデート」と呼ばれる低品質なコンテンツを取り締まるアップデートが実装され、コンテンツの自動生成によるSEOがペナルティを受けるようになった、という背景があります。

内容の薄いアフィリエイトページ

内容の薄いアフィリエイトページも、低品質コンテンツに該当します。しかし、アフィリエイトページそのものが悪いわけではなく、SEO的に高い評価を得ているページも多々あります。

内容の薄いアフィリエイトページには、商品の説明文をそのまま転用していたり、リンクを貼っただけでオリジナルの要素が入っていなかったり、といったページが該当します。大部分がアフィリエイトページで構成されているサイトも、ユーザビリティが低いと判断されてしまうため、注意が必要です。内容が薄いと判断されたコンテンツは検索順位が低くなる傾向にあり、SEOの観点から大きなダメージを受けるでしょう。

無断複製されたコンテンツ

無断複製と判断されたコンテンツも、低品質と評価されてしまいます。コピーコンテンツや重複コンテンツなど、検索順位の上位に表示されたページなどを参考にしたコンテンツはオリジナルの要素が薄いため、価値が低いと判断されます。

コンテンツの無断複製のリスクは、検索エンジン側からの低品質評価だけではありません。著作権侵害に該当する可能性もあり、法的な罰則の対象となる恐れもあります。SEOと著作権の観点から、コンテンツの無断複製は避けるべきです。

誘導ページ

誘導ページ(ドアウェイページ)も、低品質コンテンツに該当します。誘導ページとは、特定のページにユーザーを誘導するために作成されているページのことです。特定のページへのリンクだけを追加した悪質なサテライトサイトや、特定の類似キーワードでの検索順位を向上させるためだけに、似通ったページを大量に作成しているサイトなどが該当します。

誘導ページの例として、Googleは以下のようなコンテンツを挙げています。

・特定の地域や都市を対象としたドメイン名やページを複数持ち、それらのドメインから 1 つのページにユーザーを誘導するもの
・サイト内の有用なコンテンツや関連性の高いコンテンツにユーザーを案内することを目的として生成されたページ
・サイト内における階層が明確に定義されていないため構造としては検索結果の一覧に近く、内容が類似する複数のページ

引用元:質の低いコンテンツ|Google検索セントラル

具体的には、マッチングアプリを訴求するために「都道府県×出会い」のようなキーワードで都道府県名だけを書き換え、コンテンツの内容を全く修正していない場合。同じページを複数見せることはユーザーにとってのメリットがないため低品質コンテンツとなる可能性があります。

一方で、ユーザーにメリットがあるページであれば低品質コンテンツにはなりません。物件情報サイトのような「都道府県×賃貸」というキーワードで狙うページは、ユーザーにとって価値のある各都道府県の賃貸物件一覧ページであるためです。

低品質コンテンツに該当しない場合

「文字数が少ない」「リンク一覧のカテゴリーページ」など、情報が薄く品質が低いと判断されてしまいそうなページでも、低品質コンテンツに該当しないケースはあります。文字数やオリジナリティの有無は、コンテンツの品質を必ずしも左右しません。

コンテンツの品質は文字数によって左右されるのではなく、ユーザーの求める情報の有無で決まります。極端な例を挙げれば、1万文字のページでも低品質コンテンツと判断されてしまう場合があり、逆に100文字だけのページでも品質が高いと判断される場合もあるのです。

たとえば、「〇〇とは」といったキーワードで検索した場合に、Q&Aや用語解説といった文字数の少ないページが検索結果の上位に表示されるという場合です。

また、リンク一覧のカテゴリーページは、サイト内のリンクを貼っているだけのページであるため、「オリジナルコンテンツ」という基準を満たしていないように思われるかもしれません。

しかし実際のところは、リンク一覧のカテゴリーページは、ユーザーが知りたい情報をまとめているページです。そのため、ユーザーの利便性向上に寄与しており、高く評価される場合が多くあります。もちろん、意味もなくリンクをまとめているだけのページは低品質と判断される恐れがあるため、注意しましょう。

低品質コンテンツがSEOに及ぼす悪影響

低品質コンテンツが少量含まれているからといって、サイト全体の評価が大きく下がり、SEOに大きな悪影響があるという訳ではありません。

しかし、知らず知らずのうちに低品質コンテンツが増えていくと、サイト全体の評価が下がってしまい、SEOに悪影響を及ぼします。

低品質コンテンツの存在によって、サイト全体の評価が下がるだけでなく、クロール効率が落ちる可能性があります。クロールとは、検索エンジンがWebサイトをデータベースに登録するために、クローラーというプログラムがサイトを巡回し、情報を収集する作業のことです。

クローラーには、1つのサイトに対してクロールできる上限である「クロールバジェット」があります。低品質コンテンツをクロールしてしまうと、高品質なコンテンツをクロールするリソースを妨げる可能性があり、検索エンジンに評価してもらえないことにつながります。

また、Googleは、新しい情報を優先する仕組みである「フレッシュネスアルゴリズム」を採用しており、低品質コンテンツによって新しいコンテンツのクロールが妨げられると、サイト全体の評価が落ちる恐れがあります。

低品質コンテンツを公開し続けていると、検索結果にコンテンツやサイトそのものが表示されない、といった事態にもつながります。低品質コンテンツを見つけたら早急な対応を心がけましょう。

低品質コンテンツの見つけ方

サイト内のコンテンツが低品質か判別する方法はあるのでしょうか。ここでは、低品質コンテンツを探す方法を3つ紹介します。

今回紹介する方法はあくまでも判断材料の1つです。公開したコンテンツがなかなか評価されないなど、低品質の疑いがある場合に試した上で、内容の品質の確認を実施することをおすすめします。

順位状況の確認

1つ目の方法は、順位状況の確認です。Googleサーチコンソールなどを使って検索順位を確認してみましょう。検索結果順位が50位以下の記事は低品質コンテンツとして評価されている可能性があります。実際に対策キーワードで検索結果を確認し、目視でも50位以下、あるいは検索結果に無い場合は、対策を行う必要があります。

Googleサーチコンソールで検索順位を確認する方法をご紹介します。「検索パフォーマンス」をクリックし、「平均掲載順位」を選択します。表示されたパフォーマンスの中から、特定のページの検索順位だけを確認したい場合、「ページ」からURLを選択します。

画像のように、平均検索順位が50位以下のページの場合、低品質と判断されている恐れがあります。

CTRやクリック数なども確認し、数値が低いコンテンツの場合は改善が必要です。もちろん、サイト全体のドメインパワーやコンテンツの量などの問題もあるため、一概に特定のページが低品質コンテンツと評価されている、ともいいきれません。参考として確認してみることをおすすめします。

Googleサーチコンソールでページがインデックスされているか確認

コンテンツを公開してから数ヶ月経ってからも検索順位がついていない場合、検索エンジン側にインデックスされていない可能性があります。インデックスされていないコンテンツの場合、そのコンテンツが低品質と判断されているかもしれません。そのため、インデックスされているか否かは低品質コンテンツか否かを判断するための1つの基準になります。

Googleサーチコンソールでページがインデックスされているかを確認するには、「インデックス作成」の「ページ」を選択します。「登録済み」のページと「未登録」のページが表示され、「未登録」の理由などを確認できます。インデックスに「未登録」とされている理由を確認し、対策が必要であれば改善を図りましょう。

Googleキャッシュ取得最終日が40日以上前のページ

Googleの最終キャッシュ日によって、低品質コンテンツである可能性を確認することができます。疑いのあるページについて、URLの頭に「cache:」とつけてアクセスすることで、キャッシュの取得最終日を確認することができます。

「cache:」をつけてURLにアクセスすると、ブラウザの上部にキャプチャのような情報が表示されます。取得最終日を簡単に確認できるため、低品質コンテンツの疑いがあるページについては試してみると良いでしょう。

キャッシュの取得最終日と低品質コンテンツの関係について、ヒトノテではキャッシュの取得最終日から40日以上経過しているコンテンツや、キャッシュが存在しないコンテンツは低品質コンテンツの可能性が高いと考えています。

低品質コンテンツと判断された場合の改善方法

低品質コンテンツを発見したら、放置せずに改善をしなければなりません。低品質コンテンツを改善することで、クロール効率の向上やサイト全体の品質向上が期待できるでしょう。低品質コンテンツを改善するにはいくつかの方法があります。それぞれの方法について解説していくので、参考にしてみてください。

ページのリライトを行う

まずはページのリライトを検討しましょう。低品質コンテンツは、検索エンジンから「検索結果に掲載する必要性がない」と判断されてしまっているコンテンツです。そのため、ユーザーに新しい情報を提供できていなかったり、他のコンテンツと重複していたり、といった原因が想定できます。

競合記事と比較して不足している情報がないか、古い情報を利用してはいないか、ユーザーの検索意図を考慮した構成になっているかなど、ユーザーの求めるコンテンツになるようにリライトを検討しましょう。ユーザーにも検索エンジンにも評価されるコンテンツであることがベストです。

リライトは有効なSEOの施策の1つです。低品質コンテンツだけでなく、検索順位が伸びないページについては定期的なリライトを実施することをおすすめします。

ページの削除かnoindexタグを設定する

低品質と確認できたコンテンツについては、サイトに必要ないと判断されれば削除を検討しても良いでしょう。削除してしまえば、サイト全体の評価に影響はありません。

低品質だがサイトには必要と判断されるようなコンテンツであれば、「noindex」タグの設定がおすすめです。

として一定の効果があります。

robots.txtでクロールを制御する

robots.txtの設定も、低品質コンテンツへの対応策の1つです。noindexタグは、ページがインデックスされないように設定するためのものですが、クロールは実施されます。

対してrobots.txtを設定されたコンテンツには、クロールが実施されません。そのため、robots.txtを設定された低品質コンテンツはサイト全体の評価に影響を与えず、そのコンテンツの代わりに他のコンテンツをクロールさせることができるため、サイトの評価向上につながります。

robots.txtは実装してもすぐには反映されません。コンテンツそのものが検索結果に表示されなくなるため、そのページへの検索流入が見込めなくなります。低品質コンテンツの評価を根本的に向上させたい場合にはリライトを実施することをおすすめします。

重複ページが原因の低品質コンテンツならcanonicalタグを設定する

canonicalタグを設定することで、低品質コンテンツを改善できる場合があります。低品質と判断されてしまうコンテンツの1つに、「重複コンテンツ」があります。サイト内に、類似しているが異なるページが複数ある場合、双方が重複したページとみなされてしまい、低品質コンテンツと判断されてしまう恐れがあります。

canonicalタグは、サイト内で重複しているURLのうち、正規URLをGoogle側に伝えるためのタグです。canonicalタグを設定すれば、Google側にコンテンツが重複していないことを示すことができます。重複による低品質評価を防げるだけでなく、評価の分散も抑えられるため、設定しておくことをおすすめします。

低品質コンテンツで評価を下げないためには

低品質コンテンツによってサイト全体の評価を下げないためには、どのようなサイト運営が求められるのでしょうか。サイト全体の評価を保ち、高い評価を得るためには、サイトの全体を管理するディレクターのアサインがおすすめです。

コンテンツの品質をチェックするディレクターをアサインすることで、低品質コンテンツを生み出さず、できてしまったとしても早めに対応できるような体制を作ることができます。また、メディアのコンテンツ制作に携わるメンバーが複数いる場合、全体をコントロールする立場の人間がいなければ、重複コンテンツを作成してしまうリスクもあります。

ディレクターなど、サイト全体を管理・監督するメンバーをアサインすることで、低品質コンテンツによる評価の低下を防ぐ効果が期待できるでしょう。

まとめ

自動生成によるコンテンツや無断複製されたコンテンツなど、低品質コンテンツはサイト全体の評価にも影響を与える可能性があり、必ず対策が必要となります。

低品質コンテンツの根本的な改善にはリライトが必要になります。ユーザーと検索エンジンにとって価値のあるコンテンツを作るために、公開したページであっても定期的なリライトを実施して検索結果の改善を図りましょう。

また、低品質コンテンツを生み出さないためには、サイト運営の体制にも気を配る必要があります。サイト全体を管理・監督するディレクターをアサインすることで、低品質コンテンツを生み出さず、発見した場合でもすぐに対応できるような体制を確立できるでしょう。

低品質コンテンツにならないコンテンツ制作なら株式会社ヒトノテにお問合せください。

ヒトノテロゴ

執筆者:川口享晟

株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。メディアサイトからポータルサイト、ECサイトまで様々なサイトのSEO支援を経験。売上のアップから逆算したSEO対策を得意とし、クライアントに寄り添ったオーダーメイドの提案を心がけています。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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