SEO 公開日: 2022.10.10 更新日: 2024.03.19

隠しリンクとは?代表的な手法・見つけ方・SEOへの影響を解説

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隠しリンクとは、ユーザーが視認できないようにしてあるリンクのことです。画面上では確認できないものの、Googleなどの検索エンジンには認識されるようにリンクを設置する手法です。

隠しリンクは、効果的な検索順位の改善方法として活用されていた過去があります。しかし現在では、スパム行為と認識されており、厳しく取り締められています。

本記事では、隠しリンクの代表的な手法や見つけ方、SEOへの影響を解説します。万が一ペナルティを受けた場合の対策も紹介するため、参考にしてください。

隠しリンクとは?

隠しリンクとは、ユーザーがページを閲覧している際に視認できないようにしてあるリンクのことです。画面上では見ることができないにもかかわらず、検索エンジンにだけは分かるようにリンクを設置してあります。

隠しリンクはスパム行為の一種とされていて、検索エンジンのクローラーを騙して検索結果を操作しようするのが目的です。実は10年ほど前までは、隠しリンクを利用すればSEOとしての効果が得られると考えられていました。

しかし現在ではGoogleガイドラインのペナルティ対象とされており、該当ページが検索結果に表示されなくなる可能性もあります。隠しリンクは意図していなかった場合でも、ペナルティの対象となるので注意してください。

隠しリンクの代表的な手法

隠しリンクの代表的な手法としては、下記の5つが挙げられます。

  • テキストのフォントサイズを切り替える
  • Webページの画面外に表示する
  • 小さな文字にリンクを貼る
  • テキストを画像の背後に配置して隠す
  • 背景色と同一化させる

ここではまず隠しリンクの代表的な手法について解説します。

大前提として、隠しリンクはスパム行為であり、絶対に行ってはいけません。

どのような方法で隠しリンクが設置されているのかを確認するとともに、自サイトが当てはまっていないかどうかも確認しましょう。

テキストのフォントサイズを切り替える

テキストのフォントサイズを切り替えて、隠しリンクを設定する手法が存在します。たとえばフォントサイズが0に設定してあれば、通常ユーザーがブラウザで閲覧している際にそこに文字が書かれていても気付くことはできません。

しかしユーザーには分からなくても、検索エンジンからは読み取れるようにフォントサイズを設定してあるのです。

更に詳しく解説すると、CSSで文字のサイズを「font-size: 0px;」とすれば、フォントサイズが0になるため視覚的に確認することはできません。

ですが実際にはその箇所にリンクが設定されていて、クローラーはそれを読み取れるという仕組みになっているのです。

Webページの画面外に表示する

次はWebページの画面外に表示する方法です。この場合はブラウザで確認できる外のエリアに隠しリンクが設置されているので、当該ページを閲覧してもリンクを表示することすらできません。

たとえばCSSの設定で「text-indent: -9999px;」などと記述すると、この状態を再現することができます。こちらもユーザーからは見えませんが、検索エンジンにはリンクを把握させることが可能なのです。

小さな文字にリンクを貼る

これはコンテンツ内の小さな1文字などにリンクを貼って、隠す手法です。たとえば「-」(ハイフン)や「.」(ピリオド)の部分にリンクを貼るといったやり方などが挙げられます。小さな文字なので、ユーザーが気付く可能性は極めて低いです。

テキストを画像の背後に配置して隠す

またリンクされているテキストを、画像の背後に配置して隠す方法もあります。この場合は画像の後ろにリンクが設定されているため、通常ブラウザでページを閲覧する時にはそこにリンクがあることは分かりません。

CSSのpositionやz-indexを使用すれば、それぞれの要素に奥行きを持たせることができます。これを利用して画像の後ろにテキストを設置するよう、隠しリンクを貼り付けるのです。

背景色と同一化させる

最後に背景色と同一化させる方法もご紹介します。こちらはWebページの背景色とリンクの文字色を同じものに設定する手法です。

たとえば白背景の中に白い文字でリンクが設定されているとしましょう。この場合ユーザーからはただの背景にしか見えないので、リンクがあるとは認識できません。具体的には、文字色と背景色をCSSの設定で同じ色に揃えます。

「color: #fff;」、「background-color; #fff;」などと設定すると、どちらも白色になるため文字色と背景色を同一化することが可能なのです。

このようにリンクを巧妙に隠しながら検索エンジンを惑わす手法は、様々なものがあるので注意しましょう。

隠しリンクの代表的な見つけ方

ここからは隠しリンクの代表的な見つけ方をご紹介します。

隠しリンクの主な見つけ方としては、下記の5つがあります。

  • Webページを全選択する
  • [TABキー]でリンクをチェックする
  • アドオンを利用してリンクの一覧を表示する
  • WebページのHTMLソースを確かめる
  • CSSファイルを確認する

Webページを全選択する

まず背景と同一化したリンクを見つける場合についてです。背景と同一化したリンクをチェックする際には、ページ全体を選択してみてください。

WindowsのPCならCtrl+A、MacならCommand+Aで実行可能です。全選択された領域は色が反転するので、背景と同一化したリンクも色が変わることで発見できます。

[TABキー]でリンクをチェックする

今度はキーボードのTABキーを使って隠しリンクを見つける場合です。試しにブラウザでWebページを開いてTABキーを押してみてください。TABキーを押せば、順番にリンクが貼ってある部分を移動していくのが分かるかと思います。

明らかに何らかのリンクだと分かる部分であれば問題はないのですが、もしかすると意図しない箇所に選択範囲が移動する場合もあります。。その場合は、その箇所が隠しリンクとして設定されている可能性が高いです。

アドオンを利用してリンクの一覧を表示する

次にアドオンを使ってリンクを一覧表示する場合です。アドオンとはGoogle Chromeでいう拡張機能のことを指します。Google Chromeのアドオンであるリンクゲッターを活用して、Webページ上にも載っていないリンクを見つけることが可能です。

まずGoogle Chromeにリンクゲッターを追加しましょう。拡張機能の管理からアイコンが常にURLバーの右に表示されるよう固定しておくと扱いやすいです。次に調べたいWebページを開いて、リンクゲッターのアイコンをクリックします。

そうすると、そのページに設置されているリンクの一覧画面が表示されます。リンクの一覧から不審なリンクがないかチェックしてみてください。

WebページのHTMLソースを確かめる

Webページを構成しているHTMLコードをチェックして、隠しリンクを確認するというやり方もあります。当該ページのHTMLファイルを持っていなくても、Web上からソースを開いて確かめることが可能です。

まず表示している画面にある空白の箇所を右クリックします。マウスではなくMacのタッチパッドを使用している場合は右クリックがやりにくいですが、Ctrlキーを押したままクリックすれば同じ動作となります。

空白の箇所で右クリックするとメニューが表示されるので、そこから「ページのソースを表示」という項目をクリックします。そうすることで、そのWebページのソースが表示されます。

たとえば背景と同一化されているリンクの場合だと、リンクそのものはHTMLのa要素(aタグ)を利用して作られていることが多いです。したがってHTMLソースを表示して<a href=”~”>といった記述を見れば、全ての隠しリンクを探し出すことができるでしょう。

CSSファイルを確認する

最後にWebページのCSSファイルを開いて、文字列を検索する方法をご紹介します。

HTMLのソースと同様に、CSSの内容を確認して隠しリンクの設定がないか探す必要があります。

まずGoogle ChromeでチェックしたいWebページを開きましょう。そして画面右上にあるアカウント名の右、縦に3点リーダーが並んでいる箇所をクリックします。メニューが表示されるので「その他のツール」という項目から「デベロッパーツール」をクリックしてください。

そうすると、画面の右側に現在開いているページを構成しているソースが表示されます。右下のスタイルの部分に表示されているのがCSSのコードです。フィルタの部分から任意のプロパティを検索することができます。

特にチェックしてもらいたいのが「z-index」「position」「text-indent」といったプロパティです。不審な点がないか、CSSファイルからもぜひ確認してみてください。

隠しリンクによるSEOへの影響【Googleペナルティ】

隠しリンクを放置しているままだと、Googleからペナルティを受けてしまう可能性があります。ペナルティには自動と手動があり、それぞれ確認方法や解除するやり方などが異なります。

最後にGoogleによるペナルティについて解説しますので、まずは自サイトがペナルティを受けていないかチェックしてみてください。

自動ペナルティ

自動ペナルティとはGoogleによって機械的にガイドラインの違反を判別して、ペナルティを課すというものです。これは放置しているうちに解除されるというものではありません。

ペナルティの内容としては、トップページの検索順位が一時的に落ちるといったものが挙げられます。手動ペナルティと比較すると軽い内容になりますが、原因がはっきりと分からないため解除するのに時間がかかりがちです。

自動ペナルティには明確な原因を確認する方法がありません。ただしある程度の推測を行うことはできます。

自動ペナルティを受けているかどうか確認するためには、アップデートによる影響について調べてみましょう。

アップデートされたタイミングでトラフィックが落ちているのなら、影響を受けている可能性が高いと判断できます。この自動ペナルティを解除するには、自動クローラーの巡回を待つしか方法はありません。

自動ペナルティを解除するためにドメインを移す方法もありますが、通常は違反箇所を修正することにより自動的にペナルティが解除されます。クローラーの巡回を促して、検索結果の変化をチェックしてみましょう。

手動ペナルティ

Googleのスタッフが各サイトを目視で確認し、人力で判定して与えるペナルティのことを手動ペナルティといいます。手動ペナルティは検索結果から除外されるなど、非常に厳しいペナルティになることがほとんどです。

手動ペナルティを受けてしまった場合、サイトを改善しGoogleの再審査を受けなければペナルティを解除されることはありません。特に隠しリンクはWebスパムの代表格とされていて、手動ペナルティの対象となる可能性が高いです。

しかしそもそもペナルティを受けたことが分からなければ、サイトの改善にもつながりませんよね。実はGoogleが公式で提供しているサーチコンソールは、サイトが手動ペナルティを受けた場合に通知する機能を持っています。

通知には手動ペナルティの対象とされた部分と、その違反内容が記述されます。サイトの改善が終わったら、Googleに再審査リクエストを送りましょう。そして再審査リクエストが受諾されれば、一定期間後にペナルティが解除されます。

まとめ

隠しリンクは以前のようなSEOへの効果を得ることはできず、反対にペナルティの対象にもなりかねません。

ただし隠しリンクは仕組みさえ知っていれば容易に見つけることも可能です。自サイトに隠しリンクがないか定期的にチェックしましょう。

ヒトノテロゴ

執筆者:山本卓真

株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。中小企業から大企業まで様々な規模、業種のサイトのSEOに携わる。WEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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