SEO 公開日: 2022.01.14 更新日: 2024.03.18

SEOにおけるYMYLとは?該当ジャンル・領域や気をつけるポイントを解説

Googleは、「検索ユーザーに良質な情報を提供することを評価する」と宣言しています。年に複数回実施されるアルゴリズムアップデートでも、その傾向は高まっています。

そしてGoogleは、「YMYL」と呼ばれるジャンル・領域のコンテンツに特に注意を払っています。YMYLは、金融や住宅、医療、進路選択など、人の人生を左右する可能性の高いジャンルのことです。YMYLのジャンルは、信頼性や権威性、専門性が非常に重要です。誤った情報を掲載していると、ペナルティを受けることもあります。

本記事では、Googleなどの検索エンジンで重要になってくるYMYLの定義や該当ジャンル・領域、対策すべきことを解説します。

YMYLとは

YMYLとは、「Your Money Your Life」の略で、Googleが定めた検索の評価基準である「検索品質評価ガイドライン」の項目の1つに定められています。

YMYLに定められているジャンルは、人の将来的な幸福や健康、金融にまつわる情報のことを指し、誤った情報を発信すると、利用者の生活に対して悪影響を与える可能性があるため、厳しい評価基準を定めています。 Googleからの評価が下がってしまうと、検索結果上位に表示されにくくなります。

YMYLのジャンル・領域

YMYLに定められている分野は、他の分野より基準が厳しく定められているため、これから紹介するYMYLに該当するジャンルを扱おうとしている方は特に気をつけるようにしましょう。

金融情報

お金に関する情報を扱う金融情報のページはYMYLに当てはまる分野の一つです。

誤った金融情報を発信することで、その内容を閲覧した人がお金や資産を失う可能性があるため、YMYLのジャンルに定められています。 クレジットカードや保険などの情報もお金に関係しており、YMYLに該当するため、正しい情報であるかを確認するようにしましょう。

医療情報

健康や薬、精神疾患、特殊な病気などの医療に関する分野もYMYLに当てはまります。

誤った医療情報を信じてしまうと、健康に悪影響を起こす可能性があります。 科学的根拠のない不確かな情報を流さないように気をつけましょう。

法律情報

法律についての間違った情報を信じてしまうことで、裁判などになった際に不利になったり、思ったような判決になったりする可能性があるため、YMYLに当てはまるジャンルとなっています。離婚や親権、遺言書の作成、市民権の取得などに関する情報が含まれる法律の分野もYMYLに当てはまります。 法律は生活する上で重要な情報であるため、正しい情報だと確認してから情報を発信するようにしましょう。

政治や行政、選挙、市政などに関する情報

政治や法律の制定、行政、社会、災害時の対応などの市政・公民に関する情報(ニュース記事)もYMYLに当てはまります。 近年フェイクニュースが問題になっていますが、自身の記事がこれにならないように、取り上げる際は情報の真偽について気を付けるようにしましょう。

ショッピングやオンライン決済ができるサイト

WEBサイトから商品を購入して決済できるサイトや、サービスなどをオンライン決済できるサイトがこれに該当します。決済は金銭取引が発生しますので、YMYLに留意しましょう。

人種や宗教などの情報

人種や宗教などの情報を取り扱っているサイトなどもYMYLに該当します。

近年、人種差別や宗教による差別が問題になっており、利用者自体がとても敏感になっているセンシティブな分野です。 人種や宗教、それぞれの文化などについて正しい情報と誤った表現を使わないように気を付けましょう。

その他

YMYLに当てはまるジャンルは他にもあり、フィットネスや栄養、住居、大学、就職に関する情報などが当てはまります。 人の人生に影響を与えるような重要な情報を発信する際は、発信する情報に責任を持ち、正しい情報であるか確認するようにしましょう。

YMYLが導入された背景

YMYLが導入された背景としては、Googleが利用者に正しい情報を伝えることを基本指針として重視しているからです。

SEOの歴史をさかのぼると、過去にはアルゴリズムの特性を悪用して上位表示させ、不確かな情報を発信する悪質なサイトが存在しました。 ユーザーが誤った情報を信じることでお金を失ったり、健康に悪影響を与えてしまったりする危険性があるため、GoogleがYMYL分野を厳格に審査するようガイドラインを設けたのです。

2017年には健康アップデートとよばれる、医療や健康に関連する情報を精査するためのアップデートが実施されました。

健康アップデートは日本語検索のみに適応されるという異例のアップデートとなりました。 これは、WELQ問題に端を発して、キュレーションサイトやアフィリエイトサイトが事実関係のない不確かな情報を大量生成することで検索上位表示させるSEO手法が横行していたためです。そのような手法を防ぐために取られたアップデートでした。

このような問題に対してGoogleは、誤った情報や信憑性の低い情報を世の中に発信しないために、健康やお金などに関わる大切なジャンルの情報を検索品質ガイドラインの一部に設定しました。 これにより、信憑性の高いコンテンツが検索上位を取り、信憑性の低いコンテンツは検索結果に表示されにくくなったため、利用者が安心して利用することができるようになりました。

>>>Googleのコアアルゴリズムアップデートについては、以下の記事で詳しく解説しています。
Googleのコアアルゴリズムアップデートに対する理解を深めて、検索順位を上げよう!

YMYLではE-E-A-Tを意識することが重要

YMYLは一般的なSEOより厳格な評価基準が定められており、YMYLを考慮した対策を取る必要があります。ここからは、YMYL分野における対策についてご説明します。

YMYLでは、E-E-A-Tを重視する傾向があり、ページ品質評価において非常に重要になると「検索品質評価者向けガイドライン」に書かれています。 ページ品質評価の重要項目と言われているE-E-A-Tを理解し、コンテンツ作成に取り入れることで、YMYL分野で評価されやすくなります。

E-E-A-Tとは、以下の頭文字を組み合わせたものです。

・E:Experience(経験・体験)
・E:Expertise(専門性)
・A:Authoritativeness(権威性)
・T:Trustworthiness(信頼性)

Experience(経験・体験)

経験・体験は、コンテンツの独自性に関わる要素です。筆者が実際に体験したことを盛り込むと、「この記事でしか得られない情報が掲載されている」「ユーザーに有益な情報が掲載されている」と、検索エンジンに評価される傾向にあります。

Expertise(専門性)

専門性は特定のテーマにおいてWebサイトが特化しているかという評価基準です。専門性を高めるためには、Webサイトで特定のテーマにフォーカスして詳しい情報を発信するように心がけましょう。

Authoritativeness(権威性)

権威性は、そのWebサイトに権威があるのかどうかを示す指標となります。コンテンツの書き手に対する評価であり、情報を発信している人や団体、企業など「誰が言っているのか」を重視するものです。 SEOで高い評価を得るためにも、誰が言ったのかが重要になるため、著者や監修者の肩書や有資格情報、経歴など充実させましょう。

Trustworthiness(信頼性)

信頼性は、Webサイトに訪れるユーザーが、そこに掲載されている情報を信頼できるかどうかを示す指標です。
Webサイトを運営している企業や団体、執筆しているライター情報など、Webサイトに掲載されている情報を誰が作成しているのかを明記して おくことで、信頼性を高められるでしょう。また、取り扱っている情報が新しい情報なのか、少し古い情報なのかの情報の鮮度も信頼性に影響するため、古い情報が掲載されている場合は、積極的に新しい情報に更新することで、信頼性を高めることができます。

>>>E-A-Tについては、以下の記事で詳しく解説しています。
E-E-A-Tとは?GoogleがE-A-Tに変わる検索品質評価ガイドラインを更新

YMYLの対策事項

ここからは、YMYLで対策すべき事項を紹介します。

情報のエビデンスにこだわる

信頼性の高い情報発信をするためには、情報やデータのエビデンスにこだわる必要があります。
YMYLに当てはまる分野の情報を発信する際には、どこからのデータを参照したものなのか、信頼できるエビデンス元なのかを明確にし、信頼性を高めましょう。

監修、著者を専門家にする

誰が発信しているデータなのかを明確にし、著者のプロフィールや資格情報、実績などの著者が信頼できる人物であるということを示しましょう。監修者・著者のプロフィールを充実させることで信頼性や権威性が高まります。
YMYLのジャンルは専門的な分野であるため、監修者・著者をその分野の専門家にすることが重要です。

情報の正しさにこだわる

誤った情報を発信することで利用者の健康に悪影響が及ぶ、お金を失うリスクがでてくる可能性があるため、正しい情報を発信することに拘りましょう。

少しでも曖昧だと思う情報は発信しないようにし、参考にする資料は得体のしれないものではなく、公的機関や信用のある機関などから情報・知識を得ることが大切です。 古いデータや間違った解釈をしてしまうような表現には気を付け、正しい情報を分かりやすく伝えるようにしましょう。

コンテンツのオリジナリティ

YMYL以外のSEO観点においても、オリジナルのコンテンツを掲載することはとても大切です。競合と似たようなコンテンツだと検索上位を取ることは難しくなります。情報の正しさにこだわりすぎてコピペのような記事になってしまうと、ページの評価を下げる恐れもあります。コンテンツのオリジナリティを出しながら、正しい情報を載せることが大事です。

情報の整合性に気をつける

情報に整合性がないと利用者の信頼が得られず、本当に正しい知識なのか疑問に思われてしまいます。
例えば、フィットネスや栄養などは色々な説があり、専門家によっても重視していることが違うため、前半では正しいと言っていたことを後半で否定しているということにならないようにしましょう。

検索ニーズに対する情報を掲載する

コンテンツ作成時に利用者がどのような意図で検索するのかを考え、検索ニーズに対してアンサーとなる情報を掲載するようにしましょう。
検索上位を取ることができても、求めていた情報でなければ閲覧者の離脱につながり、結果的にサイトの評価を毀損します。利用者目線でコンテンツを作成することが重要です。

運営者情報を充実させる

サイト自体の情報を充実させることも大切です。監修者だけではなくサイト運営者の情報も充実させ、信用できるサイトであることをアピールしましょう。

良い評判、レビューを得る

E-A-TのTrustworthinessに当てはまる信頼性を得るために、他者から良い評判、レビューを得る必要があります。良い評価を得るために、正確で質の高いコンテンツを作りましょう。

サイトに専門性を持たせる

E-A-TのExpertiseにあてはまる専門性を高めるためには、できるだけ特定のテーマに特化したサイトにしましょう。幅広いテーマを扱うのではなく、一つのテーマに関して多くの情報を扱うことで、サイトに専門性を持たせることが可能です。

まとめ

本記事では、YMYLが該当するジャンルや導入された背景、対策すべきことについて解説しました。
YMYLジャンルに該当するサイトを運営する場合、YMYLに関する知識・考え方を持っておくことは重要です。
SEOで結果を出したい方やYMYLについて詳しく知りたい方などは、ぜひヒトノテに相談ください。

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