コンテンツマーケティング 公開日: 2020.11.21 更新日: 2021.10.06

コンテンツマーケティングの4つのメリットと知っておきたい注意点を解説!

企業のマーケティング担当者やWebサイト・メディア運営に興味のある方であれば「コンテンツマーケティング」という言葉はご存知でしょう。

しかし、実際にコンテンツマーケティングを行う上でもっとも重要な

  • コンテンツマーケティングを行う目的
  • コンテンツマーケティングのメリット
  • コンテンツマーケティングを行う際に注意すべきポイント

を聞かれたとき、答えることができるでしょうか。

この記事では、コンテンツマーケティングに興味がある方、自社でコンテンツマーケティングの導入を考えている企業のマーケティング担当者の方に向けて、コンテンツマーケティングを始めるべき理由や導入のメリット、コンテンツマーケティングを導入する際に注意すべき点について解説します。

今コンテンツマーケティングを始めるべき理由

「コンテンツマーケティング」という言葉は、2014年の後半ごろからインターネット・SNS等で浸透しはじめました。マーケティング手法としては一般的なものですが、なぜ今コンテンツマーケティングを始めるべきなのでしょうか。

消費者は広告に疲れている

日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が2019年に行った「インターネット広告に関するユーザー意識調査」において、消費者の「広告への意識」について報告されています。同調査によると、ネット広告は、そのほかのメディアと比較してネガティブなイメージが強い傾向にあるとされています。

そのなかでも、とくにリターゲティング広告やプッシュ型の広告など「繰り返し表示される広告」が嫌われており、これがネット広告の評価を下げる原因となっています。普段の行動を振り返ってみても、ネット記事に挿しこまれている興味のない広告や関連性のない広告はスルーしている、という方は多いのではないでしょうか。

この調査では広告の価値自体は認められているものの、多くの消費者が共感を示していると報告されており、いずれにしても従来型の広告手法には限界がきていることがわかります。

Googleはコンテンツの質を重視するように

Googleの検索結果上位に表示される要因はさまざまありますが、近年、Googleは「コンテンツの質」を特に重視しています。このことは、Googleの「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」に記載されています。

以下は、コンテンツの作成方法についてのGoogleの基本方針です。

  • 検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
  • ユーザーをだますようなことをしない。
  • 検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為をしない。ランクを競っているサイトや Google 社員に対して自分が行った対策を説明するときに、やましい点がないかどうかが判断の目安です。その他にも、ユーザーにとって役立つかどうか、検索エンジンがなくても同じことをするかどうか、などのポイントを確認してみてください。
  • どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトと言えるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。

ウェブマスター向けガイドライン|Search Console ヘルプより引用

Googleの基本方針から考えても、これからはコンテンツマーケティングに力を入れ、ユーザーにとって役立つ情報を発信していくことが重要です。

コンテンツマーケティングは少ない費用で始められる

リスティング広告やディスプレイ広告など、Webで広告を配信する場合は、基本的に掲載先のメディアに支払う「広告費」が発生します。テレビCMなどと比べると安い金額で配信することができますが、成果を出すまでに数十万円以上の広告費を、何か月にも渡って支払うこともあります。

一方コンテンツマーケティングの場合、PCとネット回線があれば今すぐ始めることができ、かかる費用も人件費と通信費・サーバー代程度です。ただし、効果が見え始めるまでに時間がかかります。

時間がかかることを見据えても、できるだけ早くに成果を出せるよう、今コンテンツマーケティングを始めるべきなのです。

コンテンツマーケティングを行うメリット

ここからは、コンテンツマーケティングを行うメリットについてみていきましょう。

コンテンツが資産として残り続け、蓄積される

コンテンツマーケティングの最大のメリット・魅力は、制作したコンテンツ(記事など)が「資産」として残り続けることです。

リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告を出稿する場合、短期間で効果を得られるというメリットがある反面、広告の配信を中断してしまうと、自社サイトへのアクセスユーザー数は途端に減少します。

これはつまり、マーケティングを続けたいのであれば「Web広告にお金を払い続ける必要がある」ということです。

コンテンツマーケティングでは、一度作ったコンテンツはWeb上に残り続けます。もしGoogleなどの検索エンジンで上位表示できていれば、ほとんどコストをかけずに自社サイトにユーザーを集められる可能性があります。

もちろん検索順位が下がるとアクセス数は減少しますが、作成したコンテンツがユーザーにとって有益なものであれば、簡単なメンテナンスだけで半永久的にアクセスを維持することができるでしょう。

潜在層にもアプローチできる

コンテンツマーケティングの2つ目のメリットは、まだ自社サービス・商品の顧客になっていない「潜在層」と呼ばれる人たちにもアプローチしやすいことです。

マーケティング担当者ではない方のために少し整理しておくと、マーケティングでは購入意向(どれくらい購入意欲があるか)によって、顧客をいくつかのグループに分類します。一般的には、顕在層、準顕在層、潜在層の3つです。

  • 顕在層…商品・サービスのことを知っていて、競合他社も含めて検討段階にいる。商品・サービスを「すぐにでも買う」可能性がある。
  • 準潜在層…ニーズはマッチしているけれど、商品・サービスを知らない、検討に入っていない。
  • 潜在層…まだ商品・サービスを知らない。ニーズもマッチするかどうかわからない。

潜在層は、商品・サービスのことを全く知らないため、自社の商品やサービスを「認知」してもらう必要があります。そのためには、自社の商品やサービスに関する詳細な情報を届けることができるコンテンツマーケティングが有効です。コンテンツマーケティングを行い、潜在層の顧客に自社のWebサイトに訪問してもらうことで、はじめて自社の商品を認知してもらえます。

最初は、自社の商品・サービスのことを知らない顧客だとしても、その人が抱えている課題に対する有効な解決案を記したコンテンツを届けることで、サービスの購入や商品購入につなげられる可能性があります。また、会員登録や資料請求などでユーザーの情報を集めることも可能なので、さらなるアプローチも検討できます。

このように、コンテンツマーケティングは潜在層に対して効果的なアプローチができるので、中長期的にみて自社ビジネスに大きなメリットをもたらす可能性が高いと言えます。

ブランド力の向上、ファンの獲得につながる

ユーザーにとって役立つコンテンツを制作し、発信を続けることで、ユーザーからの信頼が蓄積し、自社のブランド力の向上やファン獲得につながります。

例えば、A社のマーケティング担当者がWebやSNSなどから、あなたが運営するWebサイトにたどり着いたとします。そこで、ニーズを満たした有益な情報を届けることができれば「〇〇社のサイトなら良い情報が得られる」と信頼され、ファン獲得につながることでしょう。

このようにコンテンツマーケティングを行い、ユーザーにとって役立つ情報を届けることで、自社のブランド力の向上やファン獲得につなげることができるのです。

自然に情報が拡散されるのを期待できる

コンテンツマーケティングはSNSとの相性が良く、作成したコンテンツが自然に拡散されるのを期待できます。

皆さんも経験があるかもしれませんが、TwitterやFacebookなどのSNSを使っていて、「お、これ面白いな」「興味深いな」と思ったコンテンツは、リツイートやシェアをすることがあるでしょう。

コンテンツマーケティングに取り組み、質の高いコンテンツを発信することで、多くの人へのリーチと莫大なエンゲージメントの獲得を望むことができます。

導入前に知っておきたいコンテンツマーケティングの注意点

コンテンツマーケティングには様々なメリットがある一方で、導入する際にはいくつか注意しておきたいことがあります。ここでは、コンテンツマーケティングを導入する際の注意点を解説します。

成果が出るまでには時間がかかる

繰り返しになりますが、コンテンツマーケティングは即効性のあるWeb広告と異なり、成果が出るまでに時間がかかります。

例えば、コンテンツを作成しはじめてから一定のアクセスを得るまでは、3ヶ月から半年、場合によっては1年以上かかる場合もあるでしょう。また、安定したアクセスを集めることができたとしても、それが自社ビジネスの成果に繋がるまでは、さらに多くの時間がかかるケースがほとんどです。

このようにコンテンツマーケティングでは、

  • コンテンツを発信し始めてから、一定のアクセスを得るまで
  • 一定のアクセスが得られてから、それがビジネスの成果に繋がるまで

この両方に時間がかかるのです。

コンテンツマーケティングを導入する際、特にマーケティング担当者と経営者はこのことを理解しておきましょう。半年〜1年くらいの中長期目線で腰を据えて取り組むことをおすすめします。

継続的な発信が欠かせない

コンテンツマーケティングは「コンテンツを制作して配信すれば終わり」ではありません。継続的なコンテンツの作成と、過去に配信したコンテンツの改善が必要になります。

ユーザーは日々情報に触れており、SNSや検索画面で一度みた程度の情報はすぐに忘れてしまいます。

そのため、コンテンツマーケティングを行う際は、ターゲットユーザーに向けた継続的なコンテンツ発信によって「忘れられないようにする」もしくは「思い出してもらえるようにする」ことが非常に重要です。

継続的な発信のためには、マーケティング担当者1人だけでは荷が重い場面が多々あります。そのため、コンテンツ制作を滞りなく続けられるように社内の体制を整える必要があるでしょう。

質の高いコンテンツの制作は思ったより大変

コンテンツマーケティングのキモは「質の高いコンテンツ」を作り続けることです。ここでいう「質の高いコンテンツ」とは、ユーザーの課題を解決でき、なおかつ、GoogleやYahooなども検索エンジンにも評価されるコンテンツのことです。

コンテンツマーケティングで成功しようする場合は、当然、競合メディアが提供するコンテンツよりも、ユーザーにとって役に立つコンテンツを作成する必要があります。そのためには、テーマに関する日々の情報収集やマーケティングに関する最新動向のウォッチなど、やるべきことがたくさんあります。

「ユーザーの課題を解決でき、なおかつ、GoogleやYahooなども検索エンジンにも評価されるコンテンツ」を作り続けることは、予想以上にノウハウや経験が必要となります。

効果測定が難しい

コンテンツマーケティングは、CMなどの従来型のマーケティングに比べ、オンラインでアクセス数などの情報を手に入れやすいため効果測定は簡単に思えます。しかし実際には、目安にできる指標はあるものの、必ずしもそれが自社ビジネスの売上や問い合わせに直結するわけではありません。効果測定にも知識やノウハウが必要となるので、習得していくにも時間を要するでしょう。

コンテンツマーケティングは、コンテンツを通じてユーザーとコミュニケーションをとることで、集客やファン獲得へとつなげていく施策です。

そのため、商品・サービスに関する良質な情報を発信してユーザーが集まったとしても、すぐにビジネスとしての成果や売上に繋がるとは限りません。コンテンツマーケティングに取り組む場合は、この点にも注意しておきましょう。

まとめ

この記事では、企業のマーケティング担当者やWebサイト・メディア運営に興味のある方に向けて、コンテンツマーケティングのメリットや導入時の注意点を解説しました。

近年はWeb・ネット広告にネガティブな反応を示すユーザーが増え、従来型のマーケティング手法では思うような効果を上げられない可能性があることはお伝えした通りです。

当然、他のマーケティング手法と同様に、コンテンツマーケティングにも良い面と悪い面があります。コンテンツマーケティングを導入される場合は、メリット・デメリットを把握した上で取り組むようにしましょう。

自社のノウハウだけだと厳しいという場合は、Webコンサルタントなど専門家の助けを借りるのもおすすめです。

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執筆者:ヒトノート編集部

株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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