オウンドメディアの作り方を4ステップに分けて徹底解説!

オウンドメディアとは、企業がユーザーに向けて配信する自社メディアのことです。新聞、雑誌、WEBサイト、ブログなど媒体は問いません。オウンドメディアを作成する企業は、年々増えつつあります。
この記事ではWEBサイトや自社ブログでオウンドメディアを運用する際、作りで押さえるべきポイントを4つのステップに分けて解説していきます。
制作前から考えておかないといけないことや、オウンドメディアを成功させるために必要なことをわかりやすくまとめているので、オウンドメディアを作りたいと考えている方は参考にしてください。
この記事の目次
オウンドメディアの作り方【ステップ1:事前準備】
オウンドメディアを作る際は、事前準備が成功の鍵を握るといっても過言ではありません。ここでは、絶対に押さえておきたい重要な3つの事前準備を紹介します。
オウンドメディアの目的を決める
目的が明確でないと、求められていない不要なコンテンツを量産してしまいかねません。
例えば「認知を広げる」が目的なら、目的に到達できない理由を考えてみてください。キーワードの選定が甘く、アクセスの流入が少ないものを使用してはいないでしょうか。どのようなキーワードであれば流入が多くなるのか、「認知を広げる」ためのキーワードを入れているのかを、よく考えてみる必要があるでしょう。
目的を複数設置するオウンドメディアもありますが、その場合は優先度を決めましょう。例えば、「認知を広げる」「販売促進」「既存顧客の囲い込み」を目的に設置した場合、どの目的を最優先にするべきかを設定しておきます。
複数の効果を狙うのは悪くはありませんが、コンセプトがはっきりしなくなってはキーワードが多くなりすぎて結局上位が取れなくなってしまいます。意図から外れたサイトを作成しないためにも、優先するべき目的を間違えないようにしてください。
最初に目的をしっかり決めておくことで、よりはっきりとした特色あるコンテンツを作れるでしょう。
詳しくオウンドメディアの目的の決め方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
オウンドメディアの目的と役割とは?成功事例・運用事例もご紹介
オウンドメディアの目標を決める
目標と目的は似ていますが、似て非なるものです。目的は最終的なゴールであるのに対し、目標は目的を達成するための過程で必要な短期的な指標となります。
目標を決める際は、中間目標と最終目標が必要です。最終的な目標だけを決めてしまうと、途中でどの程度進んでいるのかがわからなくなってしまうためできているのかを確認することが大切です。
例えば、目的を達成するために作成するオウンドメディアのコンテンツはどれくらい必要なのか、いつまでに何本コンテンツを作成するのかなど決めておくことで、メリハリをつけて記事を作成できるでしょう。
ターゲットを決める
コンテンツは、同じ内容でもどの世代や性別をターゲットにするかによって異なります。年齢や性別・職業・家族構成などを明確にしておくことで、より正確に顧客が求めている情報を提供できます。
例えば、似たような商品に関する情報であっても20代の男性と40代の女性が求めているコンテンツが異なることはイメージができるのではないでしょうか。そのため、どのターゲット層に向けて発信したい情報であるのかを明確にしておく必要があります。
また、サイトのデザインもターゲットを意識したいところです。 かわいらしいデザインがいいのか、シンプルなデザインがいいのかなど、ターゲットが求めているデザインにすることが大切です。
よりユーザーに求められるサイトを構築するためには、どのようなコンテンツがターゲット層から求められているのかを把握しておく必要があります。
自社運用か外注するかを決める
オウンドメディアを作るときには、自社運用か外注するかを決める必要があります。自社運用と外注について、それぞれのメリット・デメリットを交えながら解説します。
自社運用のメリットは、コストがかからない点です。自社の社員が作るため、初期費用も必要ありません。また、1から自社で作ることによって、自社にオウンドメディア作成のノウハウがたまるのも、メリットといえるでしょう。
反対に自社運用のデメリットとしては、作成する社員がプロではないため、クオリティが低くなる可能性があるという点です。あまりコストをかけずに作りたい、自社で運営できるリソースを持っている会社はおすすめです。
外注のメリットは、プロが作るためクオリティが高いという点です。また、自社のリソースに頼らなくてもいい、運営を任せられる、短時間で多くの記事が量産できるというメリットもあります。
もちろん、外注にもメリットばかりでなくデメリットもあります。デメリットとしては、良い業者を探す必要があることやコストがかかることなどです。業者によってはクオリティが低いのに追加でどんどん料金が請求されることもあるため、選ぶときには注意が必要です。
メリット | デメリット | おすすめ | |
自社運用 | ・コストがかからない・初期費用をかけずに始められる・自社にノウハウがたまる | ・クオリティが低くなる可能性がある・運営が大変 | ・あまりコストをかけずに作りたい会社・自社で運用できるリソースを持っている会社 |
外注 | ・クオリティが高い・自社のリソースに頼らなくていい・プロに運営を任せられる・短期間で多くの記事が量産できる | ・良い業者を探す必要がある・コストがかかる | ・クオリティが高くて成果が出るオウンドメディアを作りたい会社・自社にWEBの専門家がいない、人員が足りない会社 |
記事制作代行会社の選び方はこちらの記事で解説しています。
記事制作、どう進める?代行会社の選び方、選定のポイントまで徹底解説
オウンドメディアの作り方【ステップ2:サイト制作】
オウンドメディアでの目的や目標、ターゲットが決まったら、サイト制作に移っていきます。ここでは、サイト制作において重要なポイントを紹介します。
サーバー・ドメインを決める
サイトを制作するにあたっては、サーバーとドメインの準備をする必要があります。ホームページなどを持っている場合は、同じドメインでオウンドメディアを立ち上げるのか、別ドメインとして立ち上げるのかを決めなければなりません。
すでに独自ドメインを利用してホームページを持っている場合は、素早く取得できるサブドメインで立ち上げるのがおすすめです。
また、サーバーには自社サーバーやレンタルサーバー、クラウドサーバーなどがあります。ほかのユーザーと共有することになるレンタルサーバーよりも、ユーザーごとに専用サーバーを構築できるクラウドサーバーがおすすめです。短いスパンでPV数が増減しやすいため、容量や必要な機能を素早く柔軟に変更できるものにするといいでしょう。
CMSを決める
サイトを制作するにあたって、CMSを決めることも重要です。CMSを導入していれば、専門知識がなくても簡単にコンテンツを追加、修正、更新できます。データを一元管理できるため、自社でサイトを運用する場合は導入をおすすめします。
CMSの代表的な機能としては、ページの作成機能、サイトの更新・管理機能、カスタマイズ機能などがあります。そのため、CMSを導入しているだけで、自社運用によるデメリットの多くは解消されるでしょう。
また、複数担当者による管理がしやすいのも、CMSの魅力です。一般的には「WordPress」が主流ですが、自社にエンジニアがいたり、外注したりする場合は、独自のCMSを構築することもできるでしょう。
CMSについての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
CMSとは?導入前に知りたいメリット、注意点を解説!
サイト構造を考える
サイトの構造は、より多くのユーザーに見てもらうためにもしっかり考えなくてはなりません。サイトの構造を考えることは、サイトの骨格を作り上げるようなものです。
サイトの構造がしっかりしているとSEOの内部対策にもなり、より検索エンジンから評価されやすくなります。また、カテゴリをまとめて同じ層に置くことで、ユーザーを誘導しやすくなるという利点があります。同じカテゴリの記事が増えていったときに、専門性が高く、ユーザーから必要とされるサイトの構築ができます。
サイト構造を考えるうえで、留意したいポイントがいくつかあります。
・サイトマップを作る
・カテゴリーを決めて整理する
・階層ごとにディレクトリを整理する
階層が多ければ整理がつかなくなってしまうため、うまくサイトマップを活用してどこにどのような階層を用意しているのかを確認しておくことが大切です。
また、カテゴリー整理をすることで、先ほども述べたとおり専門性も高くなります。そのうえ、どういうサイトかを検索エンジンに理解してもらえやすくなります。
ディレクトリはサイトの階層ごとに作成し、より管理しやすくするといいでしょう。
サイト構造を考えるときには、ユーザーの動きも意識する必要があります。ユーザーがどこから訪れて、どのページを見たいのかを考えて構成しなければなりません。
また、あまり階層を深くしてしまうと、ユーザーが目的のページにたどり着くまでに時間がかかってしまいます。その結果、必要な情報を得られずに去っていくという可能性もあるため、あまり深すぎないようにするのがおすすめです。
サイト構造について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
クローラビリティとは?SEOの基本であるクローラビリティの解説
導線を設計する
サイトの作成で重要なのは、ユーザーが移動する動き、いわゆる導線設計です。特にトップページには、ユーザーが必要なページを見られるようにするために、各記事や下層ページに一気に行けるようなリンクを設置しておくのがおすすめです。
読みたい記事だけを求めているユーザーも多いため、必要な情報を素早く提供できる導線の作成は必須といえるでしょう。
そのため、ユーザーがサイト内を回遊しやすくなる導線作りをしたり、CTAボタン(コンバージョンページへのボタン)を設置し、ユーザーに訪問してもらいたいページへの導線作りを考えたりしましょう。ユーザーが訪問したいページまでの導線が遠ければ、目的の情報を得る前に離脱されてしまうことも考えられるからです。
オウンドメディアで失敗している場合の多くは、この「導線作り」が上手くできていません。そのため、読んでもらいたいコンテンツまでユーザーがたどり着けないといった現象が起こってしまいます。
無理なくリンクをつなげてうまく導線を作れば、読みたい記事だけでなくそこから興味を惹かれて別の記事へ回遊してくれるユーザーも増えます。
訪問してきたユーザーに多くのページを見てもらい、簡単に離脱されないように、導線作りもしっかりと行っていきましょう。SEOの観点から見ても、ユーザーにはサイトを訪問した際に下層ページまでたどってもらう必要があります。
より詳しいオウンドメディアの設計方法やポイントは以下の記事で解説しています。
オウンドメディアを設計するポイントまとめ|重要ポイントを抑えよう
サイトを構築する
サーバー・ドメインを取得し、サイトの構造や導線が設計できたら、サイトを構築していきます。自社でサイトを構築する場合には、ツールを使って作るのがおすすめです。自社内にプログラマーやWEBデザイナーがいるか新しく雇用するならツールは必要ないでしょう。
しかし、そうでなければ専門知識がなくてもそれなりに形にできるツールを使うのが便利です。ただし、ツールはデザインなどで融通が利きにくいのが、デメリットといえます。カスタマイズもしづらいため、思い通りのサイトが制作できない可能性もあります。新しく技術者を雇うのであれば、コストはかかるものの高度な技術や専門知識で希望通りのデザインやサイトを構築してもらえます。
サイト構築を外注するのであれば、どのような業者を選ぶのかが重要です。信頼と実績のある専門の企業に依頼するのか、クラウドソーシングでライターに依頼するのかを選びましょう。
専門の業者に依頼するとそれなりにコストはかかるものの、納期は守ってもらえるうえにクオリティも高いオウンドメディアができるでしょう。一方で、クラウドソーシングの場合はコストは安いものの、納期の遅れやクオリティが低いといったリスクがあります。オウンドメディアとして、入れたい要素がすべて入っているとも限りません。外注で依頼するのであれば、オウンドメディアの製作実績があるところを選ぶようにしましょう。
以上のことを踏まえて、ターゲットに合ったデザインでサイトを作っていきましょう。
オウンドメディアの構築手順は以下の記事で詳しく解説しています。
オウンドメディアの概念から構築手順まで一挙に解説!
オウンドメディアの作り方【ステップ3:記事制作】
オウンドメディアのサイトの立ち上げが終わったら、中身のコンテンツ、つまり記事を作成していきます。
キーワード設計
集客するにあたって重要なことは、当然コンテンツの充実です。しかし、キーワードの設計も忘れてはいけません。SEOとは、いわゆる検索エンジンの最適化であり、うまくキーワードを設定することで検索結果の上位に反映させることができます。
そのため、どのキーワードを狙って記事を作っていくかが重要です。キーワードの選定によっては、アクセス数が変わったり、ユーザーのアクティブ率が変わったりします。ユーザーが求めている、検索してもらいやすいキーワードを設定しましょう。
また、目標やターゲットに沿って、訪問してほしいユーザーはどんな人なのかを考え、キーワード設計をしていく必要があります。
キーワード設計で失敗しがちなのが、キーワードボリュームやクエリの特性などを考えずに「なんとなく」キーワードを決めてしまうことです。
適当にキーワードを決めてしまうと、検索しているユーザーの意図とずれてしまいます。また、1つの記事に異なるキーワードを複数詰め込むのも良くありません。ユーザーが何を求めているのかを把握し、ニーズに合ったコンテンツを提供することが求められているからです。
キーワード設計をしっかりと行うことで、SEOでの成功確率が変わります。
SEOが失敗すれば記事が検索の上位に表示されず、ユーザーをサイトへ呼び込むことができません。実際に記事を書いていく前に、どういうキーワードを狙っていくかを考えてコンテンツ作りを行いましょう。
より詳しく記事構成の作り方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンテンツマーケティングを成功させるSEOに効果的なキーワード選定とは
記事構成を作成する
記事構成を作成する際には、上記で設計したキーワードの中から対策するメインのキーワードを1つ決めます。記事構成とは記事の骨組みのようなもので、キーワードに合った構成を考えなくてはなりません。
記事を作成する前に、対策キーワードをGoogle検索にかけてみてください。そうすることで、検索結果で上位を獲得している競合サイトを確認することができます。
上位記事に共通して言及されている内容やそこから見えてくるユーザーの検索意図を分析しながら、「独自に付け加えられる内容」を検討し、記事に盛り込む内容と要素をざっと洗い出していきましょう。
記事に盛り込む要素が決まれば、それらをどう組み合わせるかを考えていきます。
それぞれの要素をどこまで詳しく解説するか、どの要素が最も伝えたいことなのかなどを考え、順番を決めていきましょう。順番が整理されていなければユーザーに読みにくいと感じてしまい、最後まで読んでもらうことができません。
「ユーザーが記事を読んだあとに取ってほしい行動」まで考え、しっかりと順序立てができれば、より読みやすく効果的なコンテンツに仕上がります。
記事の順序が決まったら、見出しを設定していきましょう。
「1つの見出しに1つのメッセージ」を意識し、要素の大小や並列関係を考えながら見出しの大小を決めることで、よりわかりやすい記事の構成ができあがります。最後に記事のタイトルを決めれば記事構成の作成は完了です。
より詳しく記事構成の作り方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
記事構成の作成方法とは?基本の手順と“コツ”を解説!
記事を執筆する
記事構成が完成したら、実際に記事の執筆を行なっていきます。
文章のトンマナ、単語の表記ルールや使用禁止の単語、参考情報や出典の記載方法などをあらかじめ決めておき、その規定(レギュレーション)に沿って執筆を行うとコンテンツの質が安定します。
多くの記事が必要となるため、担当者がすべて作成するというわけにはいきません。そのため、量産するにはどうしても外部ライターに発注する必要が出てきます。一度レギュレーションを作成しておくことで、外部ライターに記事執筆を依頼する際などにも活用できます。複数のライターに依頼したとしても、レギュレーションがあることで一定の質を保つことができるでしょう。
記事の執筆が完了したら、校正・校閲を行います。校正・校閲は、必ず記事執筆を行った人ではない第三者が実施するようにしましょう。第三者がチェックを行うことで、執筆者(ライター)が気づかない誤字脱字や内容の正誤を見つけやすくなります。すべてを1人で行ってしまうと、必ず見落としが出てくるため、注意しましょう。
他のサイトや書籍などからコピペした文章ではないか、事実と異なる内容を記載していないか、テーマ設定・構成案と内容が一致しているかといった点に着目しながらチェックを行なっていきます。特にほかのサイトや書籍をコピーしてしまうと、のちのち大きなトラブルに発展する可能性もあるため、気をつけなくてはなりません。
チェックが終わったら記事を公開します。
オウンドメディアの記事制作については以下の記事でも詳しく解説しています。
オウンドメディアの記事制作を解説!基本の制作プロセスから成功のポイントまで
オウンドメディアの作り方【ステップ4:データ分析】
オウンドメディアは、記事を書いて公開したら終わりではありません。そもそも、サイトを運営する目的は自社のサービスや商品についてよく知ってもらうこと、気に入った商品があれば購入してもらうことなどです。そのため、サイトを公開してそこで終了してしまっては意味がありません。
良いオウンドメディアを作るためには、公開した記事のデータを分析し、修正・改善を重ねることが必要です。そのために重要なのが、アクセス解析です。アクセス解析をすることによって、ユーザーがサイト内でどのような行動をとっているかを把握することができます。それにより、サイトの現状を知ることができます。
もちろん、サイト内で行っている施策がうまくいっているかどうかも把握できます。見られていないページや、ユーザー離れが多いページなどを把握して改善していきましょう。それによって、より良いコンテンツに進化し、オウンドメディアが成長していきます。
また、解析データを活用して、過去のデータと比較することも重要です。改善した部分がどのようにユーザーの行動を変えているのかを比較します。そうすることで、見当違いの改善をしていないかどうかを確認でき、次回に活かせます。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールといった分析ツールを活用しながらデータ分析を行い、修正・改善を繰り返しながらより良いコンテンツを作っていきましょう。
アクセス解析やサイト分析については以下の記事で詳しく解説しています。
アクセス解析でわかること【サイト分析】
オウンドメディア作りにかかる費用
オウンドメディア制作にかかる費用はどの程度必要なのかを把握しておきましょう。「なんとなく」で予算を組んで、いざとなったときに足りませんでした、というわけにはいきません。そのため、何にどの程度の費用が掛かるのかを解説していきます。
サーバー・ドメイン費用
オウンドメディアを作るのに必要な費用の1つ目は、サーバー・ドメイン費用です。オウンドメディアを作るには、レンタルサーバーの契約とドメイン取得をする必要があります。それぞれにかかる費用は、以下の通りです。
・サーバー:1〜2万円/年程度
・ドメイン:1,000~3,000円/年程度
サーバー・ドメイン費用は、取得するときに1回限りの費用が必要というわけではありません。これらはオウンドメディアを続ける限り、毎年費用がかかってくるため注意しましょう。ただし、必ずしも上記の費用がかかるわけではありません。ホームページなどで独自ドメインを持っている場合は、そこからサブドメインを作ることでドメイン費用をかけずに済みます。
サイト制作費用
オウンドメディアを作るのに必要な費用の2つ目は、サイト制作費用です。外注する場合は、20~300万円ほどとかなり幅があります。どの程度の機能を盛り込むのか、専門の会社に依頼するのか、クラウドソーシングで依頼するのかなど、さまざまな要素で費用が大きく変わってきます。
クラウドソーシングで依頼する場合は、必ずしも希望通りのサイトが出来上がるとは限らず、納期が守られない・納品前に連絡がつかなくなるなどのトラブルも考えられます。一方で、専門の会社に依頼する場合は、100万以上かかることが多いです。
その分クオリティが高く、希望通りのサイトができるでしょう。自社で制作する場合は、採用コストと人件費だけで済みます。
記事制作費用
オウンドメディアを作るのに必要な費用の3つ目は、記事制作費用です。自社で記事制作をする場合、採用コストと人件費だけしかかからないため、比較的安くできます。自社のサービスや商品にも精通しているため、記事を作りやすいのが利点です。
ただし、クオリティが高い記事を量産するのは難しい面もあるでしょう。外注する場合は、1記事あたり2,000~30,000円ほどかかります。ライターの文字単価や記事の文字数などによって変動します。そのため、月に何記事必要なのか、1記事当たり何文字になるのかなどを事前に決めて予算を組んでおくことが重要です。
分析ツール費用
オウンドメディアを作るのに必要な費用の4つ目は、分析ツール費用です。分析ツールがなくては、サイトの改善などが難しくなるためオウンドメディアを成功させたいのであれば必ず必要になります。
分析ツールの費用は、オウンドメディアの段階によって変動するのが特徴です。オウンドメディア立ち上げの時期であれば、無料で済ませることが可能でしょう。ただし、規模が大きくなってくると年間で10〜100万円ほどかかってくることもあります。
ツールには、いくつかの種類があります。種類によって機能や費用などが違ってくるため、どのような機能が必要なのかをよく考えてから、自社に合ったツールを選ぶようにしましょう。
オウンドメディア運用の効果測定に便利なおすすめツールは以下の記事で紹介しています。
SEOの効果測定に便利!検索順位チェックなどおすすめツール10選
オウンドメディアを成功させるためには?
オウンドメディアの作り方はわかったけど、どうすれば成功させられるのかがわからないという人もいるでしょう。ここでは、オウンドメディアを成功させるために必要なことを詳しく解説していきます。オウンドメディアを作成したいのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
継続的に更新する
オウンドメディア運用は継続しないと成果が出ないため、とにかく続けるということが重要です。なぜなら、サイトを公開してすぐに効果が出るようなものではないからです。
即効性はありませんが、良質なコンテンツを更新し続けることで、検索上位に表示されやすくなり、訪れるユーザーも増えていきます。とはいっても、毎日更新するのは難しいから無理ではないだろうか、と思う人もいるでしょう。
もちろん、無理をして毎日更新する必要はありません。ただし、1カ月や2カ月など、長期で放っておくのもよくないでしょう。更新しなければ検索の上位に居続けることはできず、ユーザーも目新しい情報がなければ離れていってしまいます。週に1記事でも公開を続けていくことが大切です。
SNSと連携する
オウンドメディアの認知度を上げたい、よりユーザーを増やしたいというのであれば、SNSと連携することがおすすめです。立ち上げて間もない頃は、オウンドメディア上でコンテンツを更新するだけではユーザーの効果的な流入は見込めないからです。まずは人目に触れて、認知度を上げる必要があります。
そのためには、SEOによるキーワード検索からの流入を主軸にしつつ、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSと連携させ、SNSからの流入経路も作ることが大切です。オウンドメディアの認知度が上がれば、双方向にユーザーが流れ、一方的なものではなく、それぞれいい影響を与え合うことができるようになります。
リライト・改善していく
オウンドメディアは、記事を公開すれば終わりというわけではありません。公開したまま放置しておけば、ユーザーに飽きられて忘れられてしまいます。
ユーザーが求めるオウンドメディアに成長させるには、分析ツールを活用したり、上位表示されている競合記事を参考にしたりしながら、リライトや改善をしていくことが重要です。特に全く見られていないコンテンツがあれば、なぜ見られていないのかを検討し、より良いコンテンツにしていく必要があります。
常に最新の情報を提供し続けることで、ユーザーに必要とされるオウンドメディアに成長しなければ、オウンドメディアを作成した意味がなくなってしまいます。
まとめ
オウンドメディア作りにおいて、事前に目的や目標、サイト構造、設計などを決めておくことが、サイトをスタートしてからの成功の鍵を握ります。特にターゲットを細かく決めることが大切です。
何事もそうですが、事前準備と計画性がその後の成功を左右します。オウンドメディアも制作前の事前準備が大切です。準備を怠っては、ユーザーに求められるサイトを作成することはできません。
無計画に始めるのではなく、まずはどういうサイトにしていくかをしっかりと考えて制作にあたることが成功への近道です。ユーザーに求められるオウンドメディアを作成して、より自社商品やサービスの認知度を高めていきましょう。

執筆者:山本卓真
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。事業会社でのWEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。