コンテンツマーケティング 公開日: 2022.12.15 更新日: 2024.04.01

校閲とは?コツや校正・校了との違いについて徹底解説

校閲とは、誤字脱字や表記の揺れ、事実関係の確認、コンプライアンスを遵守した表現かどうかなどあらゆる視点から文章をチェックし品質を向上させることです。校正や校了とは似て非なる概念ですが、この違いを明確に説明できる方は少ないのではないでしょうか?

そこで、本記事では校閲とは何かを解説するとともに、校正や校了との違いについて解説します。また、文章制作における校閲の重要性やコツについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

校閲を行い記事のクオリティを高めることで、読者により魅力が伝わるような文章作成をしましょう!

校閲とは?

校閲とは、原稿の内容をチェックして、誤っている箇所を修正することです。

具体的には、誤字脱字や表記の揺れ、事実関係の確認(固有名詞やデータの数値など)、コンプライアンスを遵守した表現かどうか、などあらゆる視点から文章をチェックします。

ここでいう「表記の揺れ」とは、同じ意味の言葉であるにもかかわらず、同一文章内で表記の仕方が違っている複数の語句が混在していることを言います。
例えば、「引越し・引っ越し」「振込み・振込」「物・もの」「セキュリティ・セキュリティー」などの言い回しが、1つの原稿の内でバラついている状態を「表記が揺れている」といいます。

こうした誤字脱字や表記の揺れの修正に加えて、校閲を行う際には文章の内容に誤りがないかという点も主なチェックポイントとなります。内容の正確性を高めるために学術的な文献や国・国際的な権威のある機関の情報を調べることもあります。

このほか、全体の流れや見出しの構成なども校閲のチェック対象に含まれます。そのため、校誤った内容をチェックして修正するほか、読者に伝わりやすいよう、わかりやすい文章や構成になっているかどうかの確認もします。

校閲と校正・校了との違いは?

校閲と似ている用語に、校正と校了があります。そこで、ここでは「校正と校閲」「校了と校閲」それぞれの違いについて、解説します。

校正と校閲の違い

校正と校閲の違いは、「校正」が表記の誤りなどのミスをチェック・修正するのに対し、校閲は誤字脱字などの表記ミスから内容の正確性まで幅広くチェック・修正する点です。
校正において具体的にチェックするのは、誤字脱字、全角半角の違い、英語のスペルミスなどのミスになります。

例えば、次のような文章があるとします。

わずか10〜20秒のテレビCNを放映するだけでも他額のコストがかかりますが、それだけ高価が大きいということです。

この文章を校正すると、どうなるでしょうか。
校正の役割に則って修正してみると、次のように修正することができます。

原文修正修正内容
10~2010~20全角 → 半角
CNCM誤字、スペルミス
他額多額誤字
高価効果誤字

このような誤字脱字、全角半角の違い、スペルミスなどのミスを修正するのが、校正の役割になります。

一方、校閲において、具体的にチェックするのは、事実関係の確認(固有名詞やデータの数値など)、コンプライアンスを遵守した表現かどうか(差別などの不適切表現はNG)、全体の流れや見出しの構成、リンク先が正しいかどうかなどになります。

先ほど校正を解説する際に使用した例文を使って、校閲についても具体的に解説します。

わずか「10〜20」秒のテレビ「CN」を放映するだけでも「他額」のコストがかかりますが、それだけ「高価」が大きいということです。

修正する箇所は、校正と同じ4ヶ所です。

校閲は、文章の内容の確認だけでなく、誤字脱字など校正でチェックするミスをチェック・修正する役割も含まれます。
さらに、4つの修正箇所のうち具体的な数字を用いている「10~20」については、テレビCMの秒数として正しいのかどうかを確かめる必要があります。
というのは、通常テレビCMは、基本15秒となっており、30秒、45秒、60秒のような放映時間になっているからです。

そのため、次のように修正します。

原文修正修正内容
「10~20」15~60全角 → 半角、テレビCMの正しい放映時間

校閲は文章の正確さについても確認しなければならないので、このようなテレビCMの放映時間もチェックする必要があるのです。
したがって、校閲と校正ではチェックする対象が異なり、誤字脱字などの確認のみを行う校正よりも誤字脱字の確認から文章の内容の確認まで幅広く行う校閲のほうがチェック対象が多くなっています。

校了と校閲の違い

「校了」とは校正・校閲が完全に終わった段階のことで、印刷したり、WEBサイトに公表したりしても問題のない状態のことです。
校了と校閲を比較した際、校閲はまだ誤字脱字や表記の揺れ、文章の内容をチェックしている最中であることを指し、原稿が未完成であることを意味しています。

なぜ校閲は重要なのか

記事を作成する際、校閲はとても重要な作業です。
校閲には主に3つの役割があり、それぞれ記事のクオリティを上げる以外にも重要な意味を持つため、きちんと理解して実際の作業で活かせるようにしましょう。

コンテンツの信頼度が上がる

校閲が重要な1つ目の理由は、「コンテンツの質が上がる」ためです。

校閲の作業をすることによって、正確な情報を届けることでコンテンツの信頼度を上げることができるでしょう。
また、校閲によりミスを修正して正しい情報を提供し続けることで、自社の運営するメディアや配信するコンテンツの評価も上がります。一方で、ミスが多いと自社の評価は下がってしまいます。

そのため、記事の作成において、校閲は記事やメディアの信頼にも関わる重要な作業であるといえるでしょう。

コンテンツの品質が向上する

校閲が重要な2つ目の理由は「コンテンツの品質」が向上することです。

誤字脱字や表記ミスがなく、表記ルールに則ったコンテンツは読みやすく、質が高い印象を与えます。
この細かい確認を怠ると、低品質な記事でも公開してしまう企業という印象を読み手に与え、企業のブランディングにも悪影響を及ぼす恐れがあります。

トラブルを未然に防ぐ

校閲が重要な3つ目の理由は、「トラブルを未然に防ぐ」ことが可能なことです。

校閲の作業によりコンテンツの内容の真偽を精査することで、トラブルを防ぐことができます。
校閲において、トラブルが発生するおそれがある主な項目は、以下のとおりです。

固有名詞(名前、会社名など)
データの数値
引用(などの間違い)
法に触れる表現

校閲の作業を怠りこれらの間違いを見逃すと、炎上や法令違反によってなんらかのトラブルが発生するおそれがあります。

印刷物の場合、印刷後に誤りが見つかると刷り直す可能性があるため、余計な経費が発生してしまいます。
一方、WEBメディアの場合はすぐに修正することはできますが、1度インターネットにアップされ拡散されてしまうと、完全に削除することが難しい(「デジタルタトゥー」と言います)場合があります。

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校閲を行う際のポイント

校閲を行う際、必ず押さえておきたいポイントについて解説します。これらのポイントを押さえることで、正確かつ読みやすい記事に仕上げることができるでしょう。

事実関係をチェックする

事例やデータに基づいて記事に記載する際は、事実関係を調べて確認しなければなりません。

ほかの文献や著作物から引用する場合は、正しく引用されているかを確認するほか、引用元の情報を精査する必要があります。具体的には、国や公的機関などの信頼できる情報を調べて、正しい情報かを確認します。

また、確証を得られるまで深掘りすることで、コンテンツの質を高めることにつながるでしょう。しかし、確証を得られない場合には、その情報を載せることを再考して、載せることを諦めるか、書き換えるなどの対応をしなければなりません。

表記の間違いをチェックする

固有名詞(名前、会社名など)や数字(データの数値や西暦など)に間違いがないかをチェックすることが、表記の間違いをチェックする代表的な例です。
また、メディアによって「全角」「半角」のどちらかに統一したり、英数字は「半角」にしたりするなどのルールがあるため、これもチェックします。

自社メディアの校正・校閲をする際には、表記のルールを定めたマニュアルを作成しておくと便利です。マニュアルに沿って確認をすればよく、ライターとの共有も簡単なため校閲の作業をよりスムーズに進めることができます。

言い回しをチェックする

接続詞や文末などの言い回しが正しいかどうかをチェックすることは、読みやすさ(流れや論理的文章など)に直結するためとても重要です。

基本的なことですが、文章の構造にも気を付けなければなりません。主語述語、修飾語などの表現が適切に使われているかについても注意しましょう。

また、校閲する際のコツとして、声に出して確認したり、第三者に読んでもらったりすることをおすすめします。自分では気づかない見落としがあったり、違和感のない表現だと思っていても実際は違ったりするため第三者のチェックを取り入れることは大切です。

矛盾が起きていないかチェックする

同一の記事の中で記載した内容に矛盾がないかをチェックすることは、記事の信頼度に直結するためとても重要です。

例えば、記事の前半で「コンテンツは品質が重要だ」と記載されていたのに、後半で「コンテンツは品質よりも量が重要だ」と記載されていたら、そこに大きな矛盾が発生してしまっています。
一見見落としがちな部分ですが、このような矛盾を見つけて正しい情報に修正することも校閲の重要な役割です。同一記事内で何度も出てくる情報は、照らし合わせながら注意してチェックするようにしましょう。

差別的な表現はないかチェックする

コンプライアンスに厳しい現代において差別的な表現や、社会的に不適切であるとされる表現は校閲の段階で必ず修正するようにしましょう。

万が一、そのような表現を使用したまま記事を公開してしまった場合には、炎上などその後のメディア運営に支障が出る事態になりかねません。第三者のチェックを取り入れるなどさまざまな視点から不適切な表現を徹底的に洗い出し、修正するようにしましょう。

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まとめ

この記事では、校閲とは何かを解説するとともに、校閲のコツや校正・校了との違いについて解説しました。

校閲とは、文章の内容をチェック・修正することです。校閲をすることで、コンテンツの質が上がり、トラブルを未然に防ぐことにもなります。その結果、自社の社会的信用を保障することにもつながるでしょう。

マニュアルを作成するなど正確なチェックを心掛けることはもちろんですが、人間には見落としがつきものです。そのため、見落としが起きることを前提とした校チェック体制の整備も行うと良いでしょう。
本記事を参考にコンテンツの質を高める校閲のテクニックを身につけるきっかけになれば幸いです。

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執筆者:矢田茉里衣

株式会社ヒトノテのコンテンツマーケティングチームのリーダー。どんなに素晴らしいコンテンツでも、上位に表示できなければユーザーの目に触れることはありません。ヒトノテでは「検索エンジンからもユーザーからも評価されるコンテンツを作る!」をモットーに、お客様の目標に合わせて最適なコンテンツを日々ご提案しています。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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