ブランディングの意味は?その役割と手法について解説

マーケティングの知識がある方なら、一度は「ブランディング」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。ブランドに関わる言葉であるということは想像がつくかもしれませんが、詳しい意味を問われると答えられない方も多いでしょう。
そこで、ブランディングの意味や関連する用語・具体的な使い方について解説していきます。ブランディングの意味を知りたい方、自社でブランディング戦略を検討している方におすすめです。
ブランディングとは?
そもそもブランドとは
ブランディングについて知る前に、そもそもブランドとはどのような意味なのでしょうか。特許庁によるとブランドとは、「商品・サービス、さらには企業そのもののイメージの総体」のことを指しています。しかし現在では、ブランドという意味はそれだけに留まりません。ブランドとは上記以外にも「消費者の認知により形成されるのみならず、供給する側から積極的に構築すべきもの」と説明されています。
モノやコトが充実している現代においては、意識の変革が生じています。つまり、上記に挙げたブランドの意味より、ブランディングとは「商品やサービスについてユーザーに共通のイメージを認識させること」(ferret https://ferret-plus.com/8503より引用)をいいます。
ブランドというとエルメスやグッチなどの高級店を想像する方も多いかもしれませんが、一般的な店でもブランディングは有効です。スーパーやコンビニなどの消費者に馴染み深い店においても、ユーザーは何らかの価値を認識しています。
ブランドの役割
ブランドの持つ役割について考えたことはありますか。ブランドにおいても、企業と顧客でそれぞれ得られる利益が異なります。ここでは、企業側と顧客*側の視点に分けてブランドの役割について説明します。
*顧客:真の顧客(=ブランドパートナー)、つまりブランドそのものの価値を理解し、商品を継続的に購入したり、周囲に広めたりしてくれる人
企業側から見たブランドの役割
まず、企業側から見たブランドの役割についてです。これは大きく分けて4つあります。
1.市場における差別化
スマートフォンといえばiPhoneなどのように同じ市場の中で他社との差別化が図ることができます。
2.商品・サービスに対し、愛着や信頼を持ってもらえることによる、売り上げの安定
例えば、「資生堂のメイク道具は安くて高品質だからリピートしよう」など、同じ商品を再購入する顧客を獲得することが可能となります。
3.CM ,チラシなどの広告宣伝が不必要
ブランドによって広告製作費や管理費の節約が可能となり、結果的に利益が増えたり、商品の改善費用の増加などにつなげたりすることができます。
4.プレミアム価格による利益の増加
ここでいうプレミアム価格とは、普通の商品よりもさらに価値のある商品として設定された上乗せ価格のことです。例えば、スターバックスは高品質でおしゃれなコーヒーブランドとしてのブランディングに成功し、自社のブランドイメージに付加価値をつけることができました。そのため他のコーヒーチェーン店に比べ、高い価格が設定されていても顧客が絶えず人気を維持することができています。
顧客側から見たブランドの役割
続いては顧客側から見たブランドの役割です。こちらは3つあります。
1.ブランドイメージに自分を重ね、意味付けが可能
例えばセレブなイメージ定着のためにグッチのバッグを購入するなどが考えられます。
2.購入までのコストや時間の短縮
例として「○○は有名なブランドだから信頼できる」というように顧客はブランドへの信頼で購入決定までのコストや時間を短縮することができます。
3.高品質の保証
ブランドが確立されているということは、それだけで高品質が約束されているとも言えます。顧客はブランド品を購入することで欠陥品や粗悪な商品を買わなくて済みます。
ブランディングの種類
一口にブランディングといっても、さまざまな種類のブランディングが存在しています。つまり、ブランディングの対象や、状況の違いにより使われる用語が変わるということです。この章では、企業目線で頻繁に使用されるブランディングの種類、関連する用語について説明します。
インナー・アウターブランディング
インナーブランディングは、自社の内側にいる人に向けた、つまり企業文化作成を目的としたブランディングです。自社ブランドの地位を高めることで企業の目標地点が明確になったり、企業全体の結束を強めたりする効果があります。
アウターブランディングは顧客など自社の外側にいる人に向けてのブランディングです。一般的に想像されるブランディングの形態はアウターブランディングでしょう。
商品・事業ブランディング
モノやコトで溢れている現代では、たとえ商品の質が高くても、他の商品と差別化できなければ売り上げを伸ばすことができません。そこで売り上げ増加のために必要になってくるのが商品・事業ブランディングです。商品・事業ブランディングでは、次の3つの要素が重要視されます。
★使命
なぜその商品を作ったのか、企業の理念を明確化することです。
★顧客
顧客を獲得することは、企業にとって貴重な財産となります。
★提供価値
ブランドパートナー*が喜ぶ価値を理解し、商品・サービスを発信・生産することです。デザインで他の商品と差別化することはもちろん、商品自体に独自性を持たせ、価値を高めることも重要になります。
*ブランドパートナー:ブランドに対するファン、優良顧客のことを指す。
これらの使命・顧客・提供価値という3つの要素を組み合わせることで、企業の想いとブランドパートナーの要望が融合し、更なる高価値の商品を生み出すことが可能になるでしょう。
BtoC ,BtoBブランディング
BtoCブランディングとは、Business to Consumer、つまり企業(Business)が行う消費者(Consumer)へのブランディングのことです。
そしてB to Bブランディングとは、Business to Business、つまり企業が行う企業に対するブランディングのことを表します。
WEBマーケティングにおけるブランディング
この章では、WEBマーケティングにおいて頻繁に使われる手法(コンテンツマーケティング、アフィリエイト)を、ブランディングの観点から説明します。そのうえで、ブランディングを実際に行う際に意識すべきポイントについても解説していきます。ブランディングを行う際はぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツを発信することで見込み顧客のニーズを満たし、最終的にファンとして定着させることを目指す方法のことです。価値のあるコンテンツを発信し続けることは、見込み顧客のニーズを満たし、自社製品への信頼を高めることにつながります。これにより、結果的には自社の商品に対して愛着を持ってもらうことができ、ブランディングに繋げることが可能です。
コンテンツマーケティングの詳しい説明や運用方法は以下のページで説明しています。
コンテンツマーケティングの運用方法とは?失敗しない必要なポイント
アフィリエイト
アフィリエイトとは、ブログなどのサイトで広告主の商品を紹介し、そのブログを見た人が実際に商品を購入した場合にサイトで紹介した人に対し報酬が支払われる広告手法のことです。
従来のアフィリエイトは、大量にアクセスを集めることを目的としたものが多く見受けられました。しかし、多種多様な広告が存在しており、この手法が効果的なものではなくなってきているのが現在の状況です。そのため、「顧客の信頼を得る」ことを主目的としたブランデイング型アフィリエイトが重要となってきています。
ブランディングを行う際に意識すべきポイント
最後にブランディングを行う際に意識すべきポイントの解説です。
ポイントは大きく2つあります。まず1つ目は「誰に何を伝えるのか」を明確にしておくことです。どのような商品の価値を伝えたいのかが明らかになっていなければ、ターゲットに魅力をアピールすることができません。さらに、この際にどのような人たちをターゲットに設定するのかを決定しておくことも重要です。
2つ目は市場で自社のブランドを確立できる可能性があるかを整理し、予め検証しておくことです。市場に強力なブランドが存在する場合、そのブランドに対抗する戦略を考えるべきか、別の市場に進出するべきなのかを判断する必要があります。
まとめ
ブランディングの意味と種類についての解説、さらにブランディングを実行する際に意識したいポイントを解説しました。
モノやコトが溢れる現代において、自社の商品に信頼感や安心感を持ってもらうという考え方のブランディングは、会社の発展のために必須のツールとなってきています。Webマーケティングにおいてもブランディングを積極的に活用していきましょう。
BtoBコンテンツマーケティングについては、以下の記事を参考にして下さい。
BtoBコンテンツマーケティングの効果と導入の難しさについて
キラーコンテンツについては、以下の記事を参考にして下さい。
「キラーコンテンツ」とは?WEBマーケティング用語の意味と作り方を解説
コンテンツマーケティング導入のメリットについては、以下の記事を参考にして下さい。
コンテンツマーケティング導入のメリットとその手順を解説!
コンテンツマーケティングの手法については、以下の記事を参考にして下さい。
コンテンツマーケティングの手法12選!商材に適した施策を見つけよう

執筆者:矢田茉里衣
株式会社ヒトノテのコンテンツディレクター。クライアントの要望に柔軟に対応できるよう、ヒアリングに重きを置いています。

監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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