コンテンツマーケティング 公開日: 2021.07.09 更新日: 2023.11.15

Webコンテンツにおける正しい引用の書き方をマスターしよう!

Webサイト上で情報を引用するにはルールがあります。しかし、なぜ引用を正確に行う必要があるのでしょうか?答えは、「著作権を侵害しないため」です。

この記事では、Webコンテンツにおける引用の表記に関して、以下のような内容を解説します。

  • なぜ正しく引用を表記する必要があるのか
  • 引用したい制作物ごとの正しい引用の表記方法
  • 引用表記を行っていても著作権侵害となるパターン・ならないパターン

本記事を読めば、Webコンテンツにおける正しい引用ルールがわかり、サイトの信頼性の向上につながります。

正しく引用を書くのは、著作権を侵害しないため

引用とは、Web上の他のサイトや他者の文章や図や表、書籍の内容などを自分のコンテンツとしてそのまま使用することです。引用は他者の文章などをそのまま使用するため、実施するときは注意しなければなりません。

正しい引用の表記が必要な理由は、著作権を侵害しないためです。著作権とは、著作物や著作者を守るため「著作権法」という法律で定められている権利です。著作権の侵害は、法律違反となることはもちろん、創作者の創作活動そのものを侵害することにつながり、ひいては文化の発展の侵害にもつながります。

また、正しく引用を行う目的は、Webコンテンツの信頼性を高めるためでもあります。Webコンテンツの作成時に、主観的な内容以外にも第三者が書いた信頼できる文章やデータ、意見を引用して説明したほうが、情報の信頼性が高まります。

この信頼性は、昨今のSEOで重要視されているE(経験)-E(専門性)-A(権威性)-T(信頼性)の観点からも重要です。

E-E-A-Tについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。  

Web上の引用の基本ルール・条件

Webサイトやコンテンツで引用する際は、いくつか基本ルールや条件を押さえておくことが大切です。引用するときは、以下の条件を満たすことで他者の著作物に関してもその権利を侵害することなく引用が可能です。

  • 著作権者が公表した著作物である
  • 引用した部分が主従関係の「従」にあたる
  • 引用が正当な範囲内で行われている
  • 出典を明らかにしている
  • 引用した部分を編集していない

原則として、著作物を引用するには著作権者の許諾が必要ですが、全てにおいて許可を取る必要はありません。著作権法第32条で、以下のように例外的に引用できる条件が定められています。

(第32条)

[1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。(注5)

[2]国等が行政のPRのために発行した資料等は,説明の材料として新聞,雑誌等に転載することができる。ただし,転載を禁ずる旨の表示がされている場合はこの例外規定は適用されない。

引用:文化庁「著作権が自由に使える場合」引用 | 著作権法第32条

次章では、引用する内容ごとの記載方法を引用例とともに確認していきましょう。

Webサイトの引用内容ごとの記載方法と引用例

ここからは、引用したい内容(制作物の種類)ごとの、引用の表記方法を解説します。

文章を引用する際の書き方

文章を引用する際は、先ほどお伝えした「主従関係」をはっきりさせるために、自分が書いた文章と引用した文章の区別がつくように表記します。

  • 括弧や引用符(「」・“”)などで引用した部分を括る
  • 引用した部分の背景色を変える
  • 引用した部分に枠線を付ける

インターネットの記事の場合、引用タグ(blockquoteタグ)が用意されています。
引用した部分はblockquoteタグで括るようにしましょう。

そして、引用した部分の下に引用元(出典)のページURLにリンクを貼ります。
引用元のURLを記載する際は、URL(英数字の羅列)だけではなく、コンテンツのタイトルやサイト名を表記するとさらに親切です。

どのようなサイトから引用したのかがひと目でわかるようにしておくとよいでしょう。

また、引用元を明記する際は、「引用:」「引用元:」「出典:」など複数の表記が考えられますが、「引用物である」ということがわかればどの表記を使用しても問題ありません。
SEOの観点から、表記ゆれ(複数の表記が存在する状態)は避けた方が望ましいでしょう。

以下は、文章を引用する際の表記の例です。

“犬の寿命は犬種によってもさまざまですが、健康で安全な環境だと比較的長く家族として暮らせる動物です。犬を飼うということは、その犬の面倒を一生みるということ。毎日の食事はもちろん、散歩や排泄の処理、しつけ、安全管理、病気の予防などすべてが命を預かる飼い主の責任です。”

出典:犬を飼うまでに | 犬の飼い方・しつけ方 | Petio[ペティオ]

画像を引用する際の書き方

画像を引用する際は、以下のような表記が理想的です。

画像出典:犬を飼うまでに | 犬の飼い方・しつけ方 | Petio[ペティオ]

画像の下に出典元を明記し、リンクを貼ります。

こちらも文章の引用同様、URLだけではなく、コンテンツのタイトルやサイト名を表記するとよいでしょう。

SNSの投稿を引用する際の書き方

TwitterやFacebookといったSNSの投稿や、YouTubeなどの動画サイトの投稿は、「埋め込み」機能で簡単に引用することが可能です。

近年利用されているSNSやブログなどには、多くの場合、埋め込み機能が搭載されています。

埋め込み機能とは、引用したい投稿を表示するためのコードを発行する機能です。これにより、引用であるということがわかりやすくなるだけでなく、引用した部分が見やすく表示されるようになります。

例えば、Facebookでは以下のような方法で埋め込み機能を利用することができます。

  1. ホームに表示されている投稿の右上「・・・」部分をクリック
  2. 「< / > 埋め込み」をクリック
  3. コードが表示されるので、コピーして自身の記事に貼り付ける

しかし、SNS投稿の引用には1点注意すべき点があります。それは「引用したいと考えている投稿自体が、著作権侵害にあたる内容ではないか」という点です。

引用する投稿の内容が著作権侵害にあたる場合、オリジナルの著作物(投稿)だと思って引用を行っても著作権侵害に該当してしまうため、SNSの投稿は内容の正確性を確認するなど、十分に気をつけて引用を行いましょう。

書籍の内容を引用する際の書き方

書籍の内容など、インターネット以外で発行されている著作物から引用を行う際は、「文章を引用する際の書き方」と基本的に変わりありません。

しかし、リンクを貼ることができないため、代わりに以下の内容を明記してください。

  • 著作物(書籍など)のタイトル
  • 出版社名
  • 著者名
  • 翻訳者名(外国の書籍の場合)

インターネットの情報と異なりリンクを貼ることができないため、引用を行った著作物の情報をしっかりと記載することが大切です。

また、引用した部分を改変してしまうことがないよう、漢字・カタカナ・ひらがなの表記を正確に引用するよう心がけましょう。

以下は、書籍からの引用の書き方の一例です。

“大切なのは、危険の度合いを知ることだ。「愚者はことを急ぐ」――ウォール街ではそれは致命的なのである。 この世の中に、ウォール街ほど本物の知識が直接、また確実に金銭的報酬につながる事業はほかにない。”

出典:『投資を生き抜くための戦い 時の試練に耐えた規律とルール』
出版社:パンローリング
著者:ジェラルド・M・ローブ
監修者:鈴木一之
訳者:西山佑

Webサイトでの参考URLの書き方

「引用」ではなく「参考」の場合は、どのような表記を行えばよいのでしょうか。
他のサイトの情報を参考にして自身の著作物を作成した場合は、「参考文献」として明記しておきましょう。

参考にしたサイトが信頼できるものであるかを確認しておくことが大切です。
参考にした情報が誤ったものであったり、SNS投稿のように参考にしたサイトの情報が著作権侵害にあたる内容であったりする場合は、自身の著作物も著作権侵害になってしまうおそれがあります。

以下は、参考文献の書き方の一例です。

犬の目やにが多い場合は、炎症を起こしていることが多いそうです。
また、ブドウ膜炎や眼瞼外反症、眼瞼内反症といった病気の可能性もあるため、早めに病院の診察を受けることをおすすめします。
参考:めやに・涙が出る|ペット保険のFPC

著作権侵害となるパターン

ここまでお伝えしてきた引用の表記方法を守っていても、著作権侵害となってしまう場合があります。
それぞれのパターンについて確認していきましょう。

画像やイラストを勝手に加工

他者の画像やイラストを勝手に加工した場合は、著作権侵害に該当します。

冒頭でお伝えした引用を可能にする条件「引用した部分を編集していない」を守ることができていないからです。

画像やイラストを引用する場合は、ちょっとした色の調整や、文字入れも行ってはいけません。引用する画像・イラストは編集せず、そのままの状態で引用を行ってください。

または、著作者が「加工・編集OK」としている画像を使用するとよいでしょう。

文章を丸々引用し、感想を掲載

他者の書いた文章をまるごと引用して掲載し、その文章の感想を掲載したという場合も著作権侵害となってしまう可能性があります。

引用を可能にする条件のひとつである「引用した部分が主従関係の「従」にあたる」を守ることができていないからです。

引用する文章はあくまで制作物を充実させる要素にとどめ、大部分は自分自身の文章や画像などで構成するようにしましょう。

文章を丸々引用し、一部だけ変更

文章をまるごと引用し、一部だけ変更したという場合も同様に、著作権侵害となってしまうおそれがあります。

こちらも「画像やイラストを勝手に加工」の場合と同様、「引用した部分を編集していない」を守ることができていないことに加え、「文章を丸々引用し、感想を掲載」の場合と同様、「引用した部分が主従関係の「従」にあたる」も守ることができていません。

引用した部分を鉤括弧や引用符などで括ったり、引用元を明記したりしていても、変更した部分が一部だけでも、「丸々引用」「著作物に変更を加えた」という点において著作権侵害にあたるおそれがあります。

「制作物の大部分は自分自身の著作物で構成する」ということを大前提としてください。

著作権侵害にならないパターン

逆に、著作権侵害にならない場合もあります。

著作権侵害とならないよう気をつけたい場合は、以下のパターンを実行するとよいでしょう。

著作者・著作権者に引用許可を取る

著作物の引用に関して、著作者や著作権者(著作権を持っている人)に対して許可を取ることができた場合は、引用を行っても著作権侵害にはなりえません。

許可を取る場合は、許可してもらった内容や条件、日付といった情報を書面に示すなどして残しておくといいでしょう。

当たり前ですが、「引用が許可された=他者の著作物を自由に取り扱っていい」というわけではありません。引用の範囲を超えないよう、たとえ許可をもらっていたとしても他者の著作物の取り扱いには十分注意しましょう。

著作権フリーの画像を使う

著作権フリーの画像や文章を使用するという場合も、もちろん著作権侵害にはあたりません。

写真やイラストに関しては、「フリー素材集」「フリーイラスト集」などとして現在多くのサイトが存在しています。それらから写真やイラストを選定して使用することで、著作権の侵害を回避することができるでしょう。

ただ、注意しておきたいポイントが1点あります。それは「商用利用について」です。

「著作権フリー」と謳っていても、商用利用はNGである素材集も多く存在します。

「商用利用」とは、その素材を使用して利益を得ることです。「著作権フリー」の画像をビジネスなどに利用する場合は、商用利用が許可されているかよく確認しておきましょう。

オリジナルの画像を作成する

自身でオリジナルの画像を作成して使用する場合、その画像の著作者は自分自身となります。

そのため、作成した画像をどのように取り扱っても、著作権侵害になることはありません。編集・加工もOKです。

フリー素材に気に入った画像がない場合は、オリジナル画像の作成を検討してもいいでしょう。自身で撮影した写真も、著作権は自分にあるため自由に取り扱うことが可能です。

Webサイトで引用するときのポイントと注意点

Webサイトやコンテンツで引用するときには、いくつかポイントや注意点を押さえておく必要があります。基本ルールを守らないとトラブルに発展する恐れもあるため、しっかり注意点を押さえておきましょう。

ここでは、Webサイトで引用するときの6つのポイントと注意点を解説します。

引用の必要性がある場合だけ引用する

まずは、そもそも引用の必要性があるかを確認することが重要です。

たとえ正しく引用しても、そのコンテンツに引用する必要性がないなら、正しく引用したとは言えません。引用の必要性がある場合とは、他のコンテンツを引用したうえで、その内容に関して批評や講評などして、自社のオリジナルのコンテンツとして発信するような場合のこと。

NGなのは、以下のようなケースです。

  • 自社のWebサイトにアクセスを集める目的で、他のサイトのコンテンツを転載
  • 自社のWebサイトの訪問者の目を引くために、他のサイトの画像を転載

NG内容に該当してないか確認したうえで、引用の必要性の有無を判断しましょう。

引用元の文章や画像を変えない

引用するときは、引用元の文章や画像は変えずにそのまま持ってくるのがルールです。

たとえ引用元の文章に誤字脱字があっても、一字一句変えずに同じものを持ってくる必要があります。勝手に文章や画像を変えてはいけないので、その点に注意しましょう。

記事の内容を引用メインにしない

記事の内容をオリジナルのものではなく、引用をメインに使用するのは転載にあたります。

引用はあくまでも自分のコンテンツの「補足」として使用しましょう。著作権者の許可が必要になるため注意が必要です。

引用元の文章が著作権侵害になっていないか確認する

引用時に、引用元が著作権侵害していないか確認することも大切です。

著作権に引っかからないように引用しても、引用元の文章が著作権を侵害していたら意味がありません。内容が本当に正しいのか、事前に確認してから引用するようにしましょう。

孫引きをしない

引用する際に、孫引きをしないように注意してください。

孫引きとは、他のWebサイトや書籍で引用された文章などを、そのまま自分のコンテンツの引用として用いること。孫引きをすると、サイトや会社の信頼性や信ぴょう性にかけるため避けましょう。

引用元サイト情報を正しく記載する

引用するときは、引用元の情報を正しく記載しましょう。

Webサイトから引用する場合は、Webサイト(ページ)のタイトルやURLを正しく記載しなければなりません。書籍から引用する場合は、書籍名や著者名を記載する必要があります。

正しく引用してWebコンテンツの信頼性を高めよう

この記事では、Webコンテンツにおける正しい引用のルールや書き方、注意点に関して解説しました。Webサイトで正しく引用を行うには、冒頭でお伝えした「引用が可能になる条件」を満たすようにしましょう。

Webコンテンツの作成では、著作権の侵害以外にも「ユーザーが見やすくわかりやすい内容にする」「炎上しない内容を心がける」など、注意点が多くあります。

しかし、Webコンテンツ制作の経験がない場合、注意すべきポイントすべてをカバーしたうえで効果的なコンテンツの制作を行うことは非常に難しいでしょう。

効率的なWebコンテンツ制作や、Webコンテンツで確実な成果を獲得したい方は、弊社ヒトノテまでご相談ください。貴社の課題や悩みに応じた適切なご提案をいたします。

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執筆者:矢田茉里衣

株式会社ヒトノテのコンテンツディレクター。クライアントの要望に柔軟に対応できるよう、ヒアリングに重きを置いています。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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