アクセス解析 公開日: 2023.01.23 更新日: 2023.02.07

GA4のIPアドレス除外をする設定方法を解説!

Webサイトを運営する中で、アクセス解析ツールの導入は必要不可欠です。これまで、アクセス解析ツールはGoogleアナリティクス(UA)が一般的でした。しかし、2020年10月にGoogle社はGoogleアナリティクス4(以下、GA4)という新しいバージョンのアクセス解析ツールをリリースしました。

このGA4では、Webサイトに訪れたユーザー動向をこれまで以上に細かく分析できるようになりました。よりデータを正しく確認するために社内から自社サービスサイトへのアクセスは除外しておきたい、特定のIPアドレスからのアクセスは除外しておきたいということがあります。
Googleアナリティクスの新しいバージョンとなるGA4でも、これまで提供されていたユニバーサルアナリティクス(以下、UA)と同様にIPアドレス除外の設定をすることができます。しかし、UAとGA4では、手順が大きく異なります。

そこで、この記事では、GA4のIPアドレスを除外する設定方法について、注意点とあわせ紹介していきます。

UAでのIP除外する方法は、こちらの記事を参照ください。
GoogleアナリティクスでIP除外する方法&設定後の注意

Googleアナリティクス4について

GA4とは、2020年10月にGoogle社によってリリースされた次世代バージョンともいえるGoogleアナリティクスのことを指します。リリース当初は「アプリ+ウェブプロパティ(App+Web プロパティ)」と呼ばれていましたが、その後GA4と名称変更されています。近年では、スマートフォンの普及もあり、アプリを活用したユーザー行動が主流となってきました。GA4ではこのアプリを活用したユーザー動向も把握できるようになり、UAよりも詳細な分析ができるようになりました。特に、今までセッション軸で計測していたUAとは異なり、GA4ではユーザー軸で計測するため、より精密に計測ができるようになりました。
さらに、2022年3月にGoogleは、UAのサポートに関して2023年7月1日をもって終了することがアナウンスされました。サポートだけでなく、2023年7月1日以降、UAでのデータ収集も停止してしまうため、それまでにGA4に移行しておかなければ、自社のWebサイトの数値をUAやGA4で確認できなくなってしまいます。そのため、各社GA4への移行を急ぐとともに、GA4の扱い方などを覚える必要が出てきています。

株式会社ヒトノテでは、UAからGA4への移行をご支援しておりますので、GA4への移行を検討されている方は、ぜひお問合わせください。

IPアドレスとは

GA4でのIPアドレス除外方法ですが、その前にIPアドレスについて簡単に説明します。
IPアドレスとは「Internet Protocol Address」の略語で、インターネットに接続されているPCやスマートフォンなど、ネットワーク上の端末に割り振られた番号のことを指します。なお、IPアドレスは第三者からの個人特定はできませんが、裁判所命令があった場合には開示される情報でもあります。インターネット上でスマートフォンやパソコン、ルーターなどが他の機器と通信する際、IPアドレス通信相手を識別する仕組みとなっています。
役割で例を説明すると電話をかける際に使う電話番号、郵便を送る際に使う住所のような役割となります。

アクセス解析では、IPアドレスを特定することにより、接続している機器の地域情報などを把握することが可能です。その他、IPアドレスは、ユニークユーザー数の集計などにも活用されています。

GA4のIPアドレスを除外する設定手順

ここからは、GA4でIPアドレスを除外する方法について紹介していきます。

1.内部トラフィックの定義をする

まず、自社のGA4の中にある内部トラフィックの定義を行います。
①GA4の管理メニューから歯車の設定アイコンを選択
②現在使用中のGAプロパティの「データストリーム」を開いて表示されているデータストリームを開く

2.ウェブストリームの詳細からタグ設定を行うを選択

①「ウェブストリームの詳細」を開き
②画面の下部にある「タグ設定を行う」を選択

3.Googleタグ設定ページから設定の全て表示をクリック

4.すべて表示をクリック後、内部トラフィックの定義を選択

①「すべて表示」をクリック後、
②画面内に表示される「内部トラフィックの定義」を選択

5.内部トラフィックの定義から作成を選択

①「内部トラフィックの定義」を開き右側に表示される「作成」ボタンを選択

6.内部トラフィックルールの作成からルール名とIPアドレスを入力、そして保存

①「内部トラフィック ルールの作成」画面からルール名とIPアドレスを指定していきます。
②ルール名は任意で構いません。
③traffic_typeはデフォルトで入力されている「internal」のままで構いません。
④IPアドレスのマッチタイプを選択して、IPアドレスを入力します。
この際に自社の除外したいIPアドレスが単一であれば、「IPアドレスが次と等しい」を選択します。複数のIPアドレスがある場合には、内部トラフィックルールの作成ページから「条件追加」で複数のIPアドレスを除外することも可能です。
なお、GA4における除外条件の一致タイプは、上記の「IPアドレスが次と等しい」以外にも「IPアドレスが次から始まる」「IPアドレスが次で終わる」「IPアドレスに含む」「IPアドレスが範囲内(CIDR表記)」からも設定できます。
一般的には複数のIPアドレスを持つケースは少ないですが、大企業や制作会社が複数社絡んだり、制作会社が所有するIPアドレスが複数存在する場合には除外条件の一致タイプを選択することで効率的に対応することが可能です。
⑤入力後、「作成」ボタンを選択します。

7.管理画面TOPのデータ管理からデータフィルタを選択

8.データフィルタでフィルタを有効にするを選択

①フィルタの状態で「有効」を選択
②選択したら、保存をクリックすると、IPアドレスの除外設定が完了します。

▼注意点
内部トラフィックのルールを作成するだけではIPアドレスの除外設定は完了しません。必ず作成後にデータフィルタの有効化を行う必要があります。

GA4でIPアドレスを除外する理由

GA4でIPアドレスを除外する方法をご紹介してきましたが、なぜ、IPアドレスの除外設定を行う必要があるのか、理由について解説します。

Webサイトやサービスの追加や修正等を行った際、修正内容の確認や正しく表示されているかなど、確認することは業務上、必要となります。これはホームページを制作会社に依頼していた場合も同様です。
IPアドレスを除外していなかった場合、制作したばかりのページであれば、アクセス数の大半は自社や関係者による数値・データの可能性が高くなります。関係者による数値・データを排除した上で分析・解析を行わなければ、正確な数値を捉えにくくなり、効果を最大化できなくなります。
そのため、純粋なユーザーからのアクセス状況を把握するため、事前にIPアドレスの除外設定を行うことが効果的です。これらは、GA4に限った話ではなく、UAや他のアクセス解析ツールであったとしても、自社内からのアクセスを計測している場合は、同様のことが起こります。

一方で、一概に社内のIPアドレスからのアクセスを除外しなければならないという訳でもありません。例えば、BtoC向けのビジネスを取り扱う企業の場合には、自社の商材やサービスを社員が購入する場合もあります。その場合は、敢えて除外設定を行わない場合もあります。また、リモートワークの社員が多ければ、会社内のIPアドレスの除外を行っても意味がない場合も考えられます。

このように、IPアドレスの除外は自社の状況を総合的に判断した上で検討していくとよいでしょう。

GA4でIPアドレスを除外した後の注意点

IPアドレス除外設定時の反映タイミング

最後に、GA4でIPアドレスの除外設定を行った後の注意点について紹介します。
最初に本記事で紹介した手順にてIPアドレスの除外設定を行った後には、必ずテストを行ってください。
実際に除外したIPアドレスで自社のWebサイトやサービスにアクセスしてみて、意図通り計測されていないのかを確認します。この際に、除外するはずではなかったIPアドレスを設定していないか、設定内容なども合わせて確認するといいでしょう。

除外したIPアドレスによる数値・データは、過去を遡って取得することはできません。万一、間違えた場合には誤って除外してしまったデータは見れないため注意が必要です。

また、UAでは即反映されていたIPアドレス除外設定ですが、GA4では設定後の反映に数時間はかかるようです。UAに比べると反映タイミングは早くないようですので、焦らずに、しばらく時間をおいてから除外されているか確認することをおすすめします。

動的IPアドレス

固定IPアドレスではなく、動的IPアドレスの場合は、一定期間でIPアドレスが変わります。その場合は、変更に合わせて設定を見直す必要があります。変わるタイミングは、まちまちなので、注意が必要です。

根本的に解決する場合は、固定IPアドレスを導入し、除外設定をすることが最も確実となります。自社のIPアドレスが固定なのか、動的なのかもIPアドレス除外設定に確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、GA4のIPアドレスの除外設定方法について解説しました。
IPアドレスはインターネット上の機器に割当られる識別番号のことで、全てのユーザーからのアクセスに紐づいています。そのため、IPアドレスを適切に除外しておかなければ、自社や制作会社など関係者からのアクセスも数値・データに含んでしまい、正しい効果検証を行うことが難しくなることもあります。

一方で、IPアドレスの除外は必須項目ではなく、企業によっては設定を行わない方が効果的な場合もあります。

GA4で正しい解析・分析につなげていけるよう参考になれば幸いです。 また、弊社ヒトノテでは、GA4への移行や導入に関するご支援も行っております。少しでもお悩みがある際はお気軽にお問合わせください。

ヒトノテロゴ

執筆者:山本卓真

株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。中小企業から大企業まで様々な規模、業種のサイトのSEOに携わる。WEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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